私の嫁？はインキュバス

白き闇と初恋の狭間で

その頃エイレンは 5

「あれ？栄君ってこんな可愛い笑顔するんだ」
声の方を向くと、酔っ払ってニコニコ微笑んでいる湖滋教授が俺の横に来た。
「初めて見たよ、君の心の底からの笑顔。良いことがあったんだね」
「あったんじゃなくて、現在進行形中で、未来永劫続くやつです」
普通は恥ずかしいけど尊敬する教授に言われたからかな、素直にスッと出てきた。それを聞いた教授は微笑むとソファーに横になって爆睡した。
歌え呑めの大騒ぎは続き(俺はひたすら呑みまくった)俺以外は歌い疲れと飲み疲れで爆睡してしまった。
「皆寝ちゃったから1曲何か歌おうかな。そう言えばウィスキー先輩が歌ってた曲、昔のアニメの曲だったけどカッコよかったからそれにしようっと」
10年前の深夜アニメの曲だが今聴いても凄い新鮮だった。履歴を探して入力する。
歌詞も俺の気持ちとリンクしている。大サビ前は今の気持ちそのままだ。誰も見てないからか翼ちゃんへの思いをぶつけて熱唱してしまった。恥ずかしいけど気持ち良かった。
歌い終わると、狸寝入りしてる人いないか再確認してる時にドアがコンコンとノックされたので、ドアを開けると苦笑いを浮かべた金髪の店員さんが立っていた。
「あー。お客様ですか？先程歌ってらっしゃったのは？」
「はい、俺ですが。うるさくて苦情でも来たならすいません」
「実は、うるさくてではなく、フェロモンがだだ漏れで店内のお客様全員フェロモン酔いを起こしてしまっていらっしゃって」
「はい？フェロモンだだ漏れって。いきなりそんな事言われても・・・」
フェロモンは覚醒で調節出来る様になったはずなんだけど。その前にフェロモンが俺から出てるって分かるこの店員何者か？
「実は、少し割高ですが”そっち系の方”の部屋があるのでこれ割引券なので次回にお使い下さい」と俺の手に押し付けると店員は耳元で驚きの発言をした。
「君の歌、はめちゃくちゃ分かりやすい公開オナ○ーだから」
公開オ○・・・、溜まってた欲求知らずにぶち撒けてたんだな。
店員さんは、俺の肩をポンポンと叩き
「頑張れ、DT君！！！後、残り時間10分前ですけど延長しますか」と聞いてきたので急いで皆を叩き起こし延長か聞いて帰るとの事なので店員さんに伝えて片付けをして時間内にカラオケをあとして解散した。

お土産の賞味期限とかあったので急いで帰宅した。
翼ちゃん靴があったので寒さなのか、店員さんに言われた台詞を思い出したのか顔の火照りが治らなかったので少し時間を経てからリビングに向かうと誰も居ない。
翼ちゃんとに見られなくて良かったとホッとしたのもな束の間。テーブルの上にあるメモがあったので見ると苛立ちか一気に駆け上がりメモを握りつぶしゴミ箱に叩き込む。
その後、お土産を冷蔵庫に入れ寝る為に自分の部屋に入ろうとしたがメモの内容が気になってしょうがないので翼ちゃんの部屋に入るとすやすや眠っている翼ちゃんがいたので寝顔を堪能しようと顔に近づいたら涙の跡があった。
“翼、あんたの事で悩んでいるから好意を押し付けるなよ。”とメモには悠理の字で書いてあった。
「そんなことあんたに言われなくっても分かってるよ。あーあ、公開オ○する程翼ちゃんの沼にどっぷりハマっちゃってるんだな」
頬杖をついて寝顔を堪能した後、涙の跡をペロッと舐めてから瞼にキスをし、部屋を後にして自分の部屋に戻り・・・以下省略・・・だからな！！詳しく聞くな！ちっくしょー！！

後日、多分カラオケの履歴を見ただろうウィスキー先輩から俺が歌ったバンドのアルバムを渡されたので落としたら俺も翼ちゃんも気に入ったので、その話をウィスキー先輩に話したら少し仲良くなってそこから他の先輩とも仲良くなりました。
何事も一歩前に進まないとだな。
しかし、翼ちゃんとの新しい一歩はいつになるのかな。