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ナルバ山の遺跡編
episode59
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本日から【ナルバ山の遺跡編】が開始です。
【ALCHERA-片翼の召喚士-】の時に、書く事ができなかったキャラウェイ中将のお話を追加します。そして、ライオン傭兵団が全員登場しますので、続きを読んでやってくださいね。
**********
目の前に書類の山を築いて、黙々と書類処理に勤しんでいたベルトルドは、リュリュの言葉に顔を上げた。
「罷免だとう!?」
「ええ」
端整な顔を怪訝そうに歪め、ベルトルドは不機嫌な声を出した。
「ブルーベル将軍を罷免してどうするんだ?」
「後釜にキャラウェイが座ったわよ」
「はあああ??」
両手でデスクをバンッと叩き、ベルトルドは立ち上がる。
「あのボケジジイは何をしてるんだ! 軍を弱体化してどうする! ただでさえ役立たずの烏合の穀潰しを何百万と抱えてるんだ、バカなのか?」
腕を組んで唸ると、正面に立つリュリュをギロリと睨む。
「キャラウェイが主犯だな?」
「そうよん。あの禿頭ダルマしかいないわ」
「ハゲ豚の分際で、どうボケジジイを篭絡しやがった…」
禿頭ダルマ、ハゲ豚と言われ放題のキャラウェイは、ハワドウレ皇国軍に中将の地位を戴いている軍人である。
ハワドウレ皇国では政治や軍など、国の要職に就くためには、絶対に通らねばならないものがある。
エリート養成機関ターヴェッティ学院を卒業することである。ここを卒業したものだけが、要職に就くチャンスが与えられる。地位や出身、金の力で、この国の要職には絶対に就けないのだ。
キャラウェイ中将は確かにターヴェッティ学院を卒業したが、その能力は周囲にあまり認められていない。それでも中将の地位まで上り詰められたのは、別の才能に恵まれていたからと噂されている。
奸智に恵まれていると。
「将軍職に就きたくてしょうがないオーラを、滲み出しまくっていたからな。非凡なる奸智を巡らせて、ブルーベル将軍を陥れたんだろうな」
「その通りよ。国家反逆罪だの転覆罪だの、あることないこと捏造しまくりで、皇王様に突きつけたって」
「あのボケジジイは、それを信じたわけじゃあるまい?」
「信じてないようだけど、一部のオバカどもがキャラウェイを後押しして、宰相マルックも抱き込んだようよ」
「ああ…」
ベルトルドは渋い表情(かお)を浮かべた。
「トゥーリ族嫌いだからな、マルックのジジイも…」
「如何に皇王様といえど、宰相にまで詰め寄られたらねえ」
「仲良し老人コンビだからな。しかし、放っておけないな」
「アタシもキャラウェイは好かないわ。とっとと下水にでも流してちょうだい」
磨き上げた爪を見ながら、リュリュは垂れ目を眇めた。
「俺はな、個人的にブルーベル将軍が好きなんだ。真っ白な毛が艶々してて、つぶらな黒い目がキュートで」
「あーたも、たいがい可愛いモノが好きよね。そこの毛玉姫みたいに」
ベルトルドの怒気にも慣れたようで、カゴの中で丸くなって寝ている。
「ふふん。それに、キャラウェイなんぞが将軍職に就いたら、皇国軍はオシマイだ」
「どーかん」
「能無しボケジジイを締め上げてくる」
「今回は許すわ。存分にやっておしまいなさい」
「おう」
【ALCHERA-片翼の召喚士-】の時に、書く事ができなかったキャラウェイ中将のお話を追加します。そして、ライオン傭兵団が全員登場しますので、続きを読んでやってくださいね。
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目の前に書類の山を築いて、黙々と書類処理に勤しんでいたベルトルドは、リュリュの言葉に顔を上げた。
「罷免だとう!?」
「ええ」
端整な顔を怪訝そうに歪め、ベルトルドは不機嫌な声を出した。
「ブルーベル将軍を罷免してどうするんだ?」
「後釜にキャラウェイが座ったわよ」
「はあああ??」
両手でデスクをバンッと叩き、ベルトルドは立ち上がる。
「あのボケジジイは何をしてるんだ! 軍を弱体化してどうする! ただでさえ役立たずの烏合の穀潰しを何百万と抱えてるんだ、バカなのか?」
腕を組んで唸ると、正面に立つリュリュをギロリと睨む。
「キャラウェイが主犯だな?」
「そうよん。あの禿頭ダルマしかいないわ」
「ハゲ豚の分際で、どうボケジジイを篭絡しやがった…」
禿頭ダルマ、ハゲ豚と言われ放題のキャラウェイは、ハワドウレ皇国軍に中将の地位を戴いている軍人である。
ハワドウレ皇国では政治や軍など、国の要職に就くためには、絶対に通らねばならないものがある。
エリート養成機関ターヴェッティ学院を卒業することである。ここを卒業したものだけが、要職に就くチャンスが与えられる。地位や出身、金の力で、この国の要職には絶対に就けないのだ。
キャラウェイ中将は確かにターヴェッティ学院を卒業したが、その能力は周囲にあまり認められていない。それでも中将の地位まで上り詰められたのは、別の才能に恵まれていたからと噂されている。
奸智に恵まれていると。
「将軍職に就きたくてしょうがないオーラを、滲み出しまくっていたからな。非凡なる奸智を巡らせて、ブルーベル将軍を陥れたんだろうな」
「その通りよ。国家反逆罪だの転覆罪だの、あることないこと捏造しまくりで、皇王様に突きつけたって」
「あのボケジジイは、それを信じたわけじゃあるまい?」
「信じてないようだけど、一部のオバカどもがキャラウェイを後押しして、宰相マルックも抱き込んだようよ」
「ああ…」
ベルトルドは渋い表情(かお)を浮かべた。
「トゥーリ族嫌いだからな、マルックのジジイも…」
「如何に皇王様といえど、宰相にまで詰め寄られたらねえ」
「仲良し老人コンビだからな。しかし、放っておけないな」
「アタシもキャラウェイは好かないわ。とっとと下水にでも流してちょうだい」
磨き上げた爪を見ながら、リュリュは垂れ目を眇めた。
「俺はな、個人的にブルーベル将軍が好きなんだ。真っ白な毛が艶々してて、つぶらな黒い目がキュートで」
「あーたも、たいがい可愛いモノが好きよね。そこの毛玉姫みたいに」
ベルトルドの怒気にも慣れたようで、カゴの中で丸くなって寝ている。
「ふふん。それに、キャラウェイなんぞが将軍職に就いたら、皇国軍はオシマイだ」
「どーかん」
「能無しボケジジイを締め上げてくる」
「今回は許すわ。存分にやっておしまいなさい」
「おう」
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