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第7話 食後~再び話し合う3人~ ローラ視点
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「落ち着こう。全員、一旦落ち着こうじゃないか」
食事を終えてから、およそ30分後。パパとママの部屋に行くと、パパは自分にも言い聞かせるように深呼吸をした。
……そうだよね……。あたし達は3人とも、まだ混乱してるんだもん。このまま話し合っても、ちゃんとした話し合いにはならない。だからあたしとママも何度も大きく息を吸って吐いて、でもそれだけじゃ収まらなくって。鎮静効果のあるカモミールを2杯飲んで、どうにか落ち着けた。
「…………はぁ、酷い目に遭ったわ……。それじゃあ、ニナのあのリアクションについて話し合いましょ」
「うむ、そうだな。まずは、状況を整理しよう。…………今朝は――茶会に出発する直前も、あやつはいつも通りだった。カプシーヌとローラも、確かに見ただろう?」
あたし達は、コクリと頷く。朝食を摂る時も支度をする時も、『どんより曇り空』だった。
「となると、外出中に何かあったと考えるべきだ。しかし……」
「ええ。今日の行動は、これまで何度も行っているもの。行き先もメンバーも同じで、特別なことは一つも起きていないのよね……」
いつもの場所で同じメンバーと、お茶会をしただけ。パパが御者に命じているから寄り道は絶対にしてなくて、あんなにも変わる程の影響を受けることはなかったはず。
「でも、起きてるんだから…………。あっ。もしかして、お茶会の最中に転んで頭を打った?」
一体どうされたのですか……!? って使用人が聞いた時、『え? いつも通りですよ』とか不気味なことをさらっと言ってたし。記憶に何か起きているのかも。
「…………いや。その際にそれほどの事が起きていれば、騒ぎになっている。そういったものは発生していないだろう」
そっか、確かにそうだよね。侯爵家の敷地内で頭を打ってたら、そういった情報がすぐ入るよね。
「……出発前まではいつもの調子で、帰ってきたら変わっていた。けれど、空白の時間に該当しそうなことはない……」
「原因不明、だよね……。どうなってるんだろ……?」
落ち着いてじっくり考えてみても、まったく分かんない。なんなの、これ……?
「「「……………………」」」
…………。
……………………。
…………………………。
「…………こうして考えていても、埒が明かない。明日外出し、こういった出来事が他所でも――他の人間にも発生していないかを、調べてこよう」
あたしの集中していたせいで、どのくらい時間が経ったのか分からない。体感的にかなりの時間沈黙が続いていたら、不意にパパが大きく頷いた。
「似たケースがあるのであれば、対策も取りやすくなる。これ以上ここでこうしていても進展はなく、無駄に時間を使うだけだ。今日はお開きとし、ここまでとしよう」
「そうだね、パパ。その間、お姉ちゃんはどうする?」
「あんな子には、当分関わりたくないわ。あの子の相手はエステスや使用人に任せ、わたくし達は……そうね……。わたくし達も、ついていきましょ」
あんな意味不明な人がいたら落ち着かないし、人数が多い方が効率がいいもんね。
というわけで明日の予定が決まり、異変のせいで疲れたから…………。今日はもう、眠る。
「……そういえば……。今日は夜に、3人で流星群を観に行く予定だったね……」
「……そういえば……。そう、だったな……」
「……そういえば……。そんな約束を、していたわね……」
「………………みんな忘れてて、ピークを過ぎちゃってるよ…………。…………はぁ」
そうしてあたし達は何度もため息を吐きながらそれぞれの部屋に入り、あたしはすぐにベッドへと入ったのでした……。
今夜は100年に1度と言われる流星群を見られる日で、ずっと楽しみにしていたのに……。
台無しに、なっちゃった…………。
食事を終えてから、およそ30分後。パパとママの部屋に行くと、パパは自分にも言い聞かせるように深呼吸をした。
……そうだよね……。あたし達は3人とも、まだ混乱してるんだもん。このまま話し合っても、ちゃんとした話し合いにはならない。だからあたしとママも何度も大きく息を吸って吐いて、でもそれだけじゃ収まらなくって。鎮静効果のあるカモミールを2杯飲んで、どうにか落ち着けた。
「…………はぁ、酷い目に遭ったわ……。それじゃあ、ニナのあのリアクションについて話し合いましょ」
「うむ、そうだな。まずは、状況を整理しよう。…………今朝は――茶会に出発する直前も、あやつはいつも通りだった。カプシーヌとローラも、確かに見ただろう?」
あたし達は、コクリと頷く。朝食を摂る時も支度をする時も、『どんより曇り空』だった。
「となると、外出中に何かあったと考えるべきだ。しかし……」
「ええ。今日の行動は、これまで何度も行っているもの。行き先もメンバーも同じで、特別なことは一つも起きていないのよね……」
いつもの場所で同じメンバーと、お茶会をしただけ。パパが御者に命じているから寄り道は絶対にしてなくて、あんなにも変わる程の影響を受けることはなかったはず。
「でも、起きてるんだから…………。あっ。もしかして、お茶会の最中に転んで頭を打った?」
一体どうされたのですか……!? って使用人が聞いた時、『え? いつも通りですよ』とか不気味なことをさらっと言ってたし。記憶に何か起きているのかも。
「…………いや。その際にそれほどの事が起きていれば、騒ぎになっている。そういったものは発生していないだろう」
そっか、確かにそうだよね。侯爵家の敷地内で頭を打ってたら、そういった情報がすぐ入るよね。
「……出発前まではいつもの調子で、帰ってきたら変わっていた。けれど、空白の時間に該当しそうなことはない……」
「原因不明、だよね……。どうなってるんだろ……?」
落ち着いてじっくり考えてみても、まったく分かんない。なんなの、これ……?
「「「……………………」」」
…………。
……………………。
…………………………。
「…………こうして考えていても、埒が明かない。明日外出し、こういった出来事が他所でも――他の人間にも発生していないかを、調べてこよう」
あたしの集中していたせいで、どのくらい時間が経ったのか分からない。体感的にかなりの時間沈黙が続いていたら、不意にパパが大きく頷いた。
「似たケースがあるのであれば、対策も取りやすくなる。これ以上ここでこうしていても進展はなく、無駄に時間を使うだけだ。今日はお開きとし、ここまでとしよう」
「そうだね、パパ。その間、お姉ちゃんはどうする?」
「あんな子には、当分関わりたくないわ。あの子の相手はエステスや使用人に任せ、わたくし達は……そうね……。わたくし達も、ついていきましょ」
あんな意味不明な人がいたら落ち着かないし、人数が多い方が効率がいいもんね。
というわけで明日の予定が決まり、異変のせいで疲れたから…………。今日はもう、眠る。
「……そういえば……。今日は夜に、3人で流星群を観に行く予定だったね……」
「……そういえば……。そう、だったな……」
「……そういえば……。そんな約束を、していたわね……」
「………………みんな忘れてて、ピークを過ぎちゃってるよ…………。…………はぁ」
そうしてあたし達は何度もため息を吐きながらそれぞれの部屋に入り、あたしはすぐにベッドへと入ったのでした……。
今夜は100年に1度と言われる流星群を見られる日で、ずっと楽しみにしていたのに……。
台無しに、なっちゃった…………。
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