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混迷の遺跡編
episode143
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「アルカネット! アルカネット!!」
裸にバスローブを着込んだだけのベルトルドは、荒々しくドアを開けて部屋を出ると、廊下で大声をあげてアルカネットを呼んだ。
数分ほどして、同じように裸にバスローブを着ただけのアルカネットが、髪から水滴を零しながら現れた。入浴中だったようだ。
「なんですか、こんな夜半に大声を出して。夜勤の使用人たちが驚いてしまいますよ」
呆れ顔で文句を垂れるアルカネットの腕を掴み、強引に自分に引き寄せ、先ほどカーティスから見せられたキュッリッキの様子を念話で伝える。
「…なんて…ことに」
一瞬でアルカネットの顔が青ざめる。
「呆けるのは後にしろ。お前は支度してすぐ大病院へ行き、ヴィヒトリともうひとり外科医を連れて、ソレル王国のイソラという町へ向かえ」
青ざめた顔はそのままに、アルカネットはゆっくりと頷く。まだ動揺から身体の震えが止まらないのだ。
「もう軍服は届いているな?」
「ええ、受け取っていますよ」
「俺は今から総帥本部へ行って軍を動かす。ブルーベル将軍にはもう連絡はつけた。雑用云々ですぐにイソラへは行けないから、あちらのことはお前に任せたぞ」
「判りました」
アルカネットは会釈もそこそこに、急ぎ足で自室へ戻っていった。その後ろ姿を見送って、ベルトルドは声を荒らげた。
「下僕はいるか!? 着替えを手伝え、出かけるぞ!!」
着替えを済ませたベルトルドは、馬車専用地下通路へと向かう。すでに馬車は待機しており、リュリュが困惑げに出迎えた。
「化粧を落とす寸前だったのよん」
腕を組んで腰をくねっと曲げる。
馬車に乗り込みながら、ベルトルドはフンッと鼻を鳴らす。そのあとにリュリュも乗り込んだ。
「念話で伝えた通りだ」
「小娘、かなり危険な状態みたいね。医者はアルカネットが?」
「うん。ヴィヒトリともう1人外科医を連れて行くよう指示しておいた」
「なら信じて待つしかないわね…。ちょっと、ボサッとしてないで早く出しなさいよっ!」
イラッと怒鳴り、リュリュは組んだ右足で、乱暴に馬車のドアを蹴飛ばす。
「すっ、すみません!」
外から謝る御者の声が聞こえ、馬車が走り出した。
「寝ぼけてンじゃないわよ、ったく」
やや大きめの口を、忌々しげに歪めると、チイッと舌打ちした。
「オカマは怒らせるモンじゃないな…」
「ぁあ?」
「ナンデモアリマセン」
すいーっと目線をずらしつつ、ベルトルドは真顔で言う。
「ンで、どんくらい動かす気?」
「アークラ大将の第二正規部隊とダエヴァ第二部隊、魔法部隊少々を使う」
「判ったわ。編成や指揮はブルーベル将軍とアークラ大将にお任せで、ダエヴァと魔法部隊もブルーベル将軍の指揮下に入ってもらうわね」
「うん」
「それにしても、調査がまだ不十分だけれど、ケレヴィルの連中に手を出してくれちゃったから、堂々と軍を送り込まれても、文句は言えないわねソレル王国」
「ああ、ライオンの連中が無事、シ・アティウスらを救出できたしな」
腕組をしたベルトルドは、顔を馬車の外へと向ける。
「リッキーの件がなければ、もう少し後になっただろうが…」
「今はとにかく、アルカネットを信じて任せましょ」
「そうだな…」
裸にバスローブを着込んだだけのベルトルドは、荒々しくドアを開けて部屋を出ると、廊下で大声をあげてアルカネットを呼んだ。
数分ほどして、同じように裸にバスローブを着ただけのアルカネットが、髪から水滴を零しながら現れた。入浴中だったようだ。
「なんですか、こんな夜半に大声を出して。夜勤の使用人たちが驚いてしまいますよ」
呆れ顔で文句を垂れるアルカネットの腕を掴み、強引に自分に引き寄せ、先ほどカーティスから見せられたキュッリッキの様子を念話で伝える。
「…なんて…ことに」
一瞬でアルカネットの顔が青ざめる。
「呆けるのは後にしろ。お前は支度してすぐ大病院へ行き、ヴィヒトリともうひとり外科医を連れて、ソレル王国のイソラという町へ向かえ」
青ざめた顔はそのままに、アルカネットはゆっくりと頷く。まだ動揺から身体の震えが止まらないのだ。
「もう軍服は届いているな?」
「ええ、受け取っていますよ」
「俺は今から総帥本部へ行って軍を動かす。ブルーベル将軍にはもう連絡はつけた。雑用云々ですぐにイソラへは行けないから、あちらのことはお前に任せたぞ」
「判りました」
アルカネットは会釈もそこそこに、急ぎ足で自室へ戻っていった。その後ろ姿を見送って、ベルトルドは声を荒らげた。
「下僕はいるか!? 着替えを手伝え、出かけるぞ!!」
着替えを済ませたベルトルドは、馬車専用地下通路へと向かう。すでに馬車は待機しており、リュリュが困惑げに出迎えた。
「化粧を落とす寸前だったのよん」
腕を組んで腰をくねっと曲げる。
馬車に乗り込みながら、ベルトルドはフンッと鼻を鳴らす。そのあとにリュリュも乗り込んだ。
「念話で伝えた通りだ」
「小娘、かなり危険な状態みたいね。医者はアルカネットが?」
「うん。ヴィヒトリともう1人外科医を連れて行くよう指示しておいた」
「なら信じて待つしかないわね…。ちょっと、ボサッとしてないで早く出しなさいよっ!」
イラッと怒鳴り、リュリュは組んだ右足で、乱暴に馬車のドアを蹴飛ばす。
「すっ、すみません!」
外から謝る御者の声が聞こえ、馬車が走り出した。
「寝ぼけてンじゃないわよ、ったく」
やや大きめの口を、忌々しげに歪めると、チイッと舌打ちした。
「オカマは怒らせるモンじゃないな…」
「ぁあ?」
「ナンデモアリマセン」
すいーっと目線をずらしつつ、ベルトルドは真顔で言う。
「ンで、どんくらい動かす気?」
「アークラ大将の第二正規部隊とダエヴァ第二部隊、魔法部隊少々を使う」
「判ったわ。編成や指揮はブルーベル将軍とアークラ大将にお任せで、ダエヴァと魔法部隊もブルーベル将軍の指揮下に入ってもらうわね」
「うん」
「それにしても、調査がまだ不十分だけれど、ケレヴィルの連中に手を出してくれちゃったから、堂々と軍を送り込まれても、文句は言えないわねソレル王国」
「ああ、ライオンの連中が無事、シ・アティウスらを救出できたしな」
腕組をしたベルトルドは、顔を馬車の外へと向ける。
「リッキーの件がなければ、もう少し後になっただろうが…」
「今はとにかく、アルカネットを信じて任せましょ」
「そうだな…」
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