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第19話 一年後 俯瞰視点(3)
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「「「「「……………………」」」」」
《なぜこんな異様な芸当をできるのか? 答えは高位の存在だからだ。……さあて。次はお待ちかね、第三の問いに応えよう》
なんのために話しかけているのか?
その理由は――
《と言ったものの、せっかくの機会だ。実に愉快な日ゆえに、少々戯れてクイズを出そう》
「「「「「クイズ……?」」」」」」
《お前達もよく知っているように、我は285年前に討たれた。当時この国にいた、勇の者にな》
「「「「「………………」」」」」
《我の目的を阻止された上に、この身を滅ぼされたのだ。あの者は最も憎い存在。だとしたら、何をしたいと思っている、と思う?》
「…………復讐?」
《お前は、レオンだったか。正解だ。我が望むこと、それは復讐だ》
当時自身を討った勇者――はすでにこの世を去っているため、勇者への不可能。だから違う形での復讐を考えていた。
くくくと喉を不気味に鳴らしながら、邪神はそう言いました。
「違う、方法……? それは、いったい……?」
《我が考える、復讐方法。それはこの国の消滅だ》
忌々しい勇者――その者が治めていた国、そんな生き物が愛していた民達が紡いできた歴史の消滅。それが望みだと、嗤いながら説明をしました。
《あの呪いで目的を果すつもりだったが、今度は聖女が誕生してしまう。そのおかげで失敗に終わっていたが、お前達によって新たな復讐が可能となったのだよ》
「俺達が……!? どっ、どういうことですか!?」
レオンだけではなく4人も、目を見開きました。
《お前達は聖女を恨んでいるだろう? この国を激しく恨んでいるだろう?》
「ええ! 当然です!」「もちろんです」「ええ!」「その通りです!」「はい!」
《その負のエネルギーを用いれば、これまで不可能だったことが可能となるのだよ。……そういえばお前達にはもう、まともな未来はないのだったな》
一生このまま。
死ぬまで働かされ続ける。
それほどの罪ではないはずなのに。
勘違いさせた聖女にも非はあるはずなのに。
理不尽な罰を背負わされ続ける羽目になっている。
おまけに今やすっかり、国民は国の『恥部』と思っている。
国民までもが手のひらを返している。
そう語り、邪神は――ニヤリとしました。
《そんな者達は許せないだろう? 同じ、否、それ以上の苦しみを味わわせたくなるだろう?》
「「「「「…………」」」」」
《我ならば、お前達の怒りを発散させられるのだよ。……言わずもがな、同志は手にかけんと約束しよう。…………どうだ? 我に力を貸さないか?》
そんな、まさに悪魔の問いかけ。自身の回答で大勢の生死が決まるクエッションに対して――
「「「「「喜んで!!」」」」」
――全員が、嬉々として頷いたのでした。
《なぜこんな異様な芸当をできるのか? 答えは高位の存在だからだ。……さあて。次はお待ちかね、第三の問いに応えよう》
なんのために話しかけているのか?
その理由は――
《と言ったものの、せっかくの機会だ。実に愉快な日ゆえに、少々戯れてクイズを出そう》
「「「「「クイズ……?」」」」」」
《お前達もよく知っているように、我は285年前に討たれた。当時この国にいた、勇の者にな》
「「「「「………………」」」」」
《我の目的を阻止された上に、この身を滅ぼされたのだ。あの者は最も憎い存在。だとしたら、何をしたいと思っている、と思う?》
「…………復讐?」
《お前は、レオンだったか。正解だ。我が望むこと、それは復讐だ》
当時自身を討った勇者――はすでにこの世を去っているため、勇者への不可能。だから違う形での復讐を考えていた。
くくくと喉を不気味に鳴らしながら、邪神はそう言いました。
「違う、方法……? それは、いったい……?」
《我が考える、復讐方法。それはこの国の消滅だ》
忌々しい勇者――その者が治めていた国、そんな生き物が愛していた民達が紡いできた歴史の消滅。それが望みだと、嗤いながら説明をしました。
《あの呪いで目的を果すつもりだったが、今度は聖女が誕生してしまう。そのおかげで失敗に終わっていたが、お前達によって新たな復讐が可能となったのだよ》
「俺達が……!? どっ、どういうことですか!?」
レオンだけではなく4人も、目を見開きました。
《お前達は聖女を恨んでいるだろう? この国を激しく恨んでいるだろう?》
「ええ! 当然です!」「もちろんです」「ええ!」「その通りです!」「はい!」
《その負のエネルギーを用いれば、これまで不可能だったことが可能となるのだよ。……そういえばお前達にはもう、まともな未来はないのだったな》
一生このまま。
死ぬまで働かされ続ける。
それほどの罪ではないはずなのに。
勘違いさせた聖女にも非はあるはずなのに。
理不尽な罰を背負わされ続ける羽目になっている。
おまけに今やすっかり、国民は国の『恥部』と思っている。
国民までもが手のひらを返している。
そう語り、邪神は――ニヤリとしました。
《そんな者達は許せないだろう? 同じ、否、それ以上の苦しみを味わわせたくなるだろう?》
「「「「「…………」」」」」
《我ならば、お前達の怒りを発散させられるのだよ。……言わずもがな、同志は手にかけんと約束しよう。…………どうだ? 我に力を貸さないか?》
そんな、まさに悪魔の問いかけ。自身の回答で大勢の生死が決まるクエッションに対して――
「「「「「喜んで!!」」」」」
――全員が、嬉々として頷いたのでした。
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