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第10話 2人目の末路 俯瞰視点(2)
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「わ、私(わたくし)はちょっとだけっ、ほんのちょっとだけ不安を煽っただけなんだものっ! このくらいは平気よ!! きょ、今日までなにも起きていないのがその証拠! これからも大丈夫っ! もうなにもしなければ安心――ぎぁ!?」
安心、ではありませんでした。
このタイミングでロアイネがかけた魔法が発動。あの時ルイーザが感じた心の痛みが肉体への痛みへと変換され、アンルを襲いました。
「撃たれた!!」
背中からお腹を貫通する激痛が走り、アンルはその場に崩れ落ちます。
その痛みはアンルにとって今まで経験したことのないレベルで、たまらず失禁。あっという間に黄色の水たまりができ――
「ひぃぁああああ……。し、しぬ……。しんじゃううう……。し――痛みがなくなった……!?」
――もう駄目だ、と感じた直後でした。スッと痛みが消え去ったのでした。
「……ま、前にも後ろにも、穴が開いてない……。マリー様みたいになっていただけで…………実際には、なにも起きていないんだ……。よ、よかった……。よかった――全然よくないわよぉ!!」
マリー様と同じ。つまり、自分も対象となっていると痛感しました。
「もう痛くないから、これで許された……? ………………たぶん、違う……」
マリーに降りかかった出来事を考えたら、このくらいで許されはしない。いずれ、殺気みたいな痛みが――もしかするとそれ以上の痛みがやってくる。
そう感じたアンルは――
「皆さん!! 私はルイーザ・ワットアーク様に嫌がらせをしておりました!!」
――狼狽しながら廊下へと飛び出し、腹の底から大声を出したのでした。
「数か月前から私はまり――私は自分の意思でアンル様に嫌がらせをしていました!! 私は優秀なルイーザ様に嫉妬をしていまい様々な形で嫌がらせをしていたんです!!」
マリー様と一緒にやりました。そう言ってしまうと、マリー様の件はルイーザが関係していると疑う人が出てくるかもしれない。そうなると自分に余計なヘイトが向いてしまうかもしれない。
マリーも関係していた事実を告げれば印象が多少良くなりますが、それよりも痛みが発生しないことが――まるで抜け殻のようになってしまわないことが大事なため、アンルは余計な名前を出さないようにしました。
「私はとんでもない真似をしてしまいました! 心から反省しております!!」
『『『『『誰かに、言わされている……?』』』』』
「違います!! 私は自分の意思で言っておりましてっ、とある理由で後悔するようになったのです!! ルイーザ様、本当に申しわけございません!! 猛省しておりましてっっ!! その気持ちを示すためにっ、本日をもってこの学院を去ります!!」
そんな理由で学院を退学してしまったら、二度と表舞台には立てなくなってしまう。あまりにも大きなダメージとなります。
それでも、マリーのような生きた屍になるよりはマシでした。
「私の決断は揺るぎません!! 皆様っ、決して引き留めないでください――ああいえ私のような愚者を引き留める方など居ませんね!! だって私はルイーザ様に対して大変な真似をしたのですから!! ルイーザ様、本当に申し訳ございませんでした!! 貴方様を踏んだりなじったりした愚者は、ただちにこの場を去ります!!」
アンルは心の中で血の涙を流しながら大急ぎで荷物をまとめて学院を去り、飛ぶようにしてミ―サルト家の屋敷へと帰り――
「ごめんなさい……。ごめんなさい……。いまでもちゃんと反省しておりますから……。許してください……」
――その後は一切外へと出ることはなく、部屋の隅で生涯震えていたそうです。
安心、ではありませんでした。
このタイミングでロアイネがかけた魔法が発動。あの時ルイーザが感じた心の痛みが肉体への痛みへと変換され、アンルを襲いました。
「撃たれた!!」
背中からお腹を貫通する激痛が走り、アンルはその場に崩れ落ちます。
その痛みはアンルにとって今まで経験したことのないレベルで、たまらず失禁。あっという間に黄色の水たまりができ――
「ひぃぁああああ……。し、しぬ……。しんじゃううう……。し――痛みがなくなった……!?」
――もう駄目だ、と感じた直後でした。スッと痛みが消え去ったのでした。
「……ま、前にも後ろにも、穴が開いてない……。マリー様みたいになっていただけで…………実際には、なにも起きていないんだ……。よ、よかった……。よかった――全然よくないわよぉ!!」
マリー様と同じ。つまり、自分も対象となっていると痛感しました。
「もう痛くないから、これで許された……? ………………たぶん、違う……」
マリーに降りかかった出来事を考えたら、このくらいで許されはしない。いずれ、殺気みたいな痛みが――もしかするとそれ以上の痛みがやってくる。
そう感じたアンルは――
「皆さん!! 私はルイーザ・ワットアーク様に嫌がらせをしておりました!!」
――狼狽しながら廊下へと飛び出し、腹の底から大声を出したのでした。
「数か月前から私はまり――私は自分の意思でアンル様に嫌がらせをしていました!! 私は優秀なルイーザ様に嫉妬をしていまい様々な形で嫌がらせをしていたんです!!」
マリー様と一緒にやりました。そう言ってしまうと、マリー様の件はルイーザが関係していると疑う人が出てくるかもしれない。そうなると自分に余計なヘイトが向いてしまうかもしれない。
マリーも関係していた事実を告げれば印象が多少良くなりますが、それよりも痛みが発生しないことが――まるで抜け殻のようになってしまわないことが大事なため、アンルは余計な名前を出さないようにしました。
「私はとんでもない真似をしてしまいました! 心から反省しております!!」
『『『『『誰かに、言わされている……?』』』』』
「違います!! 私は自分の意思で言っておりましてっ、とある理由で後悔するようになったのです!! ルイーザ様、本当に申しわけございません!! 猛省しておりましてっっ!! その気持ちを示すためにっ、本日をもってこの学院を去ります!!」
そんな理由で学院を退学してしまったら、二度と表舞台には立てなくなってしまう。あまりにも大きなダメージとなります。
それでも、マリーのような生きた屍になるよりはマシでした。
「私の決断は揺るぎません!! 皆様っ、決して引き留めないでください――ああいえ私のような愚者を引き留める方など居ませんね!! だって私はルイーザ様に対して大変な真似をしたのですから!! ルイーザ様、本当に申し訳ございませんでした!! 貴方様を踏んだりなじったりした愚者は、ただちにこの場を去ります!!」
アンルは心の中で血の涙を流しながら大急ぎで荷物をまとめて学院を去り、飛ぶようにしてミ―サルト家の屋敷へと帰り――
「ごめんなさい……。ごめんなさい……。いまでもちゃんと反省しておりますから……。許してください……」
――その後は一切外へと出ることはなく、部屋の隅で生涯震えていたそうです。
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