婚約者にも家族にも裏切られたので、小さな村でモフモフカフェを開くことにしました

柚木ゆず

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第2話 カフェタイムの再来店(2)



「……。…………。………………。成程な。人気(ひとけ)が皆無な理由が、よく分かった」

 一口、二口、三口。黙々とパンケーキを食べていた美男さんは、そんな言葉と共にナイフとフォークを置いた。
 そ、それって……。つまりは……。不味かったって、意味だよね……?

「「「「「「「「にゃ……。にゃぁ…………」」」」」」」」
「すっ、すみませんっ。折角お越しくださったのに、期待を裏切るようなものをお出ししてしまいました……っ」
「む? 貴様らは、揃って何を――ああ、そうであったか。否、語弊があった」

 え? ごへい……?

「この一品は、実に美味。先の言(げん)は、言葉通りだ。『何故(なぜ)閑古鳥が鳴いているのかを、把握できた』、と口にしていただけだ」
「そ、そうだったのですね。安心、致しました……っ」
「「「「「「「「にゃっ。にゃぁ~っ」」」」」」」」

 気に入ってくれていて、しかも高く評価してくれてもいる。あたし達はホッと胸を撫で下ろして、みんなで一緒に笑い合った。

「見た目、味共に上出来、至高の品と言っても過言ではないぞ。昨日(さくじつ)の感覚は、偶々でも気のせいでもなかった。この店にはもう一つ、魅力があったのだな」

 お客様は僅かに口を緩めて再びナイフとフォークを持って、四口め、五口め。引き続き淡々と無表情で、でも――。今回は一度もカトラリーを置くことなく、ノンストップでの完食となりました!

「店主、良い時を過ごせた。その礼込めて、先述した『理由』について教授するとしよう」
「それって、誰もいらっしゃらない理由ですよねっ!? おっ、お願いしますっ!」
「「「「「「「「うにゃぁっ。にゃあっっ!」」」」」」」」

 そこの対策をすれば、このお店は繁盛するっ。繁盛すれば、あたし達は生きていける。
 おもわずあたしはカウンターから身を乗り出し、みんなは一斉にお客様の顔を見上げた。

「うむ。では、単刀直入に言おう」

 美男さんは、ミケ、サバ、チャ、キジ、グレ、サビ、シロ、クロ、あたしの順に視線を動かし、その後ゆっくりと再び口が開く。
 ウチがこうなっている理由。それは――


「貴様の作る料理は、食べた者の心を十二分に満たしてしまうからだ」
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