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第6話 いつもとは真逆……?~夕食での出来事~ ローラ視点
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((……………………))
あたしは――あたしだけじゃない……。パパも、ママも。唖然となりながら、お姉ちゃんを眺めていた。
「もともとが、新鮮なお野菜だったからなのかな? 痛んでても美味しいな」
「骨って、舐めても味があるんだ。新しいことを発見できて、よかった」
「このパン。噛み応えが増していて、違う良さが出てる」
「硬めのパンで口の中が乾燥しているから、お湯は丁度いいな」
すぐに化けの皮が剥がれて、『どんより曇り空』になると思ってたのに……。お姉ちゃんは、ニコニコしながら食事をしている……。
いつもは、自分に出されたご飯を寂しそうに見ているのに……っ。表情も言ってることも、全部が真逆になってる……っ!
(パパ、ママっ。これ、本当に演技をしてるの……!?)
内心怯えながらやってる人の行動とは思えない。2人は、どう感じてるの!?
(……………………)
(……………………)
パパとママは、あたしの小声に気付かないくらい動揺してる。
ナイフとフォークを持つ手は、カタカタ震えてるし……。2人も、演技とは思っていないみたい。
(ねえっ、パパママっ! こっち見て! あたしの声を聞いてっ!)
(……………………! す、すまんローラ)
(平常心を、失ってしまっていたわ……。な、なあに?)
(あたしが言った通りだったでしょっ? お芝居じゃないでしょっ? おかしいでしょ!?)
(あ、ああ……。そう、だな……)
(わたくし達の推理は……。間違っていたみたいね……)
2人は目を見開きながら小さく頷いて、またじっと、お姉ちゃんを見つめる。
(食事や状況に対する反応が……。これまでとは、正反対になっている……)
(180度違っているなんて、異様よ……。どうなっているの……?)
あたしにも、全然分からない。
お姉ちゃんを見れば見るほど、頭がこんがらがってきて……。立ち眩みがやってくる。
(だ、ダメだ……。これ以上解明しようとすると……。ニナを見ていると、倒れてしまう……)
(そうね、あなた……。ローラ、続きはあとにしましょ……。とりあえず食事をして、食後にお母さんとお父さんの部屋で改めて考えましょ……)
(そ、そう、だね……。そうしよ……。今はとにかく、美味しい食事に集中しよ……)
今日のメニューは、あたし達の大好物ばかり。なのでこのことはいったん忘れて、好物に舌鼓を打つことにした。
で、でも……。
たぶん、食卓にニコニコしてる変な人がいるからなんだと思う……。味を感じる余裕がなくって……。よく分からないまま、今日の夕食は終わってしまったのだった……。
あたしは――あたしだけじゃない……。パパも、ママも。唖然となりながら、お姉ちゃんを眺めていた。
「もともとが、新鮮なお野菜だったからなのかな? 痛んでても美味しいな」
「骨って、舐めても味があるんだ。新しいことを発見できて、よかった」
「このパン。噛み応えが増していて、違う良さが出てる」
「硬めのパンで口の中が乾燥しているから、お湯は丁度いいな」
すぐに化けの皮が剥がれて、『どんより曇り空』になると思ってたのに……。お姉ちゃんは、ニコニコしながら食事をしている……。
いつもは、自分に出されたご飯を寂しそうに見ているのに……っ。表情も言ってることも、全部が真逆になってる……っ!
(パパ、ママっ。これ、本当に演技をしてるの……!?)
内心怯えながらやってる人の行動とは思えない。2人は、どう感じてるの!?
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パパとママは、あたしの小声に気付かないくらい動揺してる。
ナイフとフォークを持つ手は、カタカタ震えてるし……。2人も、演技とは思っていないみたい。
(ねえっ、パパママっ! こっち見て! あたしの声を聞いてっ!)
(……………………! す、すまんローラ)
(平常心を、失ってしまっていたわ……。な、なあに?)
(あたしが言った通りだったでしょっ? お芝居じゃないでしょっ? おかしいでしょ!?)
(あ、ああ……。そう、だな……)
(わたくし達の推理は……。間違っていたみたいね……)
2人は目を見開きながら小さく頷いて、またじっと、お姉ちゃんを見つめる。
(食事や状況に対する反応が……。これまでとは、正反対になっている……)
(180度違っているなんて、異様よ……。どうなっているの……?)
あたしにも、全然分からない。
お姉ちゃんを見れば見るほど、頭がこんがらがってきて……。立ち眩みがやってくる。
(だ、ダメだ……。これ以上解明しようとすると……。ニナを見ていると、倒れてしまう……)
(そうね、あなた……。ローラ、続きはあとにしましょ……。とりあえず食事をして、食後にお母さんとお父さんの部屋で改めて考えましょ……)
(そ、そう、だね……。そうしよ……。今はとにかく、美味しい食事に集中しよ……)
今日のメニューは、あたし達の大好物ばかり。なのでこのことはいったん忘れて、好物に舌鼓を打つことにした。
で、でも……。
たぶん、食卓にニコニコしてる変な人がいるからなんだと思う……。味を感じる余裕がなくって……。よく分からないまま、今日の夕食は終わってしまったのだった……。
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