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意気投合
しおりを挟む酒場で私に声をかけてナンパ(?)してきた男性とは、意気投合し、美味しいお酒を飲みながら日が暮れるまで話していた。
「なるほど。元彼に婚約破棄されてここへ。辛かったでしょうね。お気持ちをお察ししますよ。」
彼は私の愚痴をずっと聞いてくれた。私も、それにつられて元聖女だとは誰も思わないくらいの下品な言葉使いで愚痴を言いまくっていた。だが、そのおかげで気持ちがだいぶ楽になり、ストレスも無くなっていた。
「すいません。私ばかり話してしまって。私の愚痴だなんて面白いところひとつもないのに。」
「ハハハ。いえいえ。確かに、面白いと言ったら失礼にあたりますが、私がこうして聞いてるだけでも、貴女の心が少しでも楽になったら、それで光栄です。」
何と言う優しい人であろうか。全く、この人の爪の垢を煎じて王太子に飲ませてやりたい。
しかし、どうして私にそんな優しくしてくれるのであろう。私のことを、好いてくれたのか?だが、私はアリである。というか、私も彼が好きである。
私は、すっかり初めてのお酒によってしまい、ベロンベロンになってしまった。
「大丈夫ですか?結構お飲みになりましたね。」
「どうしましょう。今日、泊まるところとかも無くて…」
「そ、そうなんですか!?大丈夫ですか?もし、よろしければ、家来ますか?」
お、お泊まり!?だけど、これをきっかけに仲良くなれたら、嬉しい。
「い、良いんですか?私なんかが…」
「え、ええ。部屋が余っていますし。」
申し訳ないが、お言葉に甘えてしまおう。
「なら、お言葉に甘えて、そうさせてもらいます!」
「分かりました。なら、今日は払いますよ。」
「い、いえ!さすがに!私が払いますよ!」
そして、ゴリ押して二人分の会計を払った。
「申し訳ないですよ。僕、結構飲んでいるのに…」
「そ、そんな!私の方が飲んでいますし、愚痴代と宿泊代も兼ねてですよ。」
その後、二人は彼の家へと向かった。
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