運命の人と出逢ったから婚約を白紙にしたい? 構いませんがその人は、貴方が前世で憎んでいた人ですよ

柚木ゆず

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第10話 今日はどちらの悲願の日? アルチュール視点(2)

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「わたくしはアンタと違って、『アンタがわたくしの正体を把握している』と知っていたのよ? だったら、アンタの行動を常に監視させているに決まっているでしょう」
「な……………………。じゃ、じゃあ……」
「当然。マックを含め、同行者全員を仲間にしようと動いていたのも知っているわ」

 なんて、ことだ……。
 すべて、筒抜け、だった……。

「だから、先手を打っておいた。アンタが狙っている人間にアンタ以上にものを渡して、決して裏切らないようにしていたのよね」
「…………………………アイツらの、あれは……。演技……」
「そ、演技。ぷぷっ。愉快だったわ。だって上手くいっていないのに、上手くいったと思って陰でほくそ笑んでいるんだものっ」
「ぐ……!! おっ、お前達! 集まれ!! 作戦変更だ!! この場でコイツらを全員殺すぞ!!」

 野外かつ真昼間の殺人はもみ消しが面倒だが、そうもいっていられない。ここにいるザストール家の人間を全員消さないと、厄介なことになってしまう!

((危ない危ない。父上が心配性でよかった))

 万が一の有事に備え、戦闘に長けている者を従者と護衛にしている。数は同じでも戦闘能力はこっちが遥かに上で、力押しでいける。

「俺が許可する! この者達を皆殺しにしろ!!」
「…………アルチュール様」
「安心しろ!! コイツらレベルならどうにかもみ消せる!! お前らが罪に問われる未来はやってこない!! だから――」
「申し訳ございません。貴方様のご命令は聞けません」

 な!? ぐああ!?
 俺の周りに居た連中が全員向き直り、瞬く間に俺は地面に組み伏せられてしまった。

「なんだ!? なんなんだ!? なにが起こっているんだ!?」

 俺がそうしていたように、コイツ全員がヴィルジニーに買収されていた!?
 いやっ、有り得ない!!
 コイツらは揺さぶられるような弱点はないしっ、万が一肉親を人質にとられていたとしてもだ!! 肉親を見捨てて『ドザベルド家』のために動ける人間を集めているんだ!

((こんなこと、あり得ない……。どうなっているんだ!?))


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