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Are you feeling and being shaken?
閑話③ Inépuisable 中編
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次の依頼の買い物は依頼書に書いてあったのでそのまま『ヨロズヤ』で購入。
ついでに、自分用のお菓子も別会計で購入。私の我儘で頼んだ駄菓子が入荷したってアツさんからメール来て楽しみにしてたんだよね。
依頼者の家までは『見る』スキルを使ったので迷わず到着。荷物を渡してお金をいただき、依頼書にチェックしてもらい終了。
そして最後の依頼・・・
『見る』スキルで見た場所は完全に『Mond』なんだけど依頼書には違う名前が。
入口でウロウロしていたら掃除に来たリュリ君がピョコンと現れ、依頼書に気づき満面の笑みを浮かべながら私の手を取り裏庭に引っ張って行くと2つ小屋と言うか納屋と言う感じの建物があり、リュリ君が引っ張ったのは奥の建物。
ドアをノックすると中からの返事はやっぱりランジュさんだった。
「はーい!!ん?何でツバサち・・・あ!!依頼受けてくれたん?ありがとう。依頼の前に掃除の手伝いしてくれるかなぁ?」
どうしたらこうなるの?と言いたくなるほど部屋の中はヌルヌル塗れだった。
「『クリーン』」
指をパチンと鳴らし、カンスト間近の生活スキルを発動すると何と言う事でしょう。
あのヌルヌルだった部屋が新品の様にピカピカ・・・と某番組の様に心の声がナレーションしていた。
「いやー、助かったよ。召喚ミスってスライム暴発しちゃってこの様だよ。子供達来る前でよかった。それに俺生活スキル持ってないから」
カラカラと笑うランジュさんに冷たい目線をリュリ君と2人で向けた。
「ご迷惑かけました」とシュンと反省したのでよしとしよう。
「そうだ!依頼の読み聞かせ会の手伝いってランジュさんが依頼人でいいんですか?依頼者の名前が違っていたので」
依頼書をランジュさんに渡してランジュさんが依頼書をざっと見てクルクルと丸めた。
「俺であってるよ。ここらへんのシマのファミリーのボスに頼まれてたまにスラムの子供達に勉強教えたりしてるの、ボランティアで。読み聞かせ会はその一環」
胸元から取り出した伊達眼鏡をかけて左端の縁をクイッと上げて少しドヤ顔をするランジュさん。
「へー。そう言う事もしてるんですね・・・って?ファミリー?ファミリーってよく聞くのはこう・・・マがつく奴ですよね?ボスって言うとゴッドファーザー的な?」
国の暗部をやっていて、マフィアの組員ってこの人何者!?
「ファミリーは黒やる時に抜けたけど、うちのシマで寺子屋的なもの出来る奴居ないからOB的なので無理やり。ちなみにうちはゴッドマザーだな。元聖乙女で今は辺境伯の奥方の志玖 波瑠姫(しく はるき)って奴で、魔族領に近い領地の森で『狩りじゃぁ!』って雄叫び上げながら1人ドレス姿で大剣ぶん回して大型魔獣バッタバッタと倒しまくってんの」
今さらっと言ったけど元聖乙女これで4人目!!なんか元聖乙女ってある意味ぶっ飛んでる人が多いのかな?
「で、子供が好きなのは勇者物で結構借りたんだ。ちなみに、俺が好きなのは勇者とは微妙にジャンル違いかもしれないけど、北のジャルスライ帝国に伝わる異世界人と姫様のラブロマンス」
ランジュさんは貸本屋のバックから絵本を取り出したと同時に電話が鳴り響いたのでゆっくり腰をあげて電話をとると。
「はあっ!!今日は俺の担当日だぞ!何勝手に・・・まあ、明日から雨になるって言う話だからな。貸しひとつだから覚えとけよ!」
強めに切ると綺麗な頭を下げた一礼を私にした。
「ごめん。明日遠足の担当者が雨の予報出てるからって勝手に遠足今日にしやがって読み聞かせ会中止になりました。折角依頼受けてくれたのに。本当にごめんっ!依頼達成したってやっとくし。あっ、なんか奢るよ」
個人的には依頼キャンセルにならなかったらよしだし、奢りラッキーってちょっと気分上がり。
「いいですよ。だったら、ひつまぶし奢りで手を打ちましょうか。アチラでも食べたことないからね。あっ、勿論特上でゴ◯になりまーす」
朝、名古屋グルメ食べれなかったのが悔しかったから即決。
「ひっ!ひつまぶしか・・・男に二言はなし!奢ったるわ!まだ予約間に合うかな。ん?リュリどうした?これ読んで欲しいのか?」
ポケットから財布を出してなんとか足りたのか胸をドンと叩き食堂へ向かおうとしたランジュさんの服の裾を掴み、先程のおすすめ絵本をかかえたリュリ君が上目遣いでランジュさんを見つめる。
「しょうがないな、今の時間食堂空いてるから練習がてら読んだるわ。ツバサちゃんも一緒に聞いて」
ニコニコ笑顔のリュリ君の手を繋ぎ腕を振りながら食堂に向かうことに。
食堂に着くと、ランジュさんは真っ先にひつまぶしの予約。残り5分で締め切りだったから私もホッとしました。
「じゃあ、読み聞かせ『氷姫と守護騎士』始まり始まりー!」
休憩中のショコルさんや調理場のお姉様達も興味津々にランジュさんの読み聞かせを聞くことに。
絵本の内容は、北のジャルスライ帝国で伝わる異世界人と氷姫と呼ばれた姫との恋物語。
だんだん惹かれ合う2人だが、身分の差で結ばれることはない。異世界人は諦めかけたその時、神が加護を与え他国の暗殺者から指導を受けて彼は姫の守護騎士の地位までのぼりつめた。その頃、ジャルスライ帝国には魔王軍が侵攻して行き氷魔法使いである姫も戦場に駆り出され守護騎士と共に戦場を駆け巡った。
魔王との一騎討ちの前夜、2人は秘めていた思いを告白して両思いになる。
そして、魔王との一騎討ちに勝利した帝国軍が意気揚々と引き上げようとした時、瀕死の魔王は滅びの呪文を唱え人類は終わりだと思ったその時、守護騎士が最大奥義を唱え相殺し人類は救われた。
姫が守護騎士に駆け寄ると、彼は微笑み息耐えた。最大奥義は自分の命と引き換える物だった。
人類を守った彼と姫が余りにも不憫に思った神は、いつか平和な時代に2人が結ばれるようにと祝福を与えた。
ついでに、自分用のお菓子も別会計で購入。私の我儘で頼んだ駄菓子が入荷したってアツさんからメール来て楽しみにしてたんだよね。
依頼者の家までは『見る』スキルを使ったので迷わず到着。荷物を渡してお金をいただき、依頼書にチェックしてもらい終了。
そして最後の依頼・・・
『見る』スキルで見た場所は完全に『Mond』なんだけど依頼書には違う名前が。
入口でウロウロしていたら掃除に来たリュリ君がピョコンと現れ、依頼書に気づき満面の笑みを浮かべながら私の手を取り裏庭に引っ張って行くと2つ小屋と言うか納屋と言う感じの建物があり、リュリ君が引っ張ったのは奥の建物。
ドアをノックすると中からの返事はやっぱりランジュさんだった。
「はーい!!ん?何でツバサち・・・あ!!依頼受けてくれたん?ありがとう。依頼の前に掃除の手伝いしてくれるかなぁ?」
どうしたらこうなるの?と言いたくなるほど部屋の中はヌルヌル塗れだった。
「『クリーン』」
指をパチンと鳴らし、カンスト間近の生活スキルを発動すると何と言う事でしょう。
あのヌルヌルだった部屋が新品の様にピカピカ・・・と某番組の様に心の声がナレーションしていた。
「いやー、助かったよ。召喚ミスってスライム暴発しちゃってこの様だよ。子供達来る前でよかった。それに俺生活スキル持ってないから」
カラカラと笑うランジュさんに冷たい目線をリュリ君と2人で向けた。
「ご迷惑かけました」とシュンと反省したのでよしとしよう。
「そうだ!依頼の読み聞かせ会の手伝いってランジュさんが依頼人でいいんですか?依頼者の名前が違っていたので」
依頼書をランジュさんに渡してランジュさんが依頼書をざっと見てクルクルと丸めた。
「俺であってるよ。ここらへんのシマのファミリーのボスに頼まれてたまにスラムの子供達に勉強教えたりしてるの、ボランティアで。読み聞かせ会はその一環」
胸元から取り出した伊達眼鏡をかけて左端の縁をクイッと上げて少しドヤ顔をするランジュさん。
「へー。そう言う事もしてるんですね・・・って?ファミリー?ファミリーってよく聞くのはこう・・・マがつく奴ですよね?ボスって言うとゴッドファーザー的な?」
国の暗部をやっていて、マフィアの組員ってこの人何者!?
「ファミリーは黒やる時に抜けたけど、うちのシマで寺子屋的なもの出来る奴居ないからOB的なので無理やり。ちなみにうちはゴッドマザーだな。元聖乙女で今は辺境伯の奥方の志玖 波瑠姫(しく はるき)って奴で、魔族領に近い領地の森で『狩りじゃぁ!』って雄叫び上げながら1人ドレス姿で大剣ぶん回して大型魔獣バッタバッタと倒しまくってんの」
今さらっと言ったけど元聖乙女これで4人目!!なんか元聖乙女ってある意味ぶっ飛んでる人が多いのかな?
「で、子供が好きなのは勇者物で結構借りたんだ。ちなみに、俺が好きなのは勇者とは微妙にジャンル違いかもしれないけど、北のジャルスライ帝国に伝わる異世界人と姫様のラブロマンス」
ランジュさんは貸本屋のバックから絵本を取り出したと同時に電話が鳴り響いたのでゆっくり腰をあげて電話をとると。
「はあっ!!今日は俺の担当日だぞ!何勝手に・・・まあ、明日から雨になるって言う話だからな。貸しひとつだから覚えとけよ!」
強めに切ると綺麗な頭を下げた一礼を私にした。
「ごめん。明日遠足の担当者が雨の予報出てるからって勝手に遠足今日にしやがって読み聞かせ会中止になりました。折角依頼受けてくれたのに。本当にごめんっ!依頼達成したってやっとくし。あっ、なんか奢るよ」
個人的には依頼キャンセルにならなかったらよしだし、奢りラッキーってちょっと気分上がり。
「いいですよ。だったら、ひつまぶし奢りで手を打ちましょうか。アチラでも食べたことないからね。あっ、勿論特上でゴ◯になりまーす」
朝、名古屋グルメ食べれなかったのが悔しかったから即決。
「ひっ!ひつまぶしか・・・男に二言はなし!奢ったるわ!まだ予約間に合うかな。ん?リュリどうした?これ読んで欲しいのか?」
ポケットから財布を出してなんとか足りたのか胸をドンと叩き食堂へ向かおうとしたランジュさんの服の裾を掴み、先程のおすすめ絵本をかかえたリュリ君が上目遣いでランジュさんを見つめる。
「しょうがないな、今の時間食堂空いてるから練習がてら読んだるわ。ツバサちゃんも一緒に聞いて」
ニコニコ笑顔のリュリ君の手を繋ぎ腕を振りながら食堂に向かうことに。
食堂に着くと、ランジュさんは真っ先にひつまぶしの予約。残り5分で締め切りだったから私もホッとしました。
「じゃあ、読み聞かせ『氷姫と守護騎士』始まり始まりー!」
休憩中のショコルさんや調理場のお姉様達も興味津々にランジュさんの読み聞かせを聞くことに。
絵本の内容は、北のジャルスライ帝国で伝わる異世界人と氷姫と呼ばれた姫との恋物語。
だんだん惹かれ合う2人だが、身分の差で結ばれることはない。異世界人は諦めかけたその時、神が加護を与え他国の暗殺者から指導を受けて彼は姫の守護騎士の地位までのぼりつめた。その頃、ジャルスライ帝国には魔王軍が侵攻して行き氷魔法使いである姫も戦場に駆り出され守護騎士と共に戦場を駆け巡った。
魔王との一騎討ちの前夜、2人は秘めていた思いを告白して両思いになる。
そして、魔王との一騎討ちに勝利した帝国軍が意気揚々と引き上げようとした時、瀕死の魔王は滅びの呪文を唱え人類は終わりだと思ったその時、守護騎士が最大奥義を唱え相殺し人類は救われた。
姫が守護騎士に駆け寄ると、彼は微笑み息耐えた。最大奥義は自分の命と引き換える物だった。
人類を守った彼と姫が余りにも不憫に思った神は、いつか平和な時代に2人が結ばれるようにと祝福を与えた。
応援ありがとうございます!
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