5 / 39
機転の章
画家のお誘い
しおりを挟む
要真と美術展で再会してから一週間。真静は彩愛を訪ねて美術室に来ていた。
「この前の美術展、最優秀賞受賞おめでとう」
真静からの祝福に、珍しく彩愛が頬を染める。
「ありがと。今回は無理かと思ったんだけどね、僅差で勝ったみたい」
「あら、普段から『私の右に出る者はなし!』なんて言っている人が、随分弱気だったのね」
真静がからかうように言えば、彩愛は苦笑を浮かべた。
「途中まではたしかにそのつもりだったよ。でも……なんだっけ、あの男、倉田?」
「……もしかして、倉瀬さんのこと?」
倉瀬要真。彼の作品は、たしか優秀賞だった筈だ。他にもいくつか優秀賞が選ばれていたが、美術部の顧問から聞いた話だと、最優秀賞を最後まで彩愛と競ったのは彼だったのだとか。
「そう、倉瀬! 倉瀬要真! あの男、本気じゃないくせに私と競り合っていたことがムカつくの!」
「本気じゃない? そう感じたの?」
美術の才能があるとそこまで見抜けるものなのだろうか。真静は絵心がさっぱりなので、絵を見ただけで力量を測るなどできない。分かるのはせいぜい、要真の絵が本物かどうかくらいだ。
ふーん、と感心しながら親友を見る真静の前で、彼女は再燃した苛立ちを爆発させていた。
「本気で描かなかった絵を持ってくんなって感じ! ていうか、出品したからにはちゃんと展覧会に来いっての! 受賞式にも現れなかったし、一体何様なのよ!」
「あー……」
一応来ていたわよ、とはとてもでないが言えない雰囲気だ。ここで彼を庇えば、彼女から飛び火する気がしないでもない。彼があの場から去るのを止めなかったのは真静なのだから、なおさらだ。
しかし、それでも、これだけは言っておかねばならない。
「あの絵、自分で出したものではないそうよ。むしろ彼自身は、いいものが描けなかったからって今回の参加を見送ろうとしたんですって」
「え、そうなの?」
ピタリと彩愛の暴走が止まり、彼女は椅子に腰かけた真静を不思議そうに覗き込んできた。
「なんで知っているの、そんなこと?」
「えっ、ああ、ええと、そのう……」
明かしていいものかと迷う彼女の様子で、彩愛はちゃんと悟ったらしい。先程までの不機嫌はどこへやら、あっという間に唇が弧を描く。
「ふうん、さてはあの日に真静を連れ出したのは、倉瀬要真ね?」
「っ……」
倉瀬要真、即ち、暮坂颯人。憧れの人の顔が脳裏に浮かび、瞬く間に顔が熱くなる。せっかく平静を装っていたものを、彩愛のせいで台無しだ。
恥ずかしいやら腹立たしいやらで何も言えなくなった真静への助け舟か、彩愛の絵を撮るために手にしていたスマホが突然鳴動した。
画面に反射的に目を落とし、すぐに瞳を輝かせる。
「わあっ」
「えっ、どうしたの、真静?」
彼女の表情の変化に彩愛は首を傾げてスマホを覗き込もうとしたが、もう少しのところで真静が席を立った。
「え、ま、真静?」
手鏡を取り出し、性急に髪を整えたかと思えば、パッと彩愛に顔を向ける。
「おかしくない?!」
「テンションがおかしいよ!」
思わず叫んだ彩愛に構わず慌しく荷物をまとめた真静は、「また明日!」とだけ残して美術室を走り去っていった。
「ケーキ屋さんに行こうって言いたかったのに……」
ぼそりと呟いたつもりが、周りの部員にも聞こえたらしい。普段から彼女をからかって遊んでいる部員達は、揃いも揃ってニヤリと口端を歪めた。
「佐成さんにフラれたねー」
平坦な声色で言われた彩愛は、無言でティッシュを投げつけたのだった。
*****
真静が通う高校から、快速電車を乗り継ぎしばらく。普段は使わない駅のホームに降り立った真静は身なりを整え、改札を出てからキョロキョロと辺りを見回した。改札前で待っているとメールにあったが、まだ来ていないようだ。とっくに放課後ではあるはずだから、美術室に時間を忘れて籠っているのかも知れない。
「一応メールでもしておこうかな」
そう独りごち、スマホをバッグから取り出す。まさにその時だった。
「佐成さん」
真静の右手、少し離れたところから声がかかり、真静が顔を上げると彼はにっこり笑った。
「お待たせ。呼んだくせに俺が遅れちゃってごめん」
「い、いえ、その、メールをいただけて、光栄です……」
落ち着いて話すつもりが緊張でそれどころではない。声が大きくなってしまわなかっただけ良しとするべきだ。
頰を熟れた桃の色に染めた彼女とは対照的に、彼は至って穏やかだった。少しの緊張も見られない。ただ、どこか嬉しそうであることは真静にも分かった。自意識過剰かもしれないが。
「光栄だなんて大袈裟だよ、そんな緊張しないで。ところで、佐成さんはこの後少し時間ある?」
「あ、はい、もちろんです。二時間はご一緒でき、ます……」
言ってから、真静は内心頭を抱えた。これでは付き纏う気満々と思われ鬱陶しがられるのではなかろうか、と。
しかし、彼は鬱陶しがるどころか先程よりも滲む喜色を明らかなものにした。
「よかった。それじゃあ、ちょっと付いて来てくれる?」
「は、はい」
また部室でモデルでもやるのだろうか。
そう思っていたが、彼が向かったのは学校と反対の道だ。
「あの暮、倉瀬さん! 高校はあちらではなかったのですか?」
彼女の問い掛けが予想外だったらしく、彼は少し感心したような顔になる。
「一回しか来てないのに、もう道を覚えているんだね。結構そういうの得意?」
「いえ、苦手です。でも……」
あの日、憧れの存在と肩を並べて歩いてみたら、全く彼に目を向けることができずに景色ばかり眺めていた。それ故か、景色の記憶はそれなりにある。……という理由を彼に話せるわけもなく押し黙った真静を、要真は一瞬怪訝な顔つきで見つめた。しかしすぐに目的地に到着し、肩に掛けていたバッグの中から例の道具一式を出し始めた。
たどり着いた場所を眺め渡し、真静が首を傾げる。
「公園、ですか?」
「そうだよ。さて、佐成さん、そこに座ってくれる?」
そう言って指差されたのは、赤い座面のブランコだった。どうやら、絵のモデルになることには変わりないらしい。
指示通りにブランコに腰掛け、バッグを膝に乗せる。そしていざ、と静止状態に入ろうとしたところで、彼から声がかかった。
「佐成さんは二人姉妹なの?」
「へっ?」
思わず頓狂な声が出てしまった。なぜこのタイミングで家族の話なのだろうか。そんな疑問が頭を過ぎるが、彼からの問い掛けに答えない訳にはいかない。「あの、姉と、兄がいます……」
「へえ、お兄さんもいたんだ? 今二人は何歳なの? 結構離れてる?」
彼はスケッチブックの縁に腕を乗せ、まったく描くつもりがなさそうだ。かと思えば、一応そのつもりはあるのか、たまにスケッチブックの面を見てパステルを紙面に走らせている。しかし、それを認めた真静が慌てて静止するとすぐに要真から雑談が持ち出され、結局その返事に集中してしまう。
そうこうしているうちに日が沈み、要真が腕時計に目をやった。心なしか苦い顔だ。
「……帰ろうか。ごめんね、また遅くなった」
真静が思うに、彼は真静の姉のことを気にしているのだろう。
真静はホクホクの顔で緩く首を振った。
「こんなにお話できて光栄でした。ありがとうございました」
「俺のことは何も話してないんだけど……」
苦笑気味の彼が言った通り、この公園に着いてからというもの、彼に関する話はほとんど出ていない。ずっと要真が真静に質問し続けていたのだ。中には「暮坂颯人の絵は何がそんなに気に入ったの?」と心底不思議そうな顔での質問もあった。その質問になった途端に止まらなくなった真静の熱弁を飽きもせず聞いていた要真には感謝しかない。
「私が話しすぎたせいであまり本題が進んでいなかったように思えるのですが……大丈夫ですか?」
彼がこの時間の中でスケッチブックに目を落としたのはほんの僅かな時間だっただろう。
作業の邪魔をしたかな、と一人不安を募らせる真静を見つめたまま、彼は苦笑を満面の笑みに変えた。
「大丈夫だよ。君を見ていたくて描かなかっただけだから」
「っ?!」
今絶対頰が焼けている。そう思うくらいにそこが一気に熱くなる。
見ていたかったとは、どういう意味だろうか。
あれこれと理由を推測してみたが、彼は答えを明かさぬまま道具を片付け、真静に歩み寄った。
「家まで送るよ」
そう言って差し出された手に真静がぎこちなく応えると、彼はそっと握り返した。その温もりと優しさに、特別な感情を見出そうとするのは、自意識過剰だろう。
自分はただ、彼と同じ時間を過ごせればそれでいいのだ。
真静は胸の内で呟き、ブランコから腰を上げた。
「この前の美術展、最優秀賞受賞おめでとう」
真静からの祝福に、珍しく彩愛が頬を染める。
「ありがと。今回は無理かと思ったんだけどね、僅差で勝ったみたい」
「あら、普段から『私の右に出る者はなし!』なんて言っている人が、随分弱気だったのね」
真静がからかうように言えば、彩愛は苦笑を浮かべた。
「途中まではたしかにそのつもりだったよ。でも……なんだっけ、あの男、倉田?」
「……もしかして、倉瀬さんのこと?」
倉瀬要真。彼の作品は、たしか優秀賞だった筈だ。他にもいくつか優秀賞が選ばれていたが、美術部の顧問から聞いた話だと、最優秀賞を最後まで彩愛と競ったのは彼だったのだとか。
「そう、倉瀬! 倉瀬要真! あの男、本気じゃないくせに私と競り合っていたことがムカつくの!」
「本気じゃない? そう感じたの?」
美術の才能があるとそこまで見抜けるものなのだろうか。真静は絵心がさっぱりなので、絵を見ただけで力量を測るなどできない。分かるのはせいぜい、要真の絵が本物かどうかくらいだ。
ふーん、と感心しながら親友を見る真静の前で、彼女は再燃した苛立ちを爆発させていた。
「本気で描かなかった絵を持ってくんなって感じ! ていうか、出品したからにはちゃんと展覧会に来いっての! 受賞式にも現れなかったし、一体何様なのよ!」
「あー……」
一応来ていたわよ、とはとてもでないが言えない雰囲気だ。ここで彼を庇えば、彼女から飛び火する気がしないでもない。彼があの場から去るのを止めなかったのは真静なのだから、なおさらだ。
しかし、それでも、これだけは言っておかねばならない。
「あの絵、自分で出したものではないそうよ。むしろ彼自身は、いいものが描けなかったからって今回の参加を見送ろうとしたんですって」
「え、そうなの?」
ピタリと彩愛の暴走が止まり、彼女は椅子に腰かけた真静を不思議そうに覗き込んできた。
「なんで知っているの、そんなこと?」
「えっ、ああ、ええと、そのう……」
明かしていいものかと迷う彼女の様子で、彩愛はちゃんと悟ったらしい。先程までの不機嫌はどこへやら、あっという間に唇が弧を描く。
「ふうん、さてはあの日に真静を連れ出したのは、倉瀬要真ね?」
「っ……」
倉瀬要真、即ち、暮坂颯人。憧れの人の顔が脳裏に浮かび、瞬く間に顔が熱くなる。せっかく平静を装っていたものを、彩愛のせいで台無しだ。
恥ずかしいやら腹立たしいやらで何も言えなくなった真静への助け舟か、彩愛の絵を撮るために手にしていたスマホが突然鳴動した。
画面に反射的に目を落とし、すぐに瞳を輝かせる。
「わあっ」
「えっ、どうしたの、真静?」
彼女の表情の変化に彩愛は首を傾げてスマホを覗き込もうとしたが、もう少しのところで真静が席を立った。
「え、ま、真静?」
手鏡を取り出し、性急に髪を整えたかと思えば、パッと彩愛に顔を向ける。
「おかしくない?!」
「テンションがおかしいよ!」
思わず叫んだ彩愛に構わず慌しく荷物をまとめた真静は、「また明日!」とだけ残して美術室を走り去っていった。
「ケーキ屋さんに行こうって言いたかったのに……」
ぼそりと呟いたつもりが、周りの部員にも聞こえたらしい。普段から彼女をからかって遊んでいる部員達は、揃いも揃ってニヤリと口端を歪めた。
「佐成さんにフラれたねー」
平坦な声色で言われた彩愛は、無言でティッシュを投げつけたのだった。
*****
真静が通う高校から、快速電車を乗り継ぎしばらく。普段は使わない駅のホームに降り立った真静は身なりを整え、改札を出てからキョロキョロと辺りを見回した。改札前で待っているとメールにあったが、まだ来ていないようだ。とっくに放課後ではあるはずだから、美術室に時間を忘れて籠っているのかも知れない。
「一応メールでもしておこうかな」
そう独りごち、スマホをバッグから取り出す。まさにその時だった。
「佐成さん」
真静の右手、少し離れたところから声がかかり、真静が顔を上げると彼はにっこり笑った。
「お待たせ。呼んだくせに俺が遅れちゃってごめん」
「い、いえ、その、メールをいただけて、光栄です……」
落ち着いて話すつもりが緊張でそれどころではない。声が大きくなってしまわなかっただけ良しとするべきだ。
頰を熟れた桃の色に染めた彼女とは対照的に、彼は至って穏やかだった。少しの緊張も見られない。ただ、どこか嬉しそうであることは真静にも分かった。自意識過剰かもしれないが。
「光栄だなんて大袈裟だよ、そんな緊張しないで。ところで、佐成さんはこの後少し時間ある?」
「あ、はい、もちろんです。二時間はご一緒でき、ます……」
言ってから、真静は内心頭を抱えた。これでは付き纏う気満々と思われ鬱陶しがられるのではなかろうか、と。
しかし、彼は鬱陶しがるどころか先程よりも滲む喜色を明らかなものにした。
「よかった。それじゃあ、ちょっと付いて来てくれる?」
「は、はい」
また部室でモデルでもやるのだろうか。
そう思っていたが、彼が向かったのは学校と反対の道だ。
「あの暮、倉瀬さん! 高校はあちらではなかったのですか?」
彼女の問い掛けが予想外だったらしく、彼は少し感心したような顔になる。
「一回しか来てないのに、もう道を覚えているんだね。結構そういうの得意?」
「いえ、苦手です。でも……」
あの日、憧れの存在と肩を並べて歩いてみたら、全く彼に目を向けることができずに景色ばかり眺めていた。それ故か、景色の記憶はそれなりにある。……という理由を彼に話せるわけもなく押し黙った真静を、要真は一瞬怪訝な顔つきで見つめた。しかしすぐに目的地に到着し、肩に掛けていたバッグの中から例の道具一式を出し始めた。
たどり着いた場所を眺め渡し、真静が首を傾げる。
「公園、ですか?」
「そうだよ。さて、佐成さん、そこに座ってくれる?」
そう言って指差されたのは、赤い座面のブランコだった。どうやら、絵のモデルになることには変わりないらしい。
指示通りにブランコに腰掛け、バッグを膝に乗せる。そしていざ、と静止状態に入ろうとしたところで、彼から声がかかった。
「佐成さんは二人姉妹なの?」
「へっ?」
思わず頓狂な声が出てしまった。なぜこのタイミングで家族の話なのだろうか。そんな疑問が頭を過ぎるが、彼からの問い掛けに答えない訳にはいかない。「あの、姉と、兄がいます……」
「へえ、お兄さんもいたんだ? 今二人は何歳なの? 結構離れてる?」
彼はスケッチブックの縁に腕を乗せ、まったく描くつもりがなさそうだ。かと思えば、一応そのつもりはあるのか、たまにスケッチブックの面を見てパステルを紙面に走らせている。しかし、それを認めた真静が慌てて静止するとすぐに要真から雑談が持ち出され、結局その返事に集中してしまう。
そうこうしているうちに日が沈み、要真が腕時計に目をやった。心なしか苦い顔だ。
「……帰ろうか。ごめんね、また遅くなった」
真静が思うに、彼は真静の姉のことを気にしているのだろう。
真静はホクホクの顔で緩く首を振った。
「こんなにお話できて光栄でした。ありがとうございました」
「俺のことは何も話してないんだけど……」
苦笑気味の彼が言った通り、この公園に着いてからというもの、彼に関する話はほとんど出ていない。ずっと要真が真静に質問し続けていたのだ。中には「暮坂颯人の絵は何がそんなに気に入ったの?」と心底不思議そうな顔での質問もあった。その質問になった途端に止まらなくなった真静の熱弁を飽きもせず聞いていた要真には感謝しかない。
「私が話しすぎたせいであまり本題が進んでいなかったように思えるのですが……大丈夫ですか?」
彼がこの時間の中でスケッチブックに目を落としたのはほんの僅かな時間だっただろう。
作業の邪魔をしたかな、と一人不安を募らせる真静を見つめたまま、彼は苦笑を満面の笑みに変えた。
「大丈夫だよ。君を見ていたくて描かなかっただけだから」
「っ?!」
今絶対頰が焼けている。そう思うくらいにそこが一気に熱くなる。
見ていたかったとは、どういう意味だろうか。
あれこれと理由を推測してみたが、彼は答えを明かさぬまま道具を片付け、真静に歩み寄った。
「家まで送るよ」
そう言って差し出された手に真静がぎこちなく応えると、彼はそっと握り返した。その温もりと優しさに、特別な感情を見出そうとするのは、自意識過剰だろう。
自分はただ、彼と同じ時間を過ごせればそれでいいのだ。
真静は胸の内で呟き、ブランコから腰を上げた。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました
cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。
そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。
双子の妹、澪に縁談を押し付ける。
両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。
「はじめまして」
そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。
なんてカッコイイ人なの……。
戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。
「澪、キミを探していたんだ」
「キミ以外はいらない」
悪役令嬢と氷の騎士兄弟
飴爽かに
恋愛
この国には国民の人気を2分する騎士兄弟がいる。
彼らはその美しい容姿から氷の騎士兄弟と呼ばれていた。
クォーツ帝国。水晶の名にちなんだ綺麗な国で織り成される物語。
悪役令嬢ココ・レイルウェイズとして転生したが美しい物語を守るために彼らと助け合って導いていく。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる