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第1話 満員御礼? と、不思議なお客様(3)
「お待たせいたしました。オリジナルブレンドでございます」
あれから、どのくらいの時間が経ったのかな? あの満面の笑みがあまりにも衝撃的で、よく覚えていない。
とにかくあたしは心を込めてコーヒーを淹れて、選び抜いた白のレギュラーカップに注いでお出しした。
「うむ。……貴様らは、そこで待っているがいい」
淡々とあたしに頷いたお客様は、ミケとサバを優しく優しく抱きかかえて床に降ろし、再び淡々としてコーヒーを飲み始める。
これって、さ。飲むのに邪魔だからじゃなくて、万が一コーヒーがかからないように離してるよね?
もうすっかり、最初の印象とは大違い。みんながこんなに懐いてるのも納得です。
「……………………む。店員よ、このコーヒーだが……」
「はいっ!? どうされましたかっ!?」
そんな風に思っていたら、みんなへのものとは真逆で鋭い目線が注がれた。
もしかして美味しくありませんでしたかっ!? このコーヒー、お口に合いませんでしたかっ!?
「……………………このブレンド……。なかなかに面白いではないか」
「え?」
面白い? 美味しいでも不味いでもなくって、面白い?
どういうこと?
「豆の値段や配合を問うてはいない。これはつまるところ市場などで仕入れた一般に流通している豆と、同じく一般的な装置を使い、既存のやり方で抽出したものなのだろう?」
「は、はいっ。そうでございます」
「しかしながらこの一杯には、他店にはないものがあるようだ。ソレの解明には至っていないが、何にせよ良い個性ではないか。気に入ったぞ」
「っっ! ありがとうございますっ!」
初めて、社交辞令なしで褒めてもらえた。それがすっごく嬉しくって、気が付くと90度に頭を下げていた。
「この静けさとこの者達だけが『魅力』だと思っていたが、それは大きな間違いだったな。フードメニューにも興味が湧いたぞ」
お客様は満足げにコーヒーを飲み干し、メニュー表を手に――取ろうとして、止める。小さく息を吐いて立ち上がった美男さんは8匹を順番に撫で、伝票を持ってレジにいらっしゃった。
「生憎と、今日はもう時間がない。食べ物は日を変え、後日――そうだな。明日、味わうとしよう」
「あっ、明日も来てくださるのですかっ!? お待ちしておりますっ!」
オリジナルブレンドは、1杯400G(ゴールド)。1000G紙幣を受け取って600Gをお返しして、もう一度破顔でお辞儀を行う。
これって、リピーターさん、だよねっ? 『ラング・ド・シャ』にとっては初めて、初の快挙で……っ。
((((((((にゃっ!))))))))
(うんっ!)
あたし達は両手と前足で、こっそりハイタッチを行ったのでした。
「明日も、人気(ひとけ)がない時間帯に邪魔をするとしよう。この店は午前9時から午後6時まで開き、午後1時から2時までは休止、だったな?」
「はい、そうでございます。定休日はなしの、1日8時間営業となっております」
「改めて、把握した。ミケ、サバ、チャ、キジ、グレ、サビ、シロ、クロ、そして店主よ。貴様らのおかげで、よい時間を過ごせたぞ」
美男さんはあたし達スタッフにとって最高の言葉を残し、店の扉を潜っていった。
みんなだけでなく、あたしも、か。喜んでもらえて、ホントによかったよ――ってあれ? ちょっと待って。
これって、ヘンだよね?
あれから、どのくらいの時間が経ったのかな? あの満面の笑みがあまりにも衝撃的で、よく覚えていない。
とにかくあたしは心を込めてコーヒーを淹れて、選び抜いた白のレギュラーカップに注いでお出しした。
「うむ。……貴様らは、そこで待っているがいい」
淡々とあたしに頷いたお客様は、ミケとサバを優しく優しく抱きかかえて床に降ろし、再び淡々としてコーヒーを飲み始める。
これって、さ。飲むのに邪魔だからじゃなくて、万が一コーヒーがかからないように離してるよね?
もうすっかり、最初の印象とは大違い。みんながこんなに懐いてるのも納得です。
「……………………む。店員よ、このコーヒーだが……」
「はいっ!? どうされましたかっ!?」
そんな風に思っていたら、みんなへのものとは真逆で鋭い目線が注がれた。
もしかして美味しくありませんでしたかっ!? このコーヒー、お口に合いませんでしたかっ!?
「……………………このブレンド……。なかなかに面白いではないか」
「え?」
面白い? 美味しいでも不味いでもなくって、面白い?
どういうこと?
「豆の値段や配合を問うてはいない。これはつまるところ市場などで仕入れた一般に流通している豆と、同じく一般的な装置を使い、既存のやり方で抽出したものなのだろう?」
「は、はいっ。そうでございます」
「しかしながらこの一杯には、他店にはないものがあるようだ。ソレの解明には至っていないが、何にせよ良い個性ではないか。気に入ったぞ」
「っっ! ありがとうございますっ!」
初めて、社交辞令なしで褒めてもらえた。それがすっごく嬉しくって、気が付くと90度に頭を下げていた。
「この静けさとこの者達だけが『魅力』だと思っていたが、それは大きな間違いだったな。フードメニューにも興味が湧いたぞ」
お客様は満足げにコーヒーを飲み干し、メニュー表を手に――取ろうとして、止める。小さく息を吐いて立ち上がった美男さんは8匹を順番に撫で、伝票を持ってレジにいらっしゃった。
「生憎と、今日はもう時間がない。食べ物は日を変え、後日――そうだな。明日、味わうとしよう」
「あっ、明日も来てくださるのですかっ!? お待ちしておりますっ!」
オリジナルブレンドは、1杯400G(ゴールド)。1000G紙幣を受け取って600Gをお返しして、もう一度破顔でお辞儀を行う。
これって、リピーターさん、だよねっ? 『ラング・ド・シャ』にとっては初めて、初の快挙で……っ。
((((((((にゃっ!))))))))
(うんっ!)
あたし達は両手と前足で、こっそりハイタッチを行ったのでした。
「明日も、人気(ひとけ)がない時間帯に邪魔をするとしよう。この店は午前9時から午後6時まで開き、午後1時から2時までは休止、だったな?」
「はい、そうでございます。定休日はなしの、1日8時間営業となっております」
「改めて、把握した。ミケ、サバ、チャ、キジ、グレ、サビ、シロ、クロ、そして店主よ。貴様らのおかげで、よい時間を過ごせたぞ」
美男さんはあたし達スタッフにとって最高の言葉を残し、店の扉を潜っていった。
みんなだけでなく、あたしも、か。喜んでもらえて、ホントによかったよ――ってあれ? ちょっと待って。
これって、ヘンだよね?
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