22 / 22
エピローグ ありがとう ありがとう フィーナ視点
しおりを挟む
(ありがとう、フィーナ)
それぞれの家族や親族、大事な友人。大勢の方々に見守られながら、誓いのキスを交わしたあとのことでした。ジョルジュ様は私を優しく横抱きにして、耳元にそっとお口が近づきました。
(これはね、ヴァレネッタ――俺が最初に生まれた国で、結婚式のラストに行う動作なんだよ。…………ダンケルだった頃はできなくて、ソレはもう叶わないものだと思っていた。でも今回の人生は、違っていた)
ジョルジュ様は静かに目を閉じ、およそ6秒後に瞼がゆっくりと上がりました。
(初めて俺を俺として見てくれる人と出逢えて、その人は真っすぐな心の持ち主で、更には俺を愛してもくれた。だから、ありがとう。本当にありがとう、フィーナ)
(そんな風に思い仰っていただけて、幸せです。……ですが、改めて感謝を伝えたいのは貴方様だけではありませんよ?)
優しくて強さのある、温かい瞳を宿すお顔。私はそちらへと右手を伸ばし、その一部である頬に触れました。
(あの時もそれまでも、それからも。護ってくださり、ありがとうございます)
もしもジョルジュ様による加護がなければ、私は犯人に仕立て上げられてしまっていました。学院および貴族界での居場所を、なくしてしまっていました。
そして――。
それ以前もそれ以降も、私の幸せを最優先に考えてくださっていて。今日まで一度も悲しみが由来の涙を流したことがない、その事実に感謝を告げました。
(ジョルジュ様のような方と出逢えて、想っていただけて。私も幸せです。世界で一番の幸せ者ですよ)
(…………そっか。じゃあ、俺もお返しだ。そんな風に思い言ってもらえて、すごく幸せだ)
そうして私達は微笑み合い、こうしていると…………そうなるのは、必然的ですよね。言葉以外の形でも、愛を伝え合いたくなってしまいました。
ですので――
「さっき行ったばかりですが……。お願い、しても構いませんか……?」
「もちろんだよ。俺も同じことを思っていて、だから」
「「お願いします」」
ありがとうと、ありがとう。同じ言葉を贈り合った私達はまた同じ言葉を贈り合い、
「フィーナ、愛してる」「ジョルジュ様、愛しています」
夫婦になって初めてのキスを行い、私達は――
再び、大きな拍手に包まれたのでした。
それぞれの家族や親族、大事な友人。大勢の方々に見守られながら、誓いのキスを交わしたあとのことでした。ジョルジュ様は私を優しく横抱きにして、耳元にそっとお口が近づきました。
(これはね、ヴァレネッタ――俺が最初に生まれた国で、結婚式のラストに行う動作なんだよ。…………ダンケルだった頃はできなくて、ソレはもう叶わないものだと思っていた。でも今回の人生は、違っていた)
ジョルジュ様は静かに目を閉じ、およそ6秒後に瞼がゆっくりと上がりました。
(初めて俺を俺として見てくれる人と出逢えて、その人は真っすぐな心の持ち主で、更には俺を愛してもくれた。だから、ありがとう。本当にありがとう、フィーナ)
(そんな風に思い仰っていただけて、幸せです。……ですが、改めて感謝を伝えたいのは貴方様だけではありませんよ?)
優しくて強さのある、温かい瞳を宿すお顔。私はそちらへと右手を伸ばし、その一部である頬に触れました。
(あの時もそれまでも、それからも。護ってくださり、ありがとうございます)
もしもジョルジュ様による加護がなければ、私は犯人に仕立て上げられてしまっていました。学院および貴族界での居場所を、なくしてしまっていました。
そして――。
それ以前もそれ以降も、私の幸せを最優先に考えてくださっていて。今日まで一度も悲しみが由来の涙を流したことがない、その事実に感謝を告げました。
(ジョルジュ様のような方と出逢えて、想っていただけて。私も幸せです。世界で一番の幸せ者ですよ)
(…………そっか。じゃあ、俺もお返しだ。そんな風に思い言ってもらえて、すごく幸せだ)
そうして私達は微笑み合い、こうしていると…………そうなるのは、必然的ですよね。言葉以外の形でも、愛を伝え合いたくなってしまいました。
ですので――
「さっき行ったばかりですが……。お願い、しても構いませんか……?」
「もちろんだよ。俺も同じことを思っていて、だから」
「「お願いします」」
ありがとうと、ありがとう。同じ言葉を贈り合った私達はまた同じ言葉を贈り合い、
「フィーナ、愛してる」「ジョルジュ様、愛しています」
夫婦になって初めてのキスを行い、私達は――
再び、大きな拍手に包まれたのでした。
80
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
婚約破棄? そもそも君は一体誰だ?
歩芽川ゆい
ファンタジー
「グラングスト公爵家のフェルメッツァ嬢、あなたとモルビド王子の婚約は、破棄されます!」
コンエネルジーア王国の、王城で主催のデビュタント前の令息・令嬢を集めた舞踏会。
プレデビュタント的な意味合いも持つこの舞踏会には、それぞれの両親も壁際に集まって、子供たちを見守りながら社交をしていた。そんな中で、いきなり会場のど真ん中で大きな女性の声が響き渡った。
思わず会場はシンと静まるし、生演奏を奏でていた弦楽隊も、演奏を続けていいものか迷って極小な音量での演奏になってしまった。
声の主をと見れば、ひとりの令嬢が、モルビド王子と呼ばれた令息と腕を組んで、令嬢にあるまじきことに、向かいの令嬢に指を突き付けて、口を大きく逆三角形に笑みを浮かべていた。
嘘つきと呼ばれた精霊使いの私
ゆるぽ
ファンタジー
私の村には精霊の愛し子がいた、私にも精霊使いとしての才能があったのに誰も信じてくれなかった。愛し子についている精霊王さえも。真実を述べたのに信じてもらえず嘘つきと呼ばれた少女が幸せになるまでの物語。
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。
柊
ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。
そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。
すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。
透明な貴方
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
政略結婚の両親は、私が生まれてから離縁した。
私の名は、マーシャ・フャルム・ククルス。
ククルス公爵家の一人娘。
父ククルス公爵は仕事人間で、殆ど家には帰って来ない。母は既に年下の伯爵と再婚し、伯爵夫人として暮らしているらしい。
複雑な環境で育つマーシャの家庭には、秘密があった。
(カクヨムさん、小説家になろうさんにも載せています)
私ではありませんから
三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」
はじめて書いた婚約破棄もの。
カクヨムでも公開しています。
婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます
今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。
しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。
王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。
そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。
一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。
※「小説家になろう」「カクヨム」から転載
※3/8~ 改稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる