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第6話 始 レアン視点(2)
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「…………は?」
「……え……?」
『『『『『え……?』』』』』
『『『『『え……?』』』』』
フィウナ・ヴァサホア様も、お姉様も、周りにいらっしゃった方々も。アントワーヌ様の口から出た言葉を聞いた人全員が、唖然となりました。
「あ、アントワーヌ様……!? 今、なんと仰ったのですか……!?」
「レアン、聞き逃したのかい? なら、もう一度言おう。フィウナ様が綺麗? お世辞に決まっているだろう。こんな女が綺麗なはずがない。と言ったんだ」
わたしが声を震わせながら尋ねると、ハッキリとした調子で繰り返しました。
「な!? なあっ!? なんですって!? わたくしが、はずがない!?」
「ああ、はずがない。こんなにも肥えて、肥満を化粧で誤魔化そうとしている女なんだぞ? どこに美しい要素がある。ご機嫌取りに言っているだけだ、俺も周りの人間もな」
『『『『『ちっ、違います!!』』』』』
『『『『『我々は思ってはおりません!!』』』』』
飛び火しないように周囲の方々は大慌てで否定し、火の粉がかからないよう揃ってそっぽを向く。そんな出来事があっても、アントワーヌ様のお口は止まりません。
「周りが持ち上げるから調子に乗って、あまつさえ美に関して語りだすんだ。あの話を聞かされる時ほど不愉快な時間はない。殺意すら湧くぞ、アレは」
「殺意ですって……!?」
「なにを驚いているんですか。当たり前でしょう。下の下、点数にすると100点中せいぜい10点レベルの生き物が美容法などを偉そうに語るんですよ? ありえないでしょう? 失笑ものですよ。鏡を見た方がいい」
「なあ……!! なあ……!! わたくしは10点ではありませんわ!!」
「いいえ、10点――いや失礼、中身を加えたらもっとマイナス。5点ですよ5点」
太っている。下品な化粧を完璧だと思うセンス。こんなふたつの要素がありながら気付かず美を豪語、事実を指摘されたら顔を真っ赤にして怒り出すメンタル。
これは酷い。
酷すぎる!
醜いとずっと言いたかったんだ!!
アントワーヌ様は、吐き捨てるように叫びました。
「ブス、豚、身の程知らず、化粧お化け、いくらでもあだ名をつけてあげられる。このくらい、あんたは酷いんですよ」
「っっっ!!」
「視覚的に不快にするだけではなく、言動で心まで疲弊させるだなんて。立場があるだけに防げなくて、厄介で仕方がない。目の前にいるのは、最低最悪の風船女ですよ」
聞いているだけなのに、たまらず気絶してしまう人が出るほど。すでに想像を絶する発言をしているアントワーヌ様ですが、まだ止まりません。
怖いもの知らずの口からは、更にこんな言葉が飛び出したのでした。
「信じられない。愛しのリリナと同じ人間だなんて、信じられない……!!」
「……え……?」
『『『『『え……?』』』』』
『『『『『え……?』』』』』
フィウナ・ヴァサホア様も、お姉様も、周りにいらっしゃった方々も。アントワーヌ様の口から出た言葉を聞いた人全員が、唖然となりました。
「あ、アントワーヌ様……!? 今、なんと仰ったのですか……!?」
「レアン、聞き逃したのかい? なら、もう一度言おう。フィウナ様が綺麗? お世辞に決まっているだろう。こんな女が綺麗なはずがない。と言ったんだ」
わたしが声を震わせながら尋ねると、ハッキリとした調子で繰り返しました。
「な!? なあっ!? なんですって!? わたくしが、はずがない!?」
「ああ、はずがない。こんなにも肥えて、肥満を化粧で誤魔化そうとしている女なんだぞ? どこに美しい要素がある。ご機嫌取りに言っているだけだ、俺も周りの人間もな」
『『『『『ちっ、違います!!』』』』』
『『『『『我々は思ってはおりません!!』』』』』
飛び火しないように周囲の方々は大慌てで否定し、火の粉がかからないよう揃ってそっぽを向く。そんな出来事があっても、アントワーヌ様のお口は止まりません。
「周りが持ち上げるから調子に乗って、あまつさえ美に関して語りだすんだ。あの話を聞かされる時ほど不愉快な時間はない。殺意すら湧くぞ、アレは」
「殺意ですって……!?」
「なにを驚いているんですか。当たり前でしょう。下の下、点数にすると100点中せいぜい10点レベルの生き物が美容法などを偉そうに語るんですよ? ありえないでしょう? 失笑ものですよ。鏡を見た方がいい」
「なあ……!! なあ……!! わたくしは10点ではありませんわ!!」
「いいえ、10点――いや失礼、中身を加えたらもっとマイナス。5点ですよ5点」
太っている。下品な化粧を完璧だと思うセンス。こんなふたつの要素がありながら気付かず美を豪語、事実を指摘されたら顔を真っ赤にして怒り出すメンタル。
これは酷い。
酷すぎる!
醜いとずっと言いたかったんだ!!
アントワーヌ様は、吐き捨てるように叫びました。
「ブス、豚、身の程知らず、化粧お化け、いくらでもあだ名をつけてあげられる。このくらい、あんたは酷いんですよ」
「っっっ!!」
「視覚的に不快にするだけではなく、言動で心まで疲弊させるだなんて。立場があるだけに防げなくて、厄介で仕方がない。目の前にいるのは、最低最悪の風船女ですよ」
聞いているだけなのに、たまらず気絶してしまう人が出るほど。すでに想像を絶する発言をしているアントワーヌ様ですが、まだ止まりません。
怖いもの知らずの口からは、更にこんな言葉が飛び出したのでした。
「信じられない。愛しのリリナと同じ人間だなんて、信じられない……!!」
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