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第8話 牢屋に天使が舞い降りた日 レオン視点(4)
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「その様子だと、トンネルか何かで会いに来たと思っているんだろう。だがそれは大間違いだ。一つたりとも、侵入経路はない」
ここは、重罪人用の牢獄なのだからな――。看守は呆れまじりで嘲笑した。
コイツは……。トンネルについても、言及している……。だとしたらこれは、誘導尋問の類ではなく……。僕から、何かを引き出そうとしてはいない……。
「そもそもこの牢は、広い敷地内の中央に建っている。敷地外から彫るなんてのは、不可能なんだよ」
「じゃ、じゃあっ。じゃあ! じゃあっ!! じゃあマリーは――あの美女はどこに行ったんだ!? どうやって去ったというんだっっ!?」
「へぇ、マリー。それが、お前が一番好きな名前なのか」
「っっ! わけの分からない事を言っていないで質問に答えろ!! マリーは!! どうやって去ったというんだっ!?」
「ああもう、喚くな。答えてやるよ」
ヤツは左耳に指を突っ込みながら顔を歪め、空いている右の人差し指を斜め下へと向けた。
なんなんだ……!? そこがどうしたというんだ……!?
「お前が愛している美女は、去ってはいない。そこで転がっているマネキン、それがマリーだ」
「……は? これが、マリーだと? バカ言え」
マリーは柔らかく、良い匂いがする美女。対してコレは、固く酷い臭いのする人形。
こんな至る所に唾液のある無機物が、あの美女なはずが――……………………。
「だえき、……。いたるところに、だえき……」
これは……。これは………………!!
「これは……。僕が、キスを、した箇所……」
嫌な臭いを放つ部分。それは愛しのマリーに愛を注いだ位置と、同じ……。
そ、それに……。そういえば……!!
「気が付いたら……。マネキンを抱き締め、口づけをしていた……」
ソレもまた、マリーにしていた事と同じ。
だ、だったら……っ。だったら……っっ。
「だから言ってるだろ? お前が熱い愛を向けていたのは、そこにあるマネキンなんだよ」
「なっ、なぜだ!? なぜこんな事に気が付かない!? 何が起きている!? 僕はどうなっているんだっっ!?」
「お前がよくご存じの、真紅の宝石と秘薬。あの日それらが使用され、お前がやった事がその身に返ってきてるんだよ」
『マネキンを理想の女性と錯覚し、激しく愛さずにはいられなくなる』――。エリオット・ファムルによって、マインドコントロールが行われていた。
そんな説明を聞いて、ようやく思い出した。
そうだ、そうだった……!
僕はあの日、あんな目に遭わされてしまったんだ!!
ここは、重罪人用の牢獄なのだからな――。看守は呆れまじりで嘲笑した。
コイツは……。トンネルについても、言及している……。だとしたらこれは、誘導尋問の類ではなく……。僕から、何かを引き出そうとしてはいない……。
「そもそもこの牢は、広い敷地内の中央に建っている。敷地外から彫るなんてのは、不可能なんだよ」
「じゃ、じゃあっ。じゃあ! じゃあっ!! じゃあマリーは――あの美女はどこに行ったんだ!? どうやって去ったというんだっっ!?」
「へぇ、マリー。それが、お前が一番好きな名前なのか」
「っっ! わけの分からない事を言っていないで質問に答えろ!! マリーは!! どうやって去ったというんだっ!?」
「ああもう、喚くな。答えてやるよ」
ヤツは左耳に指を突っ込みながら顔を歪め、空いている右の人差し指を斜め下へと向けた。
なんなんだ……!? そこがどうしたというんだ……!?
「お前が愛している美女は、去ってはいない。そこで転がっているマネキン、それがマリーだ」
「……は? これが、マリーだと? バカ言え」
マリーは柔らかく、良い匂いがする美女。対してコレは、固く酷い臭いのする人形。
こんな至る所に唾液のある無機物が、あの美女なはずが――……………………。
「だえき、……。いたるところに、だえき……」
これは……。これは………………!!
「これは……。僕が、キスを、した箇所……」
嫌な臭いを放つ部分。それは愛しのマリーに愛を注いだ位置と、同じ……。
そ、それに……。そういえば……!!
「気が付いたら……。マネキンを抱き締め、口づけをしていた……」
ソレもまた、マリーにしていた事と同じ。
だ、だったら……っ。だったら……っっ。
「だから言ってるだろ? お前が熱い愛を向けていたのは、そこにあるマネキンなんだよ」
「なっ、なぜだ!? なぜこんな事に気が付かない!? 何が起きている!? 僕はどうなっているんだっっ!?」
「お前がよくご存じの、真紅の宝石と秘薬。あの日それらが使用され、お前がやった事がその身に返ってきてるんだよ」
『マネキンを理想の女性と錯覚し、激しく愛さずにはいられなくなる』――。エリオット・ファムルによって、マインドコントロールが行われていた。
そんな説明を聞いて、ようやく思い出した。
そうだ、そうだった……!
僕はあの日、あんな目に遭わされてしまったんだ!!
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