画家と天使の溺愛生活

秋草

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すれ違いの章

天女に誘惑を

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 パーティー参加時からビュッフェコーナーに留まり続けていくらか経った頃、真静と彩愛の二人はお腹をしっかり満たし切り、幸福感に浸っていた。
「もうお腹いっぱい。流石は家元御曹司のパーティーだけあって、どのお料理もとても美味しかった」
 もう無理、とお腹をさする真静の横で、彩愛が同意を示しながらも苺にフォークを刺す。
「……お腹いっぱいではないの?」
「デザートは別腹って言うでしょ。 ショートケーキの一つや二つ、余裕でしょう!」
「……まあ、彩愛はそうかもね」
 何せこの少女、ラーメンの大盛りを完食した後に平然として行きつけのカフェのケーキを全種平らげる、という偉業を成し遂げたことがあるのだ。
「食べ過ぎて気持ち悪くならないようにね?」
 苦笑を浮かべて親友に忠告した真静の目が、そのまま周囲に巡らされる。と、交流メイン故か殆ど人気のなかったこの場に、すぐに壮年の男性の姿を認めた。
 少しばかりの白が入り混じったココア色の髪を後ろに撫で付け、グレーのスーツを身につけているその身は、慢性的な運動不足が滲み出た体型をしている。そして、心なしか、千鳥足のようだ。
 男性はシャンパングラス片手に料理を眺め、デザートコーナーのショートケーキに目をつけた。しかしシャンパングラスのせいで両手がふさがることを気にしたらしい。とりあえず中身を一気に飲み干し、通りすがりのボーイにグラスを預けた。
……と、そこまでを見守っていると、真静の隣で苺を頬張っていた彩愛が「うわっ」と声をあげた。
「ちょっと父さん! お酒は控えてって言ったじゃん! めちゃくちゃ酔っ払って、酒くさっ!」
 男性に駆け寄った彩愛に、男性はショートケーキをお皿に盛りつける姿勢のままへにゃりと笑った。なかなかに愛嬌のある笑顔だ。
「お~、彩愛~。酒は全然呑んでないぞう」
「父さんは酔いやすいんだから、少しだけでも同じです! もうっ、こんなんじゃいつ周りの人に迷惑かけてもおかしくないじゃん。帰るよ!」
「大丈夫大丈夫~。それにお前、友達が一緒じゃないのか?」
 男性がぼんやりした目を真静に向け、またへにゃりと笑った。
「え~っと、あなたは……」
「あっ、佐成真静です。よろしくお願いいたします」
「ああ、あなたが」
 真静の名前を聞いた途端に輝きだした目に、無邪気な好奇心が溢れている。かなり心も若々しい人かもしれない。
「彩愛からはいつもお話を聞いてますよ。灯崎源です。いつも娘がお世話になっています」
「いいえ、こちらこそ!」
「それに、ねえ。佐成さんは、伊澄さんの恋人なんでしょう?」
「へ?」
「え……」
 彼の発言に目を剥いたのは、真静だけではない。父親の思いがけない発言に、彩愛の目に一瞬で戸惑いが浮かんだ。
「そっそんなこと、一体誰が!?」
 彩愛、誤解だから! との思いを込めて問えば、彼は首を傾げながら、「伊澄さんがほのめかしていましたよ?」と言ってのけた。
「ご、誤解です! それは伊澄さんの表現が悪かっただけで、私とあの人はただの知り合いです!」
「おや、そうでしたか。失礼失礼」
「も、もう、父さん酔っ払いすぎ! ごめん真静、父さんが変なこと言って! あたし、父さん連れてもう帰るね!」
「え、ええ。またね、彩愛」
「うん、また学校で!」
 じゃあね! とだけ言って、親友は父の腕をぐいぐい引っ張り、あっという間に人混みに紛れて消えた。
 ちょっとした嵐が過ぎ、後に残った周囲の静けさの中で意味もなくあたりを見回す。
 勝手に気まずくなってしまった。ひとまずお皿をボーイに渡し、場所を移動しよう。
「この辺なら……」
 ビュッフェコーナーの近くにある人気のない空間に身を埋め、ひっそりと要真を待つことにした。そうして改めて会場を見渡してみると、参加者のほとんどはそれなりの地位にありそうな人ばかりだ。
「さすが、伊澄さんのパーティー……」
 このような場は、自分には本来無縁の世界だ。今日が最初で最後の経験だろう。
「それにしても倉瀬さん、遅いなあ……」
 呟いてみても、それで彼が現れるわけではない。要真の姿を探したところでこの人の多さでは全く見つからないため、終わりの見えない時間を手持ち無沙汰に過ごすしかなくなった。


 下手に移動して要真に探させるようなことはしたくない、とひたすらに待ち続け、体感で10分は過ぎた頃、要真よりも先に悠貴の姿が目に入った。
 近くの婦人に声をかけ、何か笑顔で言葉を交わしてから、真静に微笑みを向けつつまっすぐこちらに向かってくる。それと同時に真静の脳裏には例の約束が浮かんだが、逃げてやり過ごそうにも、彼の視線が動きを制止して一歩も動けない。
 どうしよう、と一人慌てているうちに、彼は目の前にやってきた。
「お一人ですか、真静さん?」
「は、はい。彩愛は帰ってしまいましたし、まだ倉瀬さんが来ないので……」
「それはちょうどいい」
 そう言った瞬間、悠貴の目に宿る色気が増した気がした。微妙に熱を帯び、真静を誘惑するような怪しさを秘めている。
「約束、覚えていますか?」
「……はい」
「それは良かった。では、少し場所を変えましょうか」
「ば、場所をですか? ですが、私はここで倉瀬さんと、」
「約束をしたのは、僕が先です。……優先してくれますよね?」
 有無を言わせぬ口調で言われ、返事をする前に手を引かれる。そしてそのまま、真静の制止には耳を貸さず、会場から抜け出してしまった。
「あ、あの、倉瀬さんが」
「今日のパーティーにあなたを誘ったのは僕ですよ。それなのにあなたが口にするのは、倉瀬のことばかりだ」
 少しも真静を責める気配はなく、どちらかと言えば落ち込んでいるような口調。そして彼は小さな宴会場の一つに真静を引き込むと、後ろ手に扉を閉めた。
 じりじりと後退する真静を扉の側の壁に追い込んだ悠貴の口元が、ふわりと人好きのする微笑みを浮かべる。
「さて、これで僕たちは二人きりです。……答えを聞かせていただけますか?」
 逃げ場を失い視線をさまよわせる真静の腰を引き寄せ、そっと言葉を落とす。いつも以上に艶のある声で、誘惑するように。
 真静は悠貴との距離や彼の声に一瞬動揺を見せたものの、覚悟を決めた目で悠貴を見上げた。
「伊澄さん、私にはあなたの想いは受け取れません。……ごめんなさい」
 少しでもどちらかが身を寄せれば、簡単に唇が触れ合うような距離。しかし彼女から発せられたのは甘い言葉ではなく、悠貴の目に陰りが生じた。
「それは、倉瀬のことを愛しているから、ですか?」
「それは……分かりません。ですが、それはあなたに対しても同じです。貴方は話していて楽しい方ですけれど、その、愛するとか……そういった存在ではないのです」
「……そうですか」
 悠貴が呟き、目を伏せる。
「ごめんなさい」
 罪悪感にも似た想いで真静も視線を下げた。……その時だった。
「ですが、彼への思いが定まっていないということは、僕にもまだあなたを奪う隙はある、ということですね」
「え? あっ」
 腰に回された腕に力が込められ、思わず顔を上げれば先ほどよりも近くで彼と目が合った。
「真静さん、先日あなたをパーティーにお誘いした時、僕はあなたへの想いが純粋な好意だけではないと認めました。ですが、言い方を変えれば、あなたに対してたしかな『純粋な好意』も抱いています。彼があなたを想うように、異性としてあなたに惹かれているのです」
「あ、の、」
「真静さん、あなたが愛おしい。彼への想いが『憧れ』なのか『恋愛』なのかがはっきりするまででいいです。どうか束の間でも、僕の想いを受け入れてください」
 彼の目にいつもの色気はなく、今はただ、まっすぐ真摯な目を真静に向けている。
 それでも、真静の意思は揺らがなかった。
「そんな、貴方を利用するような付き合い方はできません。ごめんなさい」
 睨むでもなく、泣くでもなく、強い意思を持った瞳で彼の視線を受け止める。
 彼女から真っ直ぐな目を向けられた悠貴は一瞬寂しげに瞳を揺らし、苦笑を漏らした。
「参りました。女性を口説けなかったのは初めてです」
「そ、そうなのですか?」
 一体今までに何人の女性を口説いてきたのだろう、というのは口に出しがたい疑問であった。
「この距離ですよ? 嫌がるのでなければ、普通は陥落してくれます」
「……貴方の普通は、多分普通ではないです」
「普通でないのは、あなたの方かと」
「いいえ、伊澄さんです」
「いやいや、あなたですよ」
 そんな下らない応酬をしているうちに、二人は堪えきれずにくすくすと笑みをこぼした。
 もう少しで唇が触れ合いそうな、微妙な距離。その距離で笑い合っていれば、側から見れば恋人同士にしか見えないものだ。

 バタンッ。

 突如、少々乱暴な音と共に扉が開き、額に汗を浮かべた要真が姿を見せた。
 苛立ちを隠さない瞳が部屋を見回し、すぐに二人を捉える。そして、二人が密着するその様子を認めた途端、彼の目は明らかに動揺した。
「……っ!」
 要真は余裕のない歩みで二人に近づき、悠貴の腕を掴んだかと思いきや彼を無遠慮に突き飛ばした。
「倉瀬さんっ何を、!」
「来て」
 普段の彼からは想像もできなかった行動に真静が悲鳴を上げるものの、要真は悠貴に目もくれず真静を手を取った。
 そのまま彼女を部屋から連れ出し、彼女の戸惑う声に耳を貸さずにホテルの庭園に向かう。
「く、倉瀬さん、急にどうしたんですか? どうしてあのようなことを!」
 庭園の木陰で要真が足を止めるなり、背後の真静が青ざめた顔で訴える。
「早く戻りましょう! 伊澄さんが怪我でもしていたら、」
「どうでもいい」
 彼女の言葉を遮った声は、平時のそれより数段低く、荒々しかった。
 真静に唯一触れている要真の手に、痛いくらいの力が籠る。その直後、耐えがたいというように顔を歪めた要真が身を翻し、彼女を木に縫いとめた。
 背中を襲った微かな鈍痛に真静が小さく呻く。
「ねえ、佐成さん。君はあいつの何なの」
「え……」
 耳元で低く尋ねられた言葉に、真静が瞳を揺らす。
「結局、君はあいつのことが……好き、なの?」
「っ、違います! そんなことない!」
 戸惑いを映していた瞳が、次は怯えを映した。
「い、伊澄さんの申し出は、お断りしました。お付き合いはできませんって、きちんと、」
「それなら。それならどうして、あんなに二人で寄り添って、笑い合っていたの」
「それは、その、流れというか……」
 ただ単に、咄嗟にうまく説明出来なかっただけだった。それを彼は、「本当はそういう仲なのだ」と、言い訳なのだと受け取った。
「こんなことなら、もっと早くに言えばよかった。約束なんて無視すればよかった」
 彼の整った顔を歪めるのは、怒りなのか悲しみなのか。そもそもなぜ彼が、ここまで真静と悠貴を気にするのか。
 疑問が疑問を呼び、答えを得られない真静が何かを言葉にしようと口を開く。しかし、それは要真が阻んだ。
 彼女が言葉を紡ごうとした唇を、自らのそれで塞いだのだ。
 次に彼女が何を言おうとしていたのかは分からない。それでも、その言葉が悠貴との関係を認めるものだったらと考えると、目の前が真っ赤に染まる想いになった。
 そんな言葉なら、聞きたくない。

 要真の口付けに体を強張らせた真静の唇を、角度を変えて何度も貪る。
 そうしているうちに真静の身体から力が抜け、崩折れる前に要真は正面から彼女を抱きとめた。
「な……で……」
 なんでこんなことを、と言いたくても、真静は溢れる涙のせいで言葉を紡げない。
 要真は真静を抱きしめたまま、ぼそりと呟いた。
「好きだよ、真静」
「っ、くら、せ、さ……?」
 呟きに敏感に反応した真静の目が、幻を見るように見開かれる。ただその表情は、要真には見えなかった。
「君は俺の天使だ。何にも代えがたい、俺だけの、大事な大事な天使なんだ」
 力のない、相手の拒絶を前提とした声。それでも、真静の頭の中を真っ白にするには充分すぎた。
 憧れの人からの自信のかけらもない言葉を、真静は脳内で反芻しながら限界を迎えた。
 意識が遠のき、要真の焦った声がかかる。そして意識が完全に沈むとき、真静は心で呟いた。

 私も、貴方のことが……。
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