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第5話(2)
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「………………ここも、間違っていました……。忘れて、いました……。エリオットさんを待っていると、レオン様がドリンクを持ってやってきたんです……」
「うん、そうだね。それでそのあと、レオンはどうしたんだっけ?」
いつもよりも柔らかな、声と眼差し。それらによって私には、エリオットさんに包まれている、護られているような感覚があって。
なぜか恐怖心のようなものがやって来ていて、『やめろ! それ以上は進んではいけない!』『引き返せ! 後悔するぞ!』としつこく訴えてくるのですが――。
大丈夫。
安心して、振り返る事ができます。
「グラスを2つ持っていて、その片方、右手にある方のグラスをくださって……。私はソレを受け取って、一緒に飲んで……。ええと…………」
「ルシィ。その際に、体に何かしらの変化はなかった?」
「体に変化、ですか? 飲んだあとは………………ぁっ。鼓動が速くなって、どうしてか、レオン様が信頼できる人に思えるようになりましたっ。そのあと私達は、会場の隅に移動しましたっ」
二人きりで、少しお喋りをしたい。そう言われて、場所を変えました。
「うん、そうだね。でも多分、着いたら始まったのはお喋りじゃないはず。レオンは服の下から、何かを出したんじゃないかな?」
「服の、した……? レオン様の、ふくの、した………………。移動したあと…………私達は…………。お喋りではなく………………はじまったのは…………………………っ! そうですっ! 出しましたっ!」
ステップカットの真紅の宝石がついた、不思議なネックレス。何の脈絡もなくそちらを取り出して――っっ!!
そこを認識した、直後でした。
ぱりん。
頭の中でガラスが砕け散るような音が響き渡り、全てを思い出しました。
――『アリー・ベイズナは、ケンカの仲裁してくれた恩人』
――『会場を抜け出す2人に、ついていきたくなる』。
――『エリオット・ファムルを忌み嫌うようになる』。
――『レオン・グステを誰よりも好きになる』。
あの場でこういった指示を出され、私は――お父様とお母様も、あの人が望むように思考を変えられていたのです……!!
「その様子だと、コントロールを破れたみたいだな。だったら――」
「もう原因不明の拒否感はなくて、誰が味方で敵かも分かります……っ。貴方は全てを知っていて、私の為に動いてくれていたんですよね……っっ。ありがとうございます、エリオット君……!!」
途中で遮ってしまうのは失礼なのですが、我慢できませんでした。私は大粒の涙を浮かべ、本当であり本物の人の――。最愛の婚約者の胸に、飛び込んだのでした。
「うん、そうだね。それでそのあと、レオンはどうしたんだっけ?」
いつもよりも柔らかな、声と眼差し。それらによって私には、エリオットさんに包まれている、護られているような感覚があって。
なぜか恐怖心のようなものがやって来ていて、『やめろ! それ以上は進んではいけない!』『引き返せ! 後悔するぞ!』としつこく訴えてくるのですが――。
大丈夫。
安心して、振り返る事ができます。
「グラスを2つ持っていて、その片方、右手にある方のグラスをくださって……。私はソレを受け取って、一緒に飲んで……。ええと…………」
「ルシィ。その際に、体に何かしらの変化はなかった?」
「体に変化、ですか? 飲んだあとは………………ぁっ。鼓動が速くなって、どうしてか、レオン様が信頼できる人に思えるようになりましたっ。そのあと私達は、会場の隅に移動しましたっ」
二人きりで、少しお喋りをしたい。そう言われて、場所を変えました。
「うん、そうだね。でも多分、着いたら始まったのはお喋りじゃないはず。レオンは服の下から、何かを出したんじゃないかな?」
「服の、した……? レオン様の、ふくの、した………………。移動したあと…………私達は…………。お喋りではなく………………はじまったのは…………………………っ! そうですっ! 出しましたっ!」
ステップカットの真紅の宝石がついた、不思議なネックレス。何の脈絡もなくそちらを取り出して――っっ!!
そこを認識した、直後でした。
ぱりん。
頭の中でガラスが砕け散るような音が響き渡り、全てを思い出しました。
――『アリー・ベイズナは、ケンカの仲裁してくれた恩人』
――『会場を抜け出す2人に、ついていきたくなる』。
――『エリオット・ファムルを忌み嫌うようになる』。
――『レオン・グステを誰よりも好きになる』。
あの場でこういった指示を出され、私は――お父様とお母様も、あの人が望むように思考を変えられていたのです……!!
「その様子だと、コントロールを破れたみたいだな。だったら――」
「もう原因不明の拒否感はなくて、誰が味方で敵かも分かります……っ。貴方は全てを知っていて、私の為に動いてくれていたんですよね……っっ。ありがとうございます、エリオット君……!!」
途中で遮ってしまうのは失礼なのですが、我慢できませんでした。私は大粒の涙を浮かべ、本当であり本物の人の――。最愛の婚約者の胸に、飛び込んだのでした。
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