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第7話 掌を返される妹 サーシャ視点(2)
「済まなかったな、サーシャ。あの時は、ユリス殿が目の前にいらっしゃった。事情を説明する事は難しかったのだよ」
「ごめんなさいね、サーシャ。あの無視は、仕方がなかったのよ」
「何十回もスルーされた理由は、分かったわ。それで。どうして、姉様の婚約や結婚を認めたの?」
2人の寝室に乗り込んだあたしは、未だにニタニタしている2人をキッと睨みつける。
ずっと気持ち悪い顔をしてるし、ずっとアリシアのご機嫌を取っているし。なんなのそれは……っ?
「ふっふっふ。ははははは。はははははっ! 聞いてくれサーシャ!」
「だから、あたしはずっと聞きたがってるでしょ……っ。早く言ってよ……っ」
「ああそうだな、そうだった。あのな、サーシャ。ユリス殿はな、3億7400万ルピスものポケットマネーと複数の物件をお持ちなのだよ!」
「しかもわたくし達がお金で困った際には、結婚の感謝を込めて喜んで支援をしていただけるそうなの。……同レベルの商会の次期トップで、個人的な財も非常に豊富。将来性を含めると、もう貴族レベル。息子にする以外の選択肢なんてないのよ」
ユリス様は金の生る木でウチにはメリットしかないし、失敗しても帳消しにできるから姉様を金持ちに売らなくても大勝負に出ることができる。
だから、特別に認めた。
2人は引き続き気持ち悪いくらい上機嫌で、興奮しながら説明した。
「そしてその作戦を実行するには、アリシアに改心を印象付けないといけないのだよ」
「ずっと考えていたものでは御機嫌取りなんて不要だったけど、この作戦には必要不可欠なの。……わたくし達だって、あの子ペコペコするのは嫌よ。でもね、大金を得て生活を更に潤わせるためなの。貴女も我慢をして、手伝って頂戴ね」
「いっ、嫌よ! 絶対いやっ!! たとえお金が手に入るとしても、あの女にそんな事できないわっ!!」
あたしよりブサイクだったり要領が悪かったり冴えなかったり、圧倒的な格下なのにっ。どうしてそんな人間に媚びないといけないの!?
冗談じゃない!!
「サーシャ、そう言わないでくれ。アリシアが出ていったら、何でも好きなものを買ってあげるからさ」
「一週間の我慢よ。ね? 一週間だけ改心したフリをして頂戴」
「い・や。アイツに頭を下げるなんて無理よ!!」
何を摘まれても、やらない。絶対に拒否する。
「……サーシャ。どうしても、なのか?」
「当たり前でしょっ!! 大金が入るんだから百歩譲って、結婚は認めてあげるわ。でも、そっちは譲れないわ!」
「…………そうか。そこまで言うのなら、仕方がないな」
ふぅ、やっと諦めた。
そうそう、それでいいのよ。そういうことは、そっちで勝手にやってれば――
「改心したフリができないのであれば、一時的に家を追い出すしかないのだよ。できれば、そうしたくはないのだが……。お前には当分、修道院に入ってもらうとしよう」
――は……!?
修道院……!?
「ごめんなさいね、サーシャ。あの無視は、仕方がなかったのよ」
「何十回もスルーされた理由は、分かったわ。それで。どうして、姉様の婚約や結婚を認めたの?」
2人の寝室に乗り込んだあたしは、未だにニタニタしている2人をキッと睨みつける。
ずっと気持ち悪い顔をしてるし、ずっとアリシアのご機嫌を取っているし。なんなのそれは……っ?
「ふっふっふ。ははははは。はははははっ! 聞いてくれサーシャ!」
「だから、あたしはずっと聞きたがってるでしょ……っ。早く言ってよ……っ」
「ああそうだな、そうだった。あのな、サーシャ。ユリス殿はな、3億7400万ルピスものポケットマネーと複数の物件をお持ちなのだよ!」
「しかもわたくし達がお金で困った際には、結婚の感謝を込めて喜んで支援をしていただけるそうなの。……同レベルの商会の次期トップで、個人的な財も非常に豊富。将来性を含めると、もう貴族レベル。息子にする以外の選択肢なんてないのよ」
ユリス様は金の生る木でウチにはメリットしかないし、失敗しても帳消しにできるから姉様を金持ちに売らなくても大勝負に出ることができる。
だから、特別に認めた。
2人は引き続き気持ち悪いくらい上機嫌で、興奮しながら説明した。
「そしてその作戦を実行するには、アリシアに改心を印象付けないといけないのだよ」
「ずっと考えていたものでは御機嫌取りなんて不要だったけど、この作戦には必要不可欠なの。……わたくし達だって、あの子ペコペコするのは嫌よ。でもね、大金を得て生活を更に潤わせるためなの。貴女も我慢をして、手伝って頂戴ね」
「いっ、嫌よ! 絶対いやっ!! たとえお金が手に入るとしても、あの女にそんな事できないわっ!!」
あたしよりブサイクだったり要領が悪かったり冴えなかったり、圧倒的な格下なのにっ。どうしてそんな人間に媚びないといけないの!?
冗談じゃない!!
「サーシャ、そう言わないでくれ。アリシアが出ていったら、何でも好きなものを買ってあげるからさ」
「一週間の我慢よ。ね? 一週間だけ改心したフリをして頂戴」
「い・や。アイツに頭を下げるなんて無理よ!!」
何を摘まれても、やらない。絶対に拒否する。
「……サーシャ。どうしても、なのか?」
「当たり前でしょっ!! 大金が入るんだから百歩譲って、結婚は認めてあげるわ。でも、そっちは譲れないわ!」
「…………そうか。そこまで言うのなら、仕方がないな」
ふぅ、やっと諦めた。
そうそう、それでいいのよ。そういうことは、そっちで勝手にやってれば――
「改心したフリができないのであれば、一時的に家を追い出すしかないのだよ。できれば、そうしたくはないのだが……。お前には当分、修道院に入ってもらうとしよう」
――は……!?
修道院……!?
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