催眠探偵術師のミク

柚木ゆず

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「あの~。三久さん、お一つよろしいですか~?」
「ふぇ? なにかなー?」
「真実の調査はともかくとしてですね~。近しい人が良い情報をばら撒いたり無実を訴えて回ったりしていると、余計に月橋さんの評判が下がってしまうのではないでしょうか~?」
「うん、そだね。もっと悪くなっちゃう」

 夢卯ちゃんはずっと真面目に優しく頑張ってきているから、弓ちゃんの主張を信じていない人たちもいる。
 そんなことをしたら、そんな人達も敵になっちゃうと思う。

「でもそうしないと夢卯ちゃんはずっと嫌な目で見られるようになっちゃって、きっといずれとっても悪いことも起きちゃうと思うの」

 いつまでも解決できなかったら、弓ちゃんはきっと『夢卯ちゃんが学園にいるから登校できない』と言い出す。そしたら夢卯ちゃんは、この学園にいられなくなっちゃう。

「それを防ぐためにはね、できるだけ早く真犯人を捕まえないといけない。それには、必死になりすぎて逆効果になってるお姿を見せとかないといけないんだよー」
「そうなのよね。……ふふふ、心配はいらないわ。だって三久は、最年少で試験に合格した期待の新人なんだもの。確実に、状況を良くしてくれるわ」

 わたしが御説明をして真希ちゃんが大人っぽく微笑んだら、みんなすぐに頷いてくれましたっ。

「あらら~、また差し出がましい発言をしてしまいましたね~。失礼しました~」
「佐々木さん、絵墨さん。よろしくお願い致します」
「ミクちゃん、絵墨さん。よろしくお願いします」
「んーんだよーっ、お任せだよーっ。じゃー昼休みになるまでは何もできないから、それまでわたし達はいつも通りに過ごしましょー」

 いつもとおんなじに動く。これはとっても大事で、夢卯ちゃんと扇ちゃんとわたしは、登校の準備を始めたのでしたっ。

                   ○

「三久、校内の状況はこんな感じよ。どうかしら?」
「んっ。バッチリだよーっ」

 お昼休み。わたし達4人は寮の『218号室』に集まって確認をしていて、わたしは頭の上で〇を作りましたっ。

「真希ちゃんが頑張って動いてくれたおかげで、夢卯ちゃんを信じてくれた人もかなり弓ちゃんの味方をするようになってる。作戦第1段、かんりょーだよっ」

 それって本当なら、とっても悪い状態。でも今は反対で、とっても良い状態なのですっ。

「わぁ~、それはなによりです~。では三久さん、今からは何をするのです~?)
「あたしも、気になるわ。ミクちゃん、次は何をやるつもりなの?」
「次はね、学校の――校舎のお掃除をします。お昼休みが終わるまで真希ちゃんも一緒に4人で、昨日やったお掃除をゴシゴシするんだよー。
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