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それぞれの悪巧み編
episode324
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たいして会話もなく、食器のカチャカチャという音が鳴り響く食堂に、けたたましいキュッリッキの悲鳴が轟いた。
みんな口の中のものを吹き出しそうになって、ガタガタと椅子から立ち上がった。
尋常じゃない悲鳴に、血相を変えたアルカネットはすぐ食堂を飛び出してキュッリッキの元へと走る。ライオン傭兵団も慌ててあとを追った。
途中の廊下で、駆けてくるキュッリッキをアルカネットは柔らかく抱きとめた。
「一体どうしたのですか、今の悲鳴は?」
「た、た、たいへんなのー!」
キュッリッキは半泣き状態でアルカネットの軍服を掴む。
追いついてきたライオン傭兵団のみなも、2人を取り囲んで何事かとキュッリッキを見る。
「どうしようどうしよう」
「落ち着いてくださいリッキーさん、一体どうしたのですか?」
優しくなだめると、キュッリッキは何度もしゃくり上げる。
「あのね、あのね、ベルトルドさんの股間に、でっかなナマコが張り付いててね、それでそのナマコがにょきっと立ってたの」
しゃくり上げながらそう言うと、キュッリッキはワーワーと泣き出してしまった。
しかしキュッリッキとは反対に、その場にいた全員が口を引きつらせて、握り拳を作ったのは言うまでもなく。
――あのオヤジっ!!!
アルカネットだけはすぐに冷静な表情を取り戻すと、キュッリッキに爽やかに微笑みかけた。
「それは大変汚らわしいものを見てしまいましたね。大丈夫ですよ、わたしがエルプティオ・ヘリオスで焼き尽くして差し上げます」
――いや、それはマズイだろっ!? と皆ツッコミたかったが、アルカネットの口ぶりが『本気と書いてマジと読む』状態なので誰も口を挟めなかった。怒りのオーラが全身にみなぎっていた。
「近くに海もないのに、どっから来たんだろうナマコ」
キュッリッキはぐすっぐすっと泣きながら呟く。
「皆はリッキーさんを食堂へ。――くれぐれも、余計なことは言わなくていいですからね?」
「は、はい」
アルカネットの不気味極まる深い笑顔に、カーティスが引き攣りながら代表して請け負う。
「ああ、それと、リッキーさんの朝食には、ソーセージは一切出さないように使用人たちに言っておいてください」
今朝の朝食の皿の中身を思い出し、アルカネットは釘を刺すと、ベルトルドの部屋へ向かった。
(怒ってる……間違いなくマジで怒ってる)
去りゆくアルカネットの背を見て、ルーファスは心の中でベルトルドのために合掌した。
開けっ放しの扉を更に開けて中に入ると、ベッドの上に半身を起こしたベルトルドが、あくびをしながら眠そうに頭を掻いていた。
「アルカネットか……。なんか、リッキーのものすごいデカイ悲鳴が聞こえたような気がしたんだが、何かあったのか?」
腕を組んだまま、ベルトルドの姿をたっぷりと見やって、アルカネットは大仰に溜息を吐きだした。
「パンツくらいはきなさい。いつまでその粗末なものをさらけ出しているんです」
ベルトルドは寝ぼけ眼をアルカネットに向け、次に己の股間に向けた。
「粗末とは失礼な。立派なモンだぞ、これ」
眠たげな顔をしながらも、偉そうにふんぞり返っている。
「星の数の女どもを悦ばせてきたんだぞ、これで」
「そうですか。ではもう使い飽きたでしょう。ナマコは退治しますと、リッキーさんと約束しましたから」
アルカネットはにっこりと微笑みながら、両掌にメロン大くらいの火の玉を作り出した。
「一瞬で消し炭にして差し上げます」
「ちょ、何をしている? ナマコってなんのことだっ!」
慌てて跳ね起きると、飛んできた火の玉を空間転移でかわす。
「さっさとパンツ履けコラ」
目つきと口調がガラリと変わり、ブラック・アルカネット――キュッリッキが命名――が顔を出し、ベルトルドは慌てた。
「判ったからエルプティオ・ヘリオスは止めろっ!!」
みんな口の中のものを吹き出しそうになって、ガタガタと椅子から立ち上がった。
尋常じゃない悲鳴に、血相を変えたアルカネットはすぐ食堂を飛び出してキュッリッキの元へと走る。ライオン傭兵団も慌ててあとを追った。
途中の廊下で、駆けてくるキュッリッキをアルカネットは柔らかく抱きとめた。
「一体どうしたのですか、今の悲鳴は?」
「た、た、たいへんなのー!」
キュッリッキは半泣き状態でアルカネットの軍服を掴む。
追いついてきたライオン傭兵団のみなも、2人を取り囲んで何事かとキュッリッキを見る。
「どうしようどうしよう」
「落ち着いてくださいリッキーさん、一体どうしたのですか?」
優しくなだめると、キュッリッキは何度もしゃくり上げる。
「あのね、あのね、ベルトルドさんの股間に、でっかなナマコが張り付いててね、それでそのナマコがにょきっと立ってたの」
しゃくり上げながらそう言うと、キュッリッキはワーワーと泣き出してしまった。
しかしキュッリッキとは反対に、その場にいた全員が口を引きつらせて、握り拳を作ったのは言うまでもなく。
――あのオヤジっ!!!
アルカネットだけはすぐに冷静な表情を取り戻すと、キュッリッキに爽やかに微笑みかけた。
「それは大変汚らわしいものを見てしまいましたね。大丈夫ですよ、わたしがエルプティオ・ヘリオスで焼き尽くして差し上げます」
――いや、それはマズイだろっ!? と皆ツッコミたかったが、アルカネットの口ぶりが『本気と書いてマジと読む』状態なので誰も口を挟めなかった。怒りのオーラが全身にみなぎっていた。
「近くに海もないのに、どっから来たんだろうナマコ」
キュッリッキはぐすっぐすっと泣きながら呟く。
「皆はリッキーさんを食堂へ。――くれぐれも、余計なことは言わなくていいですからね?」
「は、はい」
アルカネットの不気味極まる深い笑顔に、カーティスが引き攣りながら代表して請け負う。
「ああ、それと、リッキーさんの朝食には、ソーセージは一切出さないように使用人たちに言っておいてください」
今朝の朝食の皿の中身を思い出し、アルカネットは釘を刺すと、ベルトルドの部屋へ向かった。
(怒ってる……間違いなくマジで怒ってる)
去りゆくアルカネットの背を見て、ルーファスは心の中でベルトルドのために合掌した。
開けっ放しの扉を更に開けて中に入ると、ベッドの上に半身を起こしたベルトルドが、あくびをしながら眠そうに頭を掻いていた。
「アルカネットか……。なんか、リッキーのものすごいデカイ悲鳴が聞こえたような気がしたんだが、何かあったのか?」
腕を組んだまま、ベルトルドの姿をたっぷりと見やって、アルカネットは大仰に溜息を吐きだした。
「パンツくらいはきなさい。いつまでその粗末なものをさらけ出しているんです」
ベルトルドは寝ぼけ眼をアルカネットに向け、次に己の股間に向けた。
「粗末とは失礼な。立派なモンだぞ、これ」
眠たげな顔をしながらも、偉そうにふんぞり返っている。
「星の数の女どもを悦ばせてきたんだぞ、これで」
「そうですか。ではもう使い飽きたでしょう。ナマコは退治しますと、リッキーさんと約束しましたから」
アルカネットはにっこりと微笑みながら、両掌にメロン大くらいの火の玉を作り出した。
「一瞬で消し炭にして差し上げます」
「ちょ、何をしている? ナマコってなんのことだっ!」
慌てて跳ね起きると、飛んできた火の玉を空間転移でかわす。
「さっさとパンツ履けコラ」
目つきと口調がガラリと変わり、ブラック・アルカネット――キュッリッキが命名――が顔を出し、ベルトルドは慌てた。
「判ったからエルプティオ・ヘリオスは止めろっ!!」
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