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第20話 その選択は 俯瞰視点(3)
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「「「「「うぎゃああああああああああああああああああああ!?」」」」」」
突然身体から真っ白な煙が上がるようになり、同時に未曽有の激痛が襲ってくるようになってしまう。
激しい痛みが休みなくやって来るため、レオンは言おうとしていた言葉を紡げなかったのです。
「「「「「ぎゃああああ!? ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
まるで、高温になった金属を押し付けられているような痛み。それらが全身を苛むため、全員が悲鳴をあげながら転がり回るようになりました。
「「「「ぎいいいいいいい!! ぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」」」」」
「うぎいいいいいいいいい! いいぃぃぃぃ!! なん、だぁ!? なんでぇ! こんなことにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
《そういえば貴様らは、契約を結ばせた理由を知りたがっていたな。何故(なにゆえ)あんなことをしたのか? その答えは、この状況を作りたかったからだ》
「この状況!? 俺達がっ、苦しむようにしてる!? どうしてぇ!? なぜそんなことを望むのですかぁぁ!?」
《決まっているだろう。貴様らはあの忌々しい男の子孫だからだ!!》
自身を討った勇者はこの世を去っていて、どうやっても復讐できない。だがどうにかして復讐したい。
やり返したい。
負けたままで終われるはずがない。
だから、
その鬱憤を子孫で晴らす。
勇者の血が流れている者を痛めつけ、苦しめ、殺す。そうすることで邪神は、長きに渡り蓄積した怒りを薄めようとしていたのです。
《現在この国は聖女の祈りによって、聖なる力が満ちているのだよ。神の領域にいる存在はともかくとして、その眷属はすぐに消滅してしまうほどの力がな!》
「「「「「なっ!?」」」」」
《その痛みは、聖女の力によって存在が消されている証なのだよ。はっはっは! 逆転のチャンスを得たと思っただろう? あれは嘘だ! 貴様らを待っているのは天国などではない! 地獄なのだ!!》
聖なる力に浄化され、3分後に消滅する。死んでしまう。
それが、レオンたち五人の未来です。
「いやだぁぁ! いやだぁああああああ!! お願いだ! たすけて!!」
「たすけてくれぇええええ!!」
「いやぁああああああああああ!!」
「いやだあああああああああああ!!」
「お願いたすけてえええええええ!!」
《折角得た溜飲を下げるチャンスを、自ら手放すはずがない。さあて、たっぷりと楽しませてもらおうか。至高のメロディーをなぁ!!》
あのような目的を持っている邪神が、願いを聞くはずがありません。そのため五人の状況は変わらず――
「「「「「うぎゃああああああああああああああああああああああああ!!」」」」」
――これまではずっと自分達を護ってくれていた、聖女の祈りの力。それによって激しい痛みを絶え間なく受け続け、
「「「「「ぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい――………………」」」」」
ぴったり三分後に、絶叫はストップ。全員の身体は聖なる力によって蒸発してしまい、五人は悲鳴をあげることさえもできなくなってしまったのでした。
元王太子レオン。元国王ライオット。元王妃ミラール。第二王子ロイ。第三王子ヴァン。五人は理不尽な復讐に溺れたことにより、人生をも失う羽目になってしまったのでした――。
突然身体から真っ白な煙が上がるようになり、同時に未曽有の激痛が襲ってくるようになってしまう。
激しい痛みが休みなくやって来るため、レオンは言おうとしていた言葉を紡げなかったのです。
「「「「「ぎゃああああ!? ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
まるで、高温になった金属を押し付けられているような痛み。それらが全身を苛むため、全員が悲鳴をあげながら転がり回るようになりました。
「「「「ぎいいいいいいい!! ぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」」」」」
「うぎいいいいいいいいい! いいぃぃぃぃ!! なん、だぁ!? なんでぇ! こんなことにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
《そういえば貴様らは、契約を結ばせた理由を知りたがっていたな。何故(なにゆえ)あんなことをしたのか? その答えは、この状況を作りたかったからだ》
「この状況!? 俺達がっ、苦しむようにしてる!? どうしてぇ!? なぜそんなことを望むのですかぁぁ!?」
《決まっているだろう。貴様らはあの忌々しい男の子孫だからだ!!》
自身を討った勇者はこの世を去っていて、どうやっても復讐できない。だがどうにかして復讐したい。
やり返したい。
負けたままで終われるはずがない。
だから、
その鬱憤を子孫で晴らす。
勇者の血が流れている者を痛めつけ、苦しめ、殺す。そうすることで邪神は、長きに渡り蓄積した怒りを薄めようとしていたのです。
《現在この国は聖女の祈りによって、聖なる力が満ちているのだよ。神の領域にいる存在はともかくとして、その眷属はすぐに消滅してしまうほどの力がな!》
「「「「「なっ!?」」」」」
《その痛みは、聖女の力によって存在が消されている証なのだよ。はっはっは! 逆転のチャンスを得たと思っただろう? あれは嘘だ! 貴様らを待っているのは天国などではない! 地獄なのだ!!》
聖なる力に浄化され、3分後に消滅する。死んでしまう。
それが、レオンたち五人の未来です。
「いやだぁぁ! いやだぁああああああ!! お願いだ! たすけて!!」
「たすけてくれぇええええ!!」
「いやぁああああああああああ!!」
「いやだあああああああああああ!!」
「お願いたすけてえええええええ!!」
《折角得た溜飲を下げるチャンスを、自ら手放すはずがない。さあて、たっぷりと楽しませてもらおうか。至高のメロディーをなぁ!!》
あのような目的を持っている邪神が、願いを聞くはずがありません。そのため五人の状況は変わらず――
「「「「「うぎゃああああああああああああああああああああああああ!!」」」」」
――これまではずっと自分達を護ってくれていた、聖女の祈りの力。それによって激しい痛みを絶え間なく受け続け、
「「「「「ぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい――………………」」」」」
ぴったり三分後に、絶叫はストップ。全員の身体は聖なる力によって蒸発してしまい、五人は悲鳴をあげることさえもできなくなってしまったのでした。
元王太子レオン。元国王ライオット。元王妃ミラール。第二王子ロイ。第三王子ヴァン。五人は理不尽な復讐に溺れたことにより、人生をも失う羽目になってしまったのでした――。
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???の俯瞰視点
「指を加えて」ではなく「指を咥えて」ではないかと
邪神なんで本当に増やしている可能性も微レ存あるのが何とも判断に困る誤字(?)
あれ?完結?
エピローグその2は?
相打様。返事が遅くなってしまい、申し訳ございません。わざわざ感想をくださり、ありがとうございます。
おっしゃる通りでして。大丈夫? な話ですよね。
邪神はかつてあのようなことをしようとしていた存在で、あまりにも危険。そんな存在と手を組むと、ろくなことにならないと思うのですが……。
彼らはこれから、どうなってしまうのでしょうね……?