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すれ違いの章
天女に別れを
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さらさらと、ノートの上をシャープペンが滑っていく。ところが、それは不意に動きを止め、パタリとその場に転がった。
「……はあ」
ため息を漏らしたのは他でもない、真静だ。今は自室の机で試験勉強に励んでいるのだが、ふとしたした瞬間に憂鬱な気分になってしまい集中できずにいた。
彼と出逢ってからいつの間にか月日は流れ、今はなんと、年初めだ。つい先日初詣を済ませてきた、というほどの。
毎日が非日常だとこうも時の流れは早いものかと、正直驚きを禁じ得ない。
……とはいえ、これからの季節は、それなりに日常的で緩やかなものとなるだろう。彼とはあの日以来、一度も言葉を交わしていないからだ。それは、真静の兄に「二度とその顔を見せるな」と要真が殴られたのもあるが(これは真静が気を失っている間の出来事であり、後から姉伝いに聞いたのだが)、彼自身からなんの連絡もないことの方が大きい。
今も何気なく傍に置いている端末を見やり、ぴくりともしないその姿に涙が溢れそうになった。
自分は彼に嫌われただろうか。
あの日、彼から夢のような告白をされ、真静は気を失ってしまった。彼の誤解を解く暇もなく、彼の言葉に何かを返すこともないままに。
「私、だって……」
彼の言葉、そして表情が、真静にも自身の想いを自覚させた。認めざるを得なかったと言ってもいい。とにかくあの日以来、彼の顔を思い出す度に視界が揺らぐ。
「っ……倉瀬さん、会いたいです」
正面の壁に飾った彼の絵に、届かないと知りながらも言葉をかけた。
来ないならば自分から、と覚悟を決められない自分の弱さにも泣くしかない。
耐えきれず机に突っ伏し、肩を震わせた……まさにその時だった。
低めの振動音が鼓膜を揺らし、真静はがばりと身体を起こした。
他の可能性のことは露ほども考えず、端末を机上から取り上げる。
液晶を確認すると、そこには待ち続けた人の名前があった。しかも、これはメールではなく、電話のようだ。
「は、はい!」
震える喉から発した声は、見事に裏返った。そのことに、向こうで彼がくすりと笑った気がする。
『元気そうでよかった。あけましておめでとう。……久しぶり』
「あ、あけましておめでとうございます! お久しぶりです、本当に」
鼻の奥がツンとして声が震える。
「倉瀬さんもお変わりないようで、安心しました」
『……うん、ありがとう』
今の間は、一体何なのだろう。
胸に不安が広がる。
「あの……今日はどうして……?」
恐る恐る用件を尋ねれば、彼は本格的に黙り込み、かと思えば吹っ切れたような明るさで告げた。
『来月から、フランスに行くことにしたんだ』
「……あ、ご旅行ですか?」
『違う違う。留学って言うのかな。美術学校から誘われてて、四年間あっちに美術留学をすることにした』
「四年間……」
『そう。だから、四年は連絡を取れなくなる。……っていうことを、伝えたくて』
「そ……そうなん、ですね」
留学しても、今の時代いくらでも連絡手段はある。それなのになぜ……。いや、それ以前にそんな重大なニュースであればもっと早く教えてくれても良かったのではないか。
そんな考えが頭の中を巡り、彼との日々が当たり前となっていた事実に改めて気がついた。本来彼は、いつどこで何をしているかなど露ほども知らない存在のはずなのだ。故に、真静に文句を言う資格は皆無だった。
「そう、ですか。誘われるだなんて、流石は暮坂さんですね」
努めて明るく声を上げてみるが、震えは消えなかった。
「どこで描いていらっしゃっても、ずっと応援しています。暮坂さんのことも、倉瀬さんのことも」
『ありがとう。……それじゃあ、元気でね』
「はい。倉瀬さんも、どうかお元気で」
電話が切れるまで堪え、切れると同時に端末は手から床へと滑り落ちた。それを拾う気力もなく、机に突っ伏した。
それからどれくらい嘆いていたのか、自分でも分からない。ただ、いつのまにか沈んでいた意識が戻ったのは、母親が夜ご飯に呼びに来た時だった。
そして、真静はその夜に知ったのだ。自分の兄と要真の間で交わされた、絶対厳守の約束のことを。
「今、なんて……?」
食後のお風呂上がりに、真静はリビングから聞こえた姉の声に耳を疑い、考えるよりも先にリビングのドアを開けていた。
食卓で向かい合っていた兄と姉の顔が同時にこちらを向く。
「今、なんと言ったの? ……倉瀬さんと、何を約束したの?」
はぐらかしを許さない目の真静に、兄は観念した様子で約束の内容を答えた。もっともその口調は、いつ真静にバレても答えるつもりだったような、大して重々しくないものだ。
「真静は、もうあいつの気持ちは知っているんだろう? で、多分自分も同じ想いだと思っている」
「……ええ。もう自覚しているわ」
「だがな、真静。今まで恋なぞしてこなかったお前が、何よりも誰よりも憧れていた『暮坂颯人』に対する想いを、どうして“憧れ”ではなく“恋”だと断言できる?」
「……それは」
彼のそばにいると、いつでも胸がときめいた。いつでも楽しかった。彼を知る前より、もっと彼の絵を好きになった。……ただ、それが“憧れの人との時間だったから”というわけではないと断言できないのは、たしかだった。兄はいつも痛いところを突いてくる。
「あいつへの感情をよく自分で見つめもせずに、あいつの言葉に引っ張られて認識した気になることは、して欲しくなかった。お前はあいつへの憧れの想いが強すぎて、いつでも“恋”と錯覚できる状態にあったからな」
巧は真静の様子を伺いながら言い切り、少し息をついてから言葉を続けた。
「真静、お前はまだ子どもだ。子どもなんてのは感情に容易に振り回される。俺も柚依も、区別がついていない感情に任せて誰かとお前が付き合って、それで傷つくのを見たくない。お前は大事な大事な妹だから。だから二十歳になるまでは、お前のあいつに対する感情を認めはしないよ。俺も柚依も、倉瀬との仲は認めない」
はっきりと断言され、真静の視線が下がる。そして訪れた長い沈黙に、柚依が声をかけようと動いた時だった。
「……なら」
「なんだ?」
「それなら、私が二十歳になるまで気持ちを変えなかったら、認めてくれるのね? もう、何も言わないでいてくれるのね?」
「……いいだろう」
兄の同意を受けた真静が顔を上げ、まっすぐ兄を見つめる。その目の真剣さは、今まで兄姉ともに見たことがない。
「……分かったわ。四年間、ずっとあの人を想い続ける。想い続けて、絶対にあの人に気持ちを伝える」
「そうか」
がんばれよ、と兄が表情を和らげれば、真静は相変わらず真剣な目で頷いて見せたのだった。
「……はあ」
ため息を漏らしたのは他でもない、真静だ。今は自室の机で試験勉強に励んでいるのだが、ふとしたした瞬間に憂鬱な気分になってしまい集中できずにいた。
彼と出逢ってからいつの間にか月日は流れ、今はなんと、年初めだ。つい先日初詣を済ませてきた、というほどの。
毎日が非日常だとこうも時の流れは早いものかと、正直驚きを禁じ得ない。
……とはいえ、これからの季節は、それなりに日常的で緩やかなものとなるだろう。彼とはあの日以来、一度も言葉を交わしていないからだ。それは、真静の兄に「二度とその顔を見せるな」と要真が殴られたのもあるが(これは真静が気を失っている間の出来事であり、後から姉伝いに聞いたのだが)、彼自身からなんの連絡もないことの方が大きい。
今も何気なく傍に置いている端末を見やり、ぴくりともしないその姿に涙が溢れそうになった。
自分は彼に嫌われただろうか。
あの日、彼から夢のような告白をされ、真静は気を失ってしまった。彼の誤解を解く暇もなく、彼の言葉に何かを返すこともないままに。
「私、だって……」
彼の言葉、そして表情が、真静にも自身の想いを自覚させた。認めざるを得なかったと言ってもいい。とにかくあの日以来、彼の顔を思い出す度に視界が揺らぐ。
「っ……倉瀬さん、会いたいです」
正面の壁に飾った彼の絵に、届かないと知りながらも言葉をかけた。
来ないならば自分から、と覚悟を決められない自分の弱さにも泣くしかない。
耐えきれず机に突っ伏し、肩を震わせた……まさにその時だった。
低めの振動音が鼓膜を揺らし、真静はがばりと身体を起こした。
他の可能性のことは露ほども考えず、端末を机上から取り上げる。
液晶を確認すると、そこには待ち続けた人の名前があった。しかも、これはメールではなく、電話のようだ。
「は、はい!」
震える喉から発した声は、見事に裏返った。そのことに、向こうで彼がくすりと笑った気がする。
『元気そうでよかった。あけましておめでとう。……久しぶり』
「あ、あけましておめでとうございます! お久しぶりです、本当に」
鼻の奥がツンとして声が震える。
「倉瀬さんもお変わりないようで、安心しました」
『……うん、ありがとう』
今の間は、一体何なのだろう。
胸に不安が広がる。
「あの……今日はどうして……?」
恐る恐る用件を尋ねれば、彼は本格的に黙り込み、かと思えば吹っ切れたような明るさで告げた。
『来月から、フランスに行くことにしたんだ』
「……あ、ご旅行ですか?」
『違う違う。留学って言うのかな。美術学校から誘われてて、四年間あっちに美術留学をすることにした』
「四年間……」
『そう。だから、四年は連絡を取れなくなる。……っていうことを、伝えたくて』
「そ……そうなん、ですね」
留学しても、今の時代いくらでも連絡手段はある。それなのになぜ……。いや、それ以前にそんな重大なニュースであればもっと早く教えてくれても良かったのではないか。
そんな考えが頭の中を巡り、彼との日々が当たり前となっていた事実に改めて気がついた。本来彼は、いつどこで何をしているかなど露ほども知らない存在のはずなのだ。故に、真静に文句を言う資格は皆無だった。
「そう、ですか。誘われるだなんて、流石は暮坂さんですね」
努めて明るく声を上げてみるが、震えは消えなかった。
「どこで描いていらっしゃっても、ずっと応援しています。暮坂さんのことも、倉瀬さんのことも」
『ありがとう。……それじゃあ、元気でね』
「はい。倉瀬さんも、どうかお元気で」
電話が切れるまで堪え、切れると同時に端末は手から床へと滑り落ちた。それを拾う気力もなく、机に突っ伏した。
それからどれくらい嘆いていたのか、自分でも分からない。ただ、いつのまにか沈んでいた意識が戻ったのは、母親が夜ご飯に呼びに来た時だった。
そして、真静はその夜に知ったのだ。自分の兄と要真の間で交わされた、絶対厳守の約束のことを。
「今、なんて……?」
食後のお風呂上がりに、真静はリビングから聞こえた姉の声に耳を疑い、考えるよりも先にリビングのドアを開けていた。
食卓で向かい合っていた兄と姉の顔が同時にこちらを向く。
「今、なんと言ったの? ……倉瀬さんと、何を約束したの?」
はぐらかしを許さない目の真静に、兄は観念した様子で約束の内容を答えた。もっともその口調は、いつ真静にバレても答えるつもりだったような、大して重々しくないものだ。
「真静は、もうあいつの気持ちは知っているんだろう? で、多分自分も同じ想いだと思っている」
「……ええ。もう自覚しているわ」
「だがな、真静。今まで恋なぞしてこなかったお前が、何よりも誰よりも憧れていた『暮坂颯人』に対する想いを、どうして“憧れ”ではなく“恋”だと断言できる?」
「……それは」
彼のそばにいると、いつでも胸がときめいた。いつでも楽しかった。彼を知る前より、もっと彼の絵を好きになった。……ただ、それが“憧れの人との時間だったから”というわけではないと断言できないのは、たしかだった。兄はいつも痛いところを突いてくる。
「あいつへの感情をよく自分で見つめもせずに、あいつの言葉に引っ張られて認識した気になることは、して欲しくなかった。お前はあいつへの憧れの想いが強すぎて、いつでも“恋”と錯覚できる状態にあったからな」
巧は真静の様子を伺いながら言い切り、少し息をついてから言葉を続けた。
「真静、お前はまだ子どもだ。子どもなんてのは感情に容易に振り回される。俺も柚依も、区別がついていない感情に任せて誰かとお前が付き合って、それで傷つくのを見たくない。お前は大事な大事な妹だから。だから二十歳になるまでは、お前のあいつに対する感情を認めはしないよ。俺も柚依も、倉瀬との仲は認めない」
はっきりと断言され、真静の視線が下がる。そして訪れた長い沈黙に、柚依が声をかけようと動いた時だった。
「……なら」
「なんだ?」
「それなら、私が二十歳になるまで気持ちを変えなかったら、認めてくれるのね? もう、何も言わないでいてくれるのね?」
「……いいだろう」
兄の同意を受けた真静が顔を上げ、まっすぐ兄を見つめる。その目の真剣さは、今まで兄姉ともに見たことがない。
「……分かったわ。四年間、ずっとあの人を想い続ける。想い続けて、絶対にあの人に気持ちを伝える」
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