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Are you feeling and being shaken?

閑話③ Inépuisable 前編

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カーテンを閉め忘れたのか、いつもより眩しい朝日に体が覚醒し、ベッドの上で軽めのストレッチして起床。
昨日色々あったからな、疲れて夕食も取らずにベッドにバタンキューしてそのまま寝落ち。

アウフォさんが他の人と居るのにモヤモヤと嫉妬しちゃうわ、木登りからの3m先の地面への飛び降り。そして、大量の魔力譲渡からのなんか国際問題案件。

「もう!動く!!」

悩んでも時間は経てもったいないから体動かそうとすぐに猫のイラストのTシャツに中学校で着ていたようなダサめの小豆色の体操着のスボンを着て久しぶりの朝ジョギングへ。
風は秋の風で走るのには丁度良い。
今日は表通りではなくて裏通りを行くことに。
『見る』スキルを発動させて地図を出す。
裏道はあまり行ったことないから一応向こうから持って来た十得ナイフをポケットに入れる。
ついでに帰りに貸本屋寄ろう。前に借りたやつはシュゼルちゃんに頼んで返してもらったからまた借りれる。

帰りの楽しみがあるので足取りも軽やか。変なのに絡まれもせずに無事に貸本屋到着。

店に到着すると、妙齢の男性はいなく上が少しダサめな紺色の体操着的な物を着込んだ女性があくびをしていた。

「すいません、勇者の本ってありますか?」

「あー。勇者の本は全部借りられてますよ。ランジュ・リヴァティーニさんって裏の『Mond』の人です。お得意さんでよく借りてくれる人ですね」

え?個人情報ってないの?と突っ込みたかったけど女性は奥に行ってしまったので本を借りる事もできずに店を後にした。
何故ランジュさんが絵本を借りるのか『Mond』に戻り渦中の人に聞いてみることに。

『Mond』に戻るとちょうど朝食の準備中で、ランジュさんにリュリ君も手伝い中だったのでもう少ししたらにするかと部屋に戻りストレッチをして汗をかきまたシャワーを浴びてスッキリついでにお腹すいた。
朝食の準備も出来てるだろう時間になり、スキップをしながら食堂へ。

今日のモーニングブッフェはなぜか名古屋飯。それもど定番。
小倉トーストに手羽先に味噌煮込みおでんに味噌カツ。きしめんに天むすとかなり豪華なので噂を聞きつけた近所の人も食べに来て混雑。
「特大エービフライにあんかけスパゲティに台湾ラーメンに味噌煮込みうどんは夜限定ですからね。ひつまぶしは要予約ですよ!」
厨房から何回もショコルさんが叫んでいる。質問する人が多いのかな。
厨房のお姉様が私に気付き「ごめん」と手を合わすジェスチャーしたのでわかりましたのマルを頭の上でして部屋に戻った。
途中で入口みたらズラっと並んでいてランジュさんが列の整理していた。
お腹も空いてるけどこの列に並ぶのはキツいから久しぶりにギルドのモーニング食べようかなと部屋に戻り、着替えとそのまま依頼に行く為の準備をして入口で整理をしていたランジュさんに一言言っといてからギルドに向かった。

冒険者ギルドに着くと『Mond』の混雑と違って閑散としていました。
エイロスさんも居ないので、モーニングどうしようとウロウロしていたら知り合いの冒険者の人からやり方を教わり無事にモーニングのエッグベネディクト食べられました。
紅茶飲んで落ち着いた所でさっそく依頼確認へ。

「今日は外にはあまり行きたくないんだよね。じゃあなんで依頼書見てんねんっ!!」

独り言をブツブツ言いながら依頼書を見る私は側から見たら異質で滑稽だろう。
「街系の依頼ないな・・・採取と討伐ばっかりだし。中見るか」
バイト(職員)の利点件違反行為。貼り出す前の依頼書を見ることが出来るんだよね。
なんで違反かは、オススメの依頼をこっそりと横流し出来るからだ。
昔、エイロスさんとリボルさんが長期出張時に貴族に買収された職員がそれをして戻ってきた2人にバレて・・・噂ではゲイリューン・メイバーに引き渡されて以下省略・・・

でも、例外が1つある。
住民からの依頼は貼る前でもギルド職員兼冒険者はやっていい。
何故かと言うと、それは余り冒険者はやりたがらなく『塩漬け』になりやすい案件だからだ。
『塩漬け』が増えると、住民達が冒険者や冒険者ギルドに不信感を持つ。
1番初めに私がやったのも『塩漬け』依頼だったな。
貼る前の奴より『塩漬け』ギリギリの方を

ちなみに、ギルドボードに貼られる依頼書の掲載期限は1週間で『塩漬け』でひと月保管。
今では職員が依頼書交付時に掲載期限が短い奴を優先的に勧めて『塩漬け』は減っているが、まだまだだ。

「『高齢者の買い物』に『役所の寮の洗濯物の作業の手伝い』と『宿屋の銀髪爆イケメンの盗撮』・・・ちょっと、これ許可得たの誰?後は・・・『読み聞かせ会の手伝い?』まさかランジュさんじゃないよ・・・な」
最後の奴を見て、朝の貸本屋のが脳裏によぎり、この3つの依頼書をリボルさんが居なかったので、古参の受付の人に頼んでおいた。
(勿論リュリ君の盗撮の依頼書の件もチク・・・報告しときました)
運良く依頼が直線上になったのでラッキー。
まずは役所の寮の洗濯物。
ファンタジーの世界だから魔法や洗濯板かなと思ったがコインランドリー並のでかい洗濯機が鎮座されていたのが驚いた。
依頼者らしい寮母さんが居たので依頼書を渡し手伝いへ。洗濯はちょうど終わるので、裏庭に干す作業を15分かけて終了。
寮だから洗濯物は大量にあると言うことでこまめに来てくれるとありがたいと。
これならFランクになりたてのペーペー冒険者にありがたい、金額も薬草収集より少し高めだし。リボルさんににお勧めって言っとこう。
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