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第1話 本性と本音 レアン視点(2)
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「予定とは違う、パーティーの会場からもっとも近い行きつけのリストランテに行き先が変更になってね……。個室に入った途端に、足が飛んできたの……」
パーティー中ずっと我慢をしていて、その間に理不尽な怒りが更に膨れ上がっていった。溜まりに溜まって爆弾のようになり、二人きりになった瞬間大爆発を起こした。
こんな心理状況なのでしょう。
「その時の目付きは悪魔のようだったし、蹲っているわたくしを見下ろす際は口角を大きく吊り上げて嗤っていた。……怒りが爆発してしまったら、こんな風になってしまう。それが…………そんな人と生涯を共にしないといけない事実も…………怖くなんてしまって……。その……」
「今までの我慢も合わさって、ついに耐え切れなくなってしまった。お父様、お母様、わたし、使用人に心配をかけてしまうと重々承知でも、堪えきれなくなったのですよね?」
「……そうなの。心配をかけてしまって、ごめんなさい。ごめんなさい……」
「ルナミアスお姉様が謝る必要はありませんよ。こちらこそ、ごめんなさい」
気付けなかったこと。そしてなにより、悩み苦しみを打ち明けられる存在でいられなかったこと。
それらの謝罪を込めて、お姉様を抱き締めました。
「今までは、我慢できていた……。いつも心が痛かった、けど、我慢できていたの……。でも悪い条件が重なれば、こんなことをしてくると知ってしまって……。もしかしたら、今後これ以上のことが起きてしまうかも、と思うようになって……。不安で……。怖くなって……。目の前が真っ暗になってしまって……。怖かった……。怖かった……! こんなの、貴族の娘として失格……。強くあらないといけない、けど……。無理、だった……。どうしていいのか、分からなくって……。怖かったの……!!」
溜まっていたものが、決壊。お姉様はわたしの胸に顔を埋め、急速に布地が濡れていくのが分かります。
「ごめん、なさい。ごめんなさい。心配をかけてしまって、ごめんなさい。明日には、元に戻るから……。踏ん切りをつけるから……。ちゃんと、いつものわたくしに戻るから……。逃げたりしない、家のためにちゃんと向き合うから……。今だけは……。弱いお姉ちゃんでいさせて……。甘えさせて、ください……」
「はい、溜め込んでいたものを全部出してください。喜んで受け止めさせてもらいますから」
「あり、がとう。ありがとう……。ありがとう……。ありがとう……。う、うぁあああああああああああああああああ!!」
あの時から今日まで、半年。お姉様とわたしが体感した時の長さは、まるで違う。
だからお姉様は1時間かけて心の苦しみを吐き出し、やがて、泣きつかれて眠ってしまわれたのでした。
「…………すぅ、すぅ、すぅ、すぅ、すぅ…………」
「お姉様。お姉様のお目覚めを待っていたいところですが、その前に失礼しますね」
わたしがこれから行うことを考えたら、この吐露はすべて夢だと思ってもらっていた方がいいでしょう。この時間わたしがこの部屋に存在した痕跡を全て消した上で退室し、お父様とお母様が待つ執務室を目指したのでした。
((……そういうことならば、仕方がありませんね。アレを使用しましょう))
パーティー中ずっと我慢をしていて、その間に理不尽な怒りが更に膨れ上がっていった。溜まりに溜まって爆弾のようになり、二人きりになった瞬間大爆発を起こした。
こんな心理状況なのでしょう。
「その時の目付きは悪魔のようだったし、蹲っているわたくしを見下ろす際は口角を大きく吊り上げて嗤っていた。……怒りが爆発してしまったら、こんな風になってしまう。それが…………そんな人と生涯を共にしないといけない事実も…………怖くなんてしまって……。その……」
「今までの我慢も合わさって、ついに耐え切れなくなってしまった。お父様、お母様、わたし、使用人に心配をかけてしまうと重々承知でも、堪えきれなくなったのですよね?」
「……そうなの。心配をかけてしまって、ごめんなさい。ごめんなさい……」
「ルナミアスお姉様が謝る必要はありませんよ。こちらこそ、ごめんなさい」
気付けなかったこと。そしてなにより、悩み苦しみを打ち明けられる存在でいられなかったこと。
それらの謝罪を込めて、お姉様を抱き締めました。
「今までは、我慢できていた……。いつも心が痛かった、けど、我慢できていたの……。でも悪い条件が重なれば、こんなことをしてくると知ってしまって……。もしかしたら、今後これ以上のことが起きてしまうかも、と思うようになって……。不安で……。怖くなって……。目の前が真っ暗になってしまって……。怖かった……。怖かった……! こんなの、貴族の娘として失格……。強くあらないといけない、けど……。無理、だった……。どうしていいのか、分からなくって……。怖かったの……!!」
溜まっていたものが、決壊。お姉様はわたしの胸に顔を埋め、急速に布地が濡れていくのが分かります。
「ごめん、なさい。ごめんなさい。心配をかけてしまって、ごめんなさい。明日には、元に戻るから……。踏ん切りをつけるから……。ちゃんと、いつものわたくしに戻るから……。逃げたりしない、家のためにちゃんと向き合うから……。今だけは……。弱いお姉ちゃんでいさせて……。甘えさせて、ください……」
「はい、溜め込んでいたものを全部出してください。喜んで受け止めさせてもらいますから」
「あり、がとう。ありがとう……。ありがとう……。ありがとう……。う、うぁあああああああああああああああああ!!」
あの時から今日まで、半年。お姉様とわたしが体感した時の長さは、まるで違う。
だからお姉様は1時間かけて心の苦しみを吐き出し、やがて、泣きつかれて眠ってしまわれたのでした。
「…………すぅ、すぅ、すぅ、すぅ、すぅ…………」
「お姉様。お姉様のお目覚めを待っていたいところですが、その前に失礼しますね」
わたしがこれから行うことを考えたら、この吐露はすべて夢だと思ってもらっていた方がいいでしょう。この時間わたしがこの部屋に存在した痕跡を全て消した上で退室し、お父様とお母様が待つ執務室を目指したのでした。
((……そういうことならば、仕方がありませんね。アレを使用しましょう))
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