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第6話 二人きり。三人きり ドナシアン視点(3)
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「クローデットも、同じことを考えていたんだね」
おもわずポカンとしていた私は、すぐに理解をした。彼女が選んだものは、私へのプレゼントだということに。
「同じこと……。お父様も……?」
「ああ、そうなんだよ。クローデットに贈ろうと思って選んだんだ」
「……そう、だったのですね。太陽を選ばれていましたから、ご自分用、と思っていました」
「私も、月で――クローデットは月が好きだから、そう思い込んでいたよ。……君は私の――私達にとっての太陽だし、君が産まれた時は快晴の空で真っ赤な太陽が輝いていた。だから合うと思ったんだよ」
「わたくしは、その……。あの……その……。わたくしの中で、お父様といえば月、となってまして……。素敵なものですし、今日の記念になにかプレゼントをしたいと、と思っていましたので……。こちらの月、を選び、ました……」
さっきの手繋ぎの時のように――それ以上に赤面をしながら、月のペンダントを見つめた。
私達家族と月はとても関りが深いのだが、私だけと重なる出来事はなかったように思えるが……。とにかく、ここでも私達は同じことを考えていたらしい。
「かあ~っ、ステキな関係ですね~! こっちまで幸せな気分になってきましたよ!」
「あはは、それはどうも。……そうだったんだね。ありがとう、クローデット」
「こちらこそ、です。ありがとうございます、お父様」
パチパチと大きな拍手を受けながら私達は微笑み合い、ほどなく刻印が出来上がった。
これは贈り物なので、それぞれが自分の所持金で支払いを行い――
「クローデット、どうぞ」
「ありがとうございますっ。お父様にも、どうぞ……!」
――お互いに相手の首にネックレスをかけ、互いをイメージしたプレゼントを贈り合った。
「……………………お父様がくださった、ネックレス……。一生の宝物です。大事にします」
「私にとっても、一生ものの宝物だよ。大切にするからね」
お互いにネックレスに触れながら、言葉を噛み締めながら想いを伝える。
こんなにも嬉しいことは、ないよ。ありがとう、クローデット。
「なんだか、こっちまで嬉し涙が出てきちゃったよ。良い物を見せてくれて、ありがとうございます。お買い上げありがとうございました!」
「「ありがとうございました!!」」
「こちらこそですよ。ありがとうございました」
「ありがとうございました」
店主殿、ご家族の二人に心からの謝意を示し、私達は露店の散策に戻る。
立場上食べ物は買えないので立ち寄れる店は半分以下となってしまうものの、それでも『露店の街』だけあって見どころは沢山あった。
面白い形をした置物や珍しい模様の絨毯や、絵画などなど。
クローデットと共に普段はお目にかかれないジャンルの商品や普段は感じられない独特の熱気に浸り、あっという間にメインストリートを歩き切ったのだった。
「あっという間だったね」
「はい。気が付いたら終わっていた、という感覚です。すごい場所でした……!」
私達は余韻に浸りながら停めていた馬車に戻り、乗り込むとすぐに車は動き出す。
時の流れはあっという間に感じたが、当然時間は本来の流れ方をしている。のんびりしていると今日最後の目的を達成できなくなるため、私達は大急ぎでとある場所に――私達家族にとって、とても大切な場所を目指したのだった。
おもわずポカンとしていた私は、すぐに理解をした。彼女が選んだものは、私へのプレゼントだということに。
「同じこと……。お父様も……?」
「ああ、そうなんだよ。クローデットに贈ろうと思って選んだんだ」
「……そう、だったのですね。太陽を選ばれていましたから、ご自分用、と思っていました」
「私も、月で――クローデットは月が好きだから、そう思い込んでいたよ。……君は私の――私達にとっての太陽だし、君が産まれた時は快晴の空で真っ赤な太陽が輝いていた。だから合うと思ったんだよ」
「わたくしは、その……。あの……その……。わたくしの中で、お父様といえば月、となってまして……。素敵なものですし、今日の記念になにかプレゼントをしたいと、と思っていましたので……。こちらの月、を選び、ました……」
さっきの手繋ぎの時のように――それ以上に赤面をしながら、月のペンダントを見つめた。
私達家族と月はとても関りが深いのだが、私だけと重なる出来事はなかったように思えるが……。とにかく、ここでも私達は同じことを考えていたらしい。
「かあ~っ、ステキな関係ですね~! こっちまで幸せな気分になってきましたよ!」
「あはは、それはどうも。……そうだったんだね。ありがとう、クローデット」
「こちらこそ、です。ありがとうございます、お父様」
パチパチと大きな拍手を受けながら私達は微笑み合い、ほどなく刻印が出来上がった。
これは贈り物なので、それぞれが自分の所持金で支払いを行い――
「クローデット、どうぞ」
「ありがとうございますっ。お父様にも、どうぞ……!」
――お互いに相手の首にネックレスをかけ、互いをイメージしたプレゼントを贈り合った。
「……………………お父様がくださった、ネックレス……。一生の宝物です。大事にします」
「私にとっても、一生ものの宝物だよ。大切にするからね」
お互いにネックレスに触れながら、言葉を噛み締めながら想いを伝える。
こんなにも嬉しいことは、ないよ。ありがとう、クローデット。
「なんだか、こっちまで嬉し涙が出てきちゃったよ。良い物を見せてくれて、ありがとうございます。お買い上げありがとうございました!」
「「ありがとうございました!!」」
「こちらこそですよ。ありがとうございました」
「ありがとうございました」
店主殿、ご家族の二人に心からの謝意を示し、私達は露店の散策に戻る。
立場上食べ物は買えないので立ち寄れる店は半分以下となってしまうものの、それでも『露店の街』だけあって見どころは沢山あった。
面白い形をした置物や珍しい模様の絨毯や、絵画などなど。
クローデットと共に普段はお目にかかれないジャンルの商品や普段は感じられない独特の熱気に浸り、あっという間にメインストリートを歩き切ったのだった。
「あっという間だったね」
「はい。気が付いたら終わっていた、という感覚です。すごい場所でした……!」
私達は余韻に浸りながら停めていた馬車に戻り、乗り込むとすぐに車は動き出す。
時の流れはあっという間に感じたが、当然時間は本来の流れ方をしている。のんびりしていると今日最後の目的を達成できなくなるため、私達は大急ぎでとある場所に――私達家族にとって、とても大切な場所を目指したのだった。
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