婚約者が、他の女性と内緒で出掛けているのを見つけました。でも、それには理由があったようです

柚木ゆず

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第10話 魅惑の果実を召し上がれ マーガレット視点

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『ユリウス様、ちょっとだけ寄り道をいたしましょう。こちらに咲いているパンジーは評判がいいので、一緒に眺めましょう』

 構えられてしまっていたら、自然に当てられなくなってしまいますものね。そこでまずは適当に理由付けをして誤魔化し、わたくし達はパンジーが咲くエリアにやってきました。

「ユリウス様。ユリウス様は、お花はお好きですか?」
「ああ、好きだな。トルコキキョウが好きだ」
「あら、そうなのですね。どうして、そちらがお好きなんですの?」
「クララの誕生花だったから、だな。それが縁で好むようになり、我々の式ではブーケとして使う予定になっている」

 今では互いに好きなものな上に、『永遠の愛』という花言葉もあるからな――。彼はそんなことまで、説明をしました。
 ふふふっ。クララクララと言っていられるのも、今のうちですわ……っ!

「ところでわたくし、実はお花を愛でることも好きですの。しかも今日は好きな方と見られて、嬉しいですわ」

 そう言いながら彼の左腕に右腕を絡め、ぴたり。まずはほんの少しだけ、自慢のバストをくっつける。
 ユリウス様。柔らかなもの、感じていますわよね?

((うふふ。いま急に、でもチラッと、わたくしの方を見ましたわ。意識、し始めましたわね))

 わたくしは意図的にやっているので、そういった仕草は見逃しませんの。なんだかんだ言って、貴方も『男』ですわねぇ。

「ユリウス様? どうかなさいましたの?」
「…………いや、なんでもない。気にしないでくれ」
「そうですの。では、次はあちらのパンジーを見ましょう」((わたくしが気付ているとも知らないで。かわいいユリウス様))

 心の中でクスリと笑って再びパンジーを眺め始め、こちらの作戦を進行させてゆく。まずは暫くの間つかず離れずで当てて、時間の経過と共に徐々に強く押し当ててゆく。
 そうして作戦その3を始めて、十数分後。興奮が最高潮になったであろうタイミングで、

「きゃぁ!?」

 虫が顔へと飛んできたお芝居をして、ぎゅっと抱き付く。そうすれば――

((あらあら、まあまあ……っ。またまた、わたくしの方を見ましたわね))

 自然に映るよう腕に顔を埋めていますけど、演技ですから貴方の動きは丸わかりですのよ。密着させた途端にすごい勢いでこちらに顔が向いて、今なお見つめたまま。

((これは、確定、ですわね))

 今この人の頭の中は、胸の感触でいっぱい。
 もっと触りたい。俺の物にしたい。そう思っていて――。

((このあとの採点では、100クララを超えますわ……!!))

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