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第7話 呪いが解けた結果 ミリア視点(1)
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「もしもロンド様の異変が普通の病気であれば、その宝石を壊した途端に直りませんし、こんなにも一瞬で肌艶が戻りはしません。治安局の皆様、こちらが証拠でございます」
あり得ないことがこのタイミングで起きた。これが何よりの証拠となります。
それに、証拠は更にもう一点あって――
「レオンが持っていた宝石が割れたら、ロンド君の顔色が別人のようになった……。一体どうなっているのだ……!? せ、説明をいただけますか」
――少しでも早くロンド様を楽にしたく、殆どの説明を省いていました。
その様子だと、当主様は無関係。本当に戸惑われているようですので、呪いについて詳しく説明をさせていただきました。
「…………な、なるほど、そんなものが実在していたのですな……。お、おいっ!」
愕然とされていた表情が険しくなり、そのお顔はレオン様へと鋭く向きました。
「貴様はなにをやっているんだ!? ロンド君はお前の幼馴染っ、血の繋がらない兄弟同然の存在だっただろうが! そんな相手に呪いだなんて……。なぜこんな真似をした!!」
「……し、知らない。俺は何も知らないよ。もしかしたら、その宝石をプレゼントした彼が呪いを――」
「いいえ、あの呪いをかけたのは貴方様ですよ。なぜなら貴方様は、呪いが解けてしまう方法を知っていたのですから」
『それは大事な友人からもらった宝物なんだ! 壊さないでく――』
わたくしは何をするか口にしていないのに、この方は『壊さないで』と言いました。
もしも本当に無関係ならそんな言葉はでませんし、そもそも――。引き出しを開けてあんなにも取り乱しはしません。
「あれはっ、ミリア様がそんな雰囲気を出していたから叫んだだけだ! 一旦冷静になって考えて欲しい! さっき父上が言っていたように俺達は兄弟同然の仲なんだ! 家族にそんな真似をするはずないじゃないか!!」
「……そうですか。否定をされるのですね」
「当たり前だ! 無実の罪を受け入れる奴なんていない!!」
「無実? 違います、貴方様は犯人ですよ。その証拠をもう一つ、お出しすることができますよ」
あの時は、あのタイミングで訪れました。となると、もうじき――
「俺はいつまでも否定する!! 父上! 俺を信じてください!! こんなのおかしい――がぁあ!?」
来ましたね。
最後の証拠の、登場です。
あり得ないことがこのタイミングで起きた。これが何よりの証拠となります。
それに、証拠は更にもう一点あって――
「レオンが持っていた宝石が割れたら、ロンド君の顔色が別人のようになった……。一体どうなっているのだ……!? せ、説明をいただけますか」
――少しでも早くロンド様を楽にしたく、殆どの説明を省いていました。
その様子だと、当主様は無関係。本当に戸惑われているようですので、呪いについて詳しく説明をさせていただきました。
「…………な、なるほど、そんなものが実在していたのですな……。お、おいっ!」
愕然とされていた表情が険しくなり、そのお顔はレオン様へと鋭く向きました。
「貴様はなにをやっているんだ!? ロンド君はお前の幼馴染っ、血の繋がらない兄弟同然の存在だっただろうが! そんな相手に呪いだなんて……。なぜこんな真似をした!!」
「……し、知らない。俺は何も知らないよ。もしかしたら、その宝石をプレゼントした彼が呪いを――」
「いいえ、あの呪いをかけたのは貴方様ですよ。なぜなら貴方様は、呪いが解けてしまう方法を知っていたのですから」
『それは大事な友人からもらった宝物なんだ! 壊さないでく――』
わたくしは何をするか口にしていないのに、この方は『壊さないで』と言いました。
もしも本当に無関係ならそんな言葉はでませんし、そもそも――。引き出しを開けてあんなにも取り乱しはしません。
「あれはっ、ミリア様がそんな雰囲気を出していたから叫んだだけだ! 一旦冷静になって考えて欲しい! さっき父上が言っていたように俺達は兄弟同然の仲なんだ! 家族にそんな真似をするはずないじゃないか!!」
「……そうですか。否定をされるのですね」
「当たり前だ! 無実の罪を受け入れる奴なんていない!!」
「無実? 違います、貴方様は犯人ですよ。その証拠をもう一つ、お出しすることができますよ」
あの時は、あのタイミングで訪れました。となると、もうじき――
「俺はいつまでも否定する!! 父上! 俺を信じてください!! こんなのおかしい――がぁあ!?」
来ましたね。
最後の証拠の、登場です。
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