4 / 6
令嬢は領地を持たない中間管理職の伯爵家の娘3
しおりを挟む
「ええ。領地持ちの者は大変苦労していると、聞いた事があります」
「確かにここ3代の王は、聖獣の聖乙女の選出をせずに婚姻を結んでいる。後は、聖殿の最奥に祭られている誓約の宝玉に何かがあり、聖殿から選出するように要請されたのだろうと言う話もある。現在は上位の神官だけがその宝玉を見る事が出来るだけだから、本当に何かあったかは分からないが……突然の選出は何かあると思う」
「それで、わたくしにですか」
「聖乙女の血筋に連なる、未婚の少女14歳以上の者を集めると勅命を王家が出した」
「迷惑な話ですわね。勅命であれば断れないでしょうに」
「そんな事はないわよ~? 嫌であればさっさと結婚してしまえばいいですもの。ねぇ、ヴィリ様?」
おっとりとした口調で割り込んできたのは、母のエレンである。
「ああ。未婚でなければならないからな。相手がいるのならしてしまえばいいんだ」
「……」
にこやかな言う父に、ちょっとだけ殺意を覚えてしまう。平凡を絵に描いたような娘である。浮ついた縁など悲しいほどに相当遠い。
現在16歳の私は、王立魔法学院を卒業したばかりである。
学院の同級生は何人かは恋愛に花を咲かせていたが、没個性=平凡な私は殆ど見向きもされなかったし、ここぞとばかりに勉強に精を出していたのも原因だと理解している。とは言え、領地持ちでない伯爵令嬢など誰が嫁にしてくれると言うのか。誰もが振り向く美少女だとか、妖艶なボディと容姿を持った女性であれば争奪戦になるが、埋没するような普通な小娘だ。そう考えたら、知識を得て自立するのが一番良いのだと思ったのだ。だからと言って王太子妃になろうなんて思っていないし、そんな面倒臭そうなものになろうなどとこれっぽち思っていない。
ーーーーだって、そんなの超面倒臭いじゃん? 動物園のパンダにされるのはめっちゃいやや~~!
私の中にある、記憶のあたしが告げた。
「確かにここ3代の王は、聖獣の聖乙女の選出をせずに婚姻を結んでいる。後は、聖殿の最奥に祭られている誓約の宝玉に何かがあり、聖殿から選出するように要請されたのだろうと言う話もある。現在は上位の神官だけがその宝玉を見る事が出来るだけだから、本当に何かあったかは分からないが……突然の選出は何かあると思う」
「それで、わたくしにですか」
「聖乙女の血筋に連なる、未婚の少女14歳以上の者を集めると勅命を王家が出した」
「迷惑な話ですわね。勅命であれば断れないでしょうに」
「そんな事はないわよ~? 嫌であればさっさと結婚してしまえばいいですもの。ねぇ、ヴィリ様?」
おっとりとした口調で割り込んできたのは、母のエレンである。
「ああ。未婚でなければならないからな。相手がいるのならしてしまえばいいんだ」
「……」
にこやかな言う父に、ちょっとだけ殺意を覚えてしまう。平凡を絵に描いたような娘である。浮ついた縁など悲しいほどに相当遠い。
現在16歳の私は、王立魔法学院を卒業したばかりである。
学院の同級生は何人かは恋愛に花を咲かせていたが、没個性=平凡な私は殆ど見向きもされなかったし、ここぞとばかりに勉強に精を出していたのも原因だと理解している。とは言え、領地持ちでない伯爵令嬢など誰が嫁にしてくれると言うのか。誰もが振り向く美少女だとか、妖艶なボディと容姿を持った女性であれば争奪戦になるが、埋没するような普通な小娘だ。そう考えたら、知識を得て自立するのが一番良いのだと思ったのだ。だからと言って王太子妃になろうなんて思っていないし、そんな面倒臭そうなものになろうなどとこれっぽち思っていない。
ーーーーだって、そんなの超面倒臭いじゃん? 動物園のパンダにされるのはめっちゃいやや~~!
私の中にある、記憶のあたしが告げた。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが
水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。
王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。
数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。
記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。
リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが……
◆表紙はGirly Drop様からお借りしました
◇小説家になろうにも掲載しています
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる