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第13話 忌々しい女 エメリーヌ視点
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わたくしには、世界で一番嫌い女がいる。
その女の名前は、クローデット。
一応、わたくしの1つ上の従姉にあたる人間。
――クローデットを嫌いになったのは、エリザベトおば様が死んだ頃だった――。
母親が死んでも一切涙を流さず、いつも通りに振る舞った。
たったそれだけのことをしただけなのに、周りの評価はうなぎのぼり。ソレを切っ掛けにして、周りは今まで以上にクローデットを持ち上げるようになって――。
そのせいで、わたくしは目立たなくなった。
容姿も頭脳も大した差はないのに、どんな時も一番注目されるのはクローデット。
辛いはずなのにレッスンを頑張るだなんて、偉いね……!
などなど。わたくしも同じことをしているのに、どんな時でもたっぷり褒められ評価される。わたくしも同じくらいの量のレッスンをしているのに、だ。
褒められはするけど、どんなに頑張ってもクローデットほどにはならない。
そんなのおかしいでしょ!?
不公平でしょ!?
母親が死んだくらいでこんなに差ができるなんて、おかしい。
……なにが、健気よ……!
そもそも! 一滴も涙を流さなかったのは、どうせ母親に大した愛着がなかったからでしょ? だって、家族なのよ!? そうじゃないなら、耐えれないはずだもの。
ソレはわたくしが、よく知っている。
――シルヴィアお母様――。
あの人はお父様と違って異常なくらい真面目で、まったく面白みがない人。もし死んだとしても、まったく悲しみを覚えない。それどころか、ラッキー、って思う。
――クローデットも、それと一緒――。
自分がそんな風に思っているから、手に取るように分かるのよね。
だから――。母親の死を利用している、狡猾な女だって分かった。
クローデットは昔からやけに大人びたところがあったから、活かそうとしているのだと確信した。
――それなのに、周りは気付かない――。
――共通の友人にいくら説明しても、聞く耳を持たなくて――。
――『わたしの胸に仕舞っておくから、他では言わないようにね』って、言われる始末。わたくしが『意地悪な人間』と思う人間が増えて、どんどん居場所を失っていく羽目になってしまった――。
なので、そうなるのは当たり前だった。
――大嫌い――。
わたくしより目立って苦しめた。
わたくしが悪評を吹き込もうとしていると勘違いされて苦しむようにした。
いくつもの苦しみをもたらしてきた女を憎むようになり、人生を滅茶苦茶にしてやりたいと強く思うようになったのだった。
その女の名前は、クローデット。
一応、わたくしの1つ上の従姉にあたる人間。
――クローデットを嫌いになったのは、エリザベトおば様が死んだ頃だった――。
母親が死んでも一切涙を流さず、いつも通りに振る舞った。
たったそれだけのことをしただけなのに、周りの評価はうなぎのぼり。ソレを切っ掛けにして、周りは今まで以上にクローデットを持ち上げるようになって――。
そのせいで、わたくしは目立たなくなった。
容姿も頭脳も大した差はないのに、どんな時も一番注目されるのはクローデット。
辛いはずなのにレッスンを頑張るだなんて、偉いね……!
などなど。わたくしも同じことをしているのに、どんな時でもたっぷり褒められ評価される。わたくしも同じくらいの量のレッスンをしているのに、だ。
褒められはするけど、どんなに頑張ってもクローデットほどにはならない。
そんなのおかしいでしょ!?
不公平でしょ!?
母親が死んだくらいでこんなに差ができるなんて、おかしい。
……なにが、健気よ……!
そもそも! 一滴も涙を流さなかったのは、どうせ母親に大した愛着がなかったからでしょ? だって、家族なのよ!? そうじゃないなら、耐えれないはずだもの。
ソレはわたくしが、よく知っている。
――シルヴィアお母様――。
あの人はお父様と違って異常なくらい真面目で、まったく面白みがない人。もし死んだとしても、まったく悲しみを覚えない。それどころか、ラッキー、って思う。
――クローデットも、それと一緒――。
自分がそんな風に思っているから、手に取るように分かるのよね。
だから――。母親の死を利用している、狡猾な女だって分かった。
クローデットは昔からやけに大人びたところがあったから、活かそうとしているのだと確信した。
――それなのに、周りは気付かない――。
――共通の友人にいくら説明しても、聞く耳を持たなくて――。
――『わたしの胸に仕舞っておくから、他では言わないようにね』って、言われる始末。わたくしが『意地悪な人間』と思う人間が増えて、どんどん居場所を失っていく羽目になってしまった――。
なので、そうなるのは当たり前だった。
――大嫌い――。
わたくしより目立って苦しめた。
わたくしが悪評を吹き込もうとしていると勘違いされて苦しむようにした。
いくつもの苦しみをもたらしてきた女を憎むようになり、人生を滅茶苦茶にしてやりたいと強く思うようになったのだった。
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