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第8話 牢屋に天使が舞い降りた日 レオン視点(3)
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「マリー……? マリー……っ? どこに行ったんだい……?」
目の前にあるマネキンを突き飛ばし、立ち上がって牢内を見回す。
前には、いない。左にも、いない。右にもいない。後ろにも、いない。
「天井にも…………いるはずは、ないか。じゃあ、どこにいるんだ……?」
牢の鍵はかかっていて、内から外へは絶対に出られない仕組みになっている。となると…………。この部屋のどこかに、隠し通路があるという事か……?
「よくよく考えてみたら、マリーはいつの間にか傍にいた。一度も開錠されていないのに、牢屋内にいた。ならば、そう考えるのが自然だ」
どこだ……? 隠し通路は、どこにある……?
隠し通路は当たり前の話、必ず壁に面している。左右は現在空(から)の牢屋がある――部屋が存在しているから、通路は有り得ない。なら可能性があるのは、後方、天井、床、この3つだ。
「まずは、後方。ここに、あるのか……?」
高さ2メートル程度、横は3・5メートル程度。そこを念入りに調べていって……………………駄目だ。どこにもない。指でなぞっていっても不自然な部分はないし、手当たり次第に押しても出入り口は見つからなかった。
「こっちは、外れ。だとしたら、上――いや、上もあり得ないな」
天井は2メートルで、マリーは150センチくらい。あの筋肉のつき方ならば跳躍による到達は不可能であり、ロープの類も下りてはいなかった。上部の壁から出入りを行うのは、無理だ。
「ならば、決まりだな。隠し通路は、下だ」
思い返せばココは、1階。下にあるのは土のみで、外からトンネルを掘れば誰にも見つかる事なくやって来れる。それにっ。
「トンネルならば、脱出が可能。これは、もしかしなくてもだ。いずれは、2人で逃げるつもりなんだろうな」
わざわざ会いに来る程までに愛している人を、放っておくはずがない。恐らく今ある穴は、女性サイズ。僕用の幅になるまでは、こうやって会いに来るつもりなのだろう。
「……ありがとう、マリー……! 嗚呼、どうして僕は先に君と出逢えなかったのか。ソレは、人生で最も後悔すべき事だよ」
ルシィ・ハーナン。なぜあんな者に、ときめいてしまったのだろう。
ヤツは肉体しか魅力がない、つまらない女なのに。なぜあんなにも執着してしまったんだろうか。
「はぁ、大失敗、だったな。……けれど人生は、いつでもやり直せる。今の僕には、君がいる。マリー、二人一緒に幸せになろうね」
床に跪いて感謝を示し、僕は慌てて胡坐をかいて沈黙する。
空気を読まず、看守がやってきた。もしもマリーの存在を知られたら、取り返しのつかない事になってしまうからな。この男が帰るまで、マリーの話は止め――
「罪人レオン、お前に伝える事がある。突然現れて突然消えた、絶世の美女についてのな」
――…………。なん、だって……?
コイツは……。愛しのマリーを、知っている……!?
目の前にあるマネキンを突き飛ばし、立ち上がって牢内を見回す。
前には、いない。左にも、いない。右にもいない。後ろにも、いない。
「天井にも…………いるはずは、ないか。じゃあ、どこにいるんだ……?」
牢の鍵はかかっていて、内から外へは絶対に出られない仕組みになっている。となると…………。この部屋のどこかに、隠し通路があるという事か……?
「よくよく考えてみたら、マリーはいつの間にか傍にいた。一度も開錠されていないのに、牢屋内にいた。ならば、そう考えるのが自然だ」
どこだ……? 隠し通路は、どこにある……?
隠し通路は当たり前の話、必ず壁に面している。左右は現在空(から)の牢屋がある――部屋が存在しているから、通路は有り得ない。なら可能性があるのは、後方、天井、床、この3つだ。
「まずは、後方。ここに、あるのか……?」
高さ2メートル程度、横は3・5メートル程度。そこを念入りに調べていって……………………駄目だ。どこにもない。指でなぞっていっても不自然な部分はないし、手当たり次第に押しても出入り口は見つからなかった。
「こっちは、外れ。だとしたら、上――いや、上もあり得ないな」
天井は2メートルで、マリーは150センチくらい。あの筋肉のつき方ならば跳躍による到達は不可能であり、ロープの類も下りてはいなかった。上部の壁から出入りを行うのは、無理だ。
「ならば、決まりだな。隠し通路は、下だ」
思い返せばココは、1階。下にあるのは土のみで、外からトンネルを掘れば誰にも見つかる事なくやって来れる。それにっ。
「トンネルならば、脱出が可能。これは、もしかしなくてもだ。いずれは、2人で逃げるつもりなんだろうな」
わざわざ会いに来る程までに愛している人を、放っておくはずがない。恐らく今ある穴は、女性サイズ。僕用の幅になるまでは、こうやって会いに来るつもりなのだろう。
「……ありがとう、マリー……! 嗚呼、どうして僕は先に君と出逢えなかったのか。ソレは、人生で最も後悔すべき事だよ」
ルシィ・ハーナン。なぜあんな者に、ときめいてしまったのだろう。
ヤツは肉体しか魅力がない、つまらない女なのに。なぜあんなにも執着してしまったんだろうか。
「はぁ、大失敗、だったな。……けれど人生は、いつでもやり直せる。今の僕には、君がいる。マリー、二人一緒に幸せになろうね」
床に跪いて感謝を示し、僕は慌てて胡坐をかいて沈黙する。
空気を読まず、看守がやってきた。もしもマリーの存在を知られたら、取り返しのつかない事になってしまうからな。この男が帰るまで、マリーの話は止め――
「罪人レオン、お前に伝える事がある。突然現れて突然消えた、絶世の美女についてのな」
――…………。なん、だって……?
コイツは……。愛しのマリーを、知っている……!?
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