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絶望と願いと快楽の間で3
しおりを挟むアークレッドにとって、セレナは唯一人の存在。
唯一の番である。
彼女を苦しめることも悲しませることも、本当は望んでいない。
望んだりしない。
けれど、それをねじ曲げ、屈服させ、自身の気持ちも信念もかなぐり捨てて、セレナを抱く。
騙し討ちで竜の宝珠を与えても構わないと思うのは、竜人の性なのにそれをしないのは、彼なりに考え思った結果である。
竜の宝珠は、番のみに反応する宝玉である。宝玉は番を、番足らしめる秘術でもある。与えられた番は、その持ち主である竜人に心を傾け愛する様になっていく。そして、最後には肉体と同化し同じだけの寿命を与える。
誰かを恋していようが、愛していようが極自然にその相手に対しての気持ちは薄れ、竜の宝珠の持ち主しか愛せなくする。
とても簡単に、自分の腕に落ちてくるのにその選択をとりたくないのは、アークレッドの矜持でもあった。
絶望して、混乱して、全てを拒否しているセレナにどんな言葉を掛けても、真実はきっと届かない。拒否している間は特にだ。
だからこそ、自分の事を思い出すまでは……竜の宝珠を使うのを止めているのであった。
身体を繋いでも心は繋げない、その苦痛すらもアークレッドは受け入れる。彼女を愛するがゆえに。
密壺から溢れる密を絡め合うように剛直を抜き差ししながら、アークレッドは愛しいセレナを絶頂へと誘う。
「や、あ、も……だめーーーぇッ!」
身体を激しく揺らして、セレナは気を失う。
「くっ……」
セレナの胎内に己の精気を注ぎ入れて、荒い息を吐くアークレッドは、優しくセレナの頬を撫でる。
「愛しているよ、セレナ。余の唯一の宝」
セレナの涙を優しく拭い、壊れ物を扱うかの様にそっと横たえ、繋がりを解く。パチリよ指を鳴らし、身体の汚れを取る洗浄の魔術を掛ける。アークレッドとセレナの身体は綺麗な状態へと変わる。
ベッドの端の方に追いやっていた上掛けを手に取り、アークレッドはセレナの美しい肢体に掛けてやる。自分はローブの様な夜着を一枚羽織り、腰の紐を縛るだけの簡素な物を着る。見事な身体は、胸元の開いた重なる布の隙間から見え隠れする。
気を遣ったセレナをベッドに残し、アークレッドは幾重にも重なるレースの紗を持ち上げ潜り出る。
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