ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず

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エピローグ ありがとう ありがとう フィーナ視点

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(ありがとう、フィーナ)

 それぞれの家族や親族、大事な友人。大勢の方々に見守られながら、誓いのキスを交わしたあとのことでした。ジョルジュ様は私を優しく横抱きにして、耳元にそっとお口が近づきました。

(これはね、ヴァレネッタ――俺が最初に生まれた国で、結婚式のラストに行う動作なんだよ。…………ダンケルだった頃はできなくて、ソレはもう叶わないものだと思っていた。でも今回の人生は、違っていた)

 ジョルジュ様は静かに目を閉じ、およそ6秒後に瞼がゆっくりと上がりました。

(初めて俺を俺として見てくれる人と出逢えて、その人は真っすぐな心の持ち主で、更には俺を愛してもくれた。だから、ありがとう。本当にありがとう、フィーナ)
(そんな風に思い仰っていただけて、幸せです。……ですが、改めて感謝を伝えたいのは貴方様だけではありませんよ?)

 優しくて強さのある、温かい瞳を宿すお顔。私はそちらへと右手を伸ばし、その一部である頬に触れました。

(あの時もそれまでも、それからも。護ってくださり、ありがとうございます)

 もしもジョルジュ様による加護がなければ、私は犯人に仕立て上げられてしまっていました。学院および貴族界での居場所を、なくしてしまっていました。
 そして――。
 それ以前もそれ以降も、私の幸せを最優先に考えてくださっていて。今日まで一度も悲しみが由来の涙を流したことがない、その事実に感謝を告げました。

(ジョルジュ様のような方と出逢えて、想っていただけて。私も幸せです。世界で一番の幸せ者ですよ)
(…………そっか。じゃあ、俺もお返しだ。そんな風に思い言ってもらえて、すごく幸せだ)

 そうして私達は微笑み合い、こうしていると…………そうなるのは、必然的ですよね。言葉以外の形でも、愛を伝え合いたくなってしまいました。
 ですので――

「さっき行ったばかりですが……。お願い、しても構いませんか……?」
「もちろんだよ。俺も同じことを思っていて、だから」

「「お願いします」」

 ありがとうと、ありがとう。同じ言葉を贈り合った私達はまた同じ言葉を贈り合い、

「フィーナ、愛してる」「ジョルジュ様、愛しています」

 夫婦になって初めてのキスを行い、私達は――


 再び、大きな拍手に包まれたのでした。



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