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5話

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 「じゃあ、明日行くのね。」
 「うん!」

 夕食を食べ終わり、小一時間ほど小説の執筆をして、すぐに寝た。

 (あぁ。金持ちは羨ましいわ。)

 俺も充分金持ちなのだが、あそこまで余裕は無い。

 ◆◆◆◆◆◆

 次の日の朝。清々しい朝だった。

 メルサの友達のお父さんの家は隣街にあるらしい。隣街はセルメー街と言い、貴族や富豪が多く住んでいる。

 まずは直接お父さんに会いに行かず、まずはメルサの友達に会いに行く。

 「アリサちゃーん?」

 メルサの友達アリサだ。アリサもお金持ちである。

 「あ、メルサちゃん!それに、ワーソンさん?」
 「改めて紹介するよ。夫のワーソン。」
 「初めまして。今日は、アリサさんのお父様のダンジョン開発の見学をしたいなと。」
 「あー。あれね!分かったわ!ちょっと支度してきますね!」
 「すいません。」

 その後、3人でアリサの父のいるセルメー街行きの電車に乗り、セルメー街へ向かう。

 「アリサさんのお父様は商業利用していないのですか?」
 「ええ。もう趣味のための空間として自由気ままに利用しているそうです。」

 さすが大富豪。金なら余るほどあるのだろう。

 「ねぇ、アリサちゃん。お父様は何で収入を得ているの?」
 「元々ダンジョンの近くで野営商品を売っていたの。」
 「そ、それはもしかしてグーテルですか!?」
 「そうです!グーテルです!」

 グーテルというのは人気野営商品店であり、実際俺もとても利用させてもらった。グーテルが出来たのは約50年前…つまり……

 「なら、アリサさんのお父様は、グーテルの社長ということですか?」
 「そうですね。そうなります。」

 (そりゃ、金が有り余ってる訳だ)

 電車もセルメー街の駅へ間近となった。

 「いやぁ。さすが大富豪の街って感じですね。」

 大きな家がポンポンと並んでいる。洒落た格好をした人々が道を歩いていた。

 「少し歩きます。」

 アリサさんのお父さんは、どうやら自然が好きらしく、セルメー街の北側にあるウェルンツェアの森の中に大豪邸を構えているらしい。ダンジョンが好きな人の中には自然好きが多いのである。

 「もしかして、ワーソンさんもダンジョン開発をする気があるのですか?」
 「ははぁ。まぁ、そうですね。興味がありまして。ですが、少々金額に抵抗がありましてね。」
 「なるほど。ですが、ワーソンさん程なら買えると思いますけどねぇ。」
 「知名度に比べて、そんな稼げてないですよ。」
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