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異能力との対峙

Chapter 15

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 強い雨は止む事を知らない。黒い雲から降り注ぐ大量の水は、町全体の音を濁らせていく。
ある廃屋の中に雨宿りをしている俺達は、無言のまま過ぎる時間を待ち、身体を休ませる。
風通しの悪い場所に二人は雨に濡れた状態のまま、床に座り込んで窓の外を見つめ、冷えた身体に気分は最低だ。
結局、セリアを助ける手段も思い浮かばない。アジトへ踏み込んだところで多勢に部材。
良い手段は無く、現状は絶望的。
俺を助け、ここまで連れ込んだ[[rb:東井 > とうい]] [[rb:明良 > あきら]]はというと、同じ様に座り込んだままボーっとしている。
部屋の中央にあるデカイ穴は、クレーターの様に地面まで伸びて、血だまりと死体を雨水が埋めてしまい不気味な雰囲気を放っていた。
少女。明良は、ゆっくりと横に座っている俺へと近づき、肩を寄せてきた。
「私は天使? それとも悪魔?」
「人間だろ……」
「あぁもう、そういう意味じゃなくてだね。 こんな力使ってる時点で、私達なんて人間と思われてなんかないよ」
そうかもしれないとは、俺も考えた事はあった。
今の自分ですら、人間だと言い張れるほどの自信は無い。
人は居質なモノを意味嫌う。自分より強いモノを人は悪魔と呼んだり、化け物と呼んだりもするだろう。
どれだけ覚悟をして彼等の為、正義の為に力を使っても、受け入れてくれる人は極わずかではないだろうか?
言うなれば差別だ。
「それでも自分が人間だと思うなら俺達は人間だ。それに 普通の人間にも能力が唐突に使える様になる可能性はいくらでも有るんだ。人間は皆 脳から微弱な電気信号が出ているが それが細胞を超振動させれば物体を粒子レベルで通り抜けられる事ができ、知らず知らずに放たれている脳波が強くなれば 電磁的振動により物体を動かす事もでき………」「待って待って、もういいよ。そういうの要らないからっ」
「つまりだ 俺は人としての心と感情が有れば人間だと思う。故に人間かどうかは自分で決めるんだ」
「そっか………」
会話が再び途切れて、雨の強い音が二人を包み込む。
寒い風に凍えない様に明良はぺったりと隣にくっ付いて離れようとはしない。
薄暗い空間の中で寒さに堪え、どうにもならない現実に目を反らさない様に二人で支え合う。
「なんか、兄ちゃんにそっくりだよ。人間じゃないかは自分で決めろって 昔に言われてさ」
「…………いいや、俺とその兄はそっくりじゃない。 明良は人の心に入り込む才能が有る 俺から見れば明良は天使みたいに見えるよ」
「な、何それ……つまり私は天使の様に可愛いって事かなぁ? そんなこと言っても何もあげないぞ☆」
頬を赤くしながら顔を反らす明良に、ふと微笑みが浮かべる。
ムードメーカー気質なんだ。場の和みと共に、俺にも一つ考えが浮かぶ。
これからの事…………もう一度ヤツ等の元へと戻る。
一度は流れで逃げてきてしまったが、俺は俺の為に戦わないといけない。
それにこれ以上能力者を野放しにして、この街を荒らされたくなかった。
「でも思い込みと自画自賛が少し過ぎてる」
「何さぁ! 天使みたいって言ったのアズマでしょーが」
声を高くして興奮気味に言う言葉に対して顔は微笑んでいた。
まだ出会って数十分だというのに、この子は元気で、まるで友達と接している様な顔を見せる。
こういう人間は、能力者やそうでない人すら[[rb:隔 > へだ]]たりなく照らしてくれそうな気がした。
もう、留まることは止めにしよう。
自分の意思を固めて、自分一人だとしてもヤツ等の集っていた場所へ向かうと決め、立ち上がろうと手を地面についた。
床の冷たさと湿気が指先から手の平全体に伝わり、同時に誰かの歩いてくる ピシャピシャという音が聞こえてきた。
敵かが階段を上がってきているというのは音を聞けば理解できる。
明良もそれに気がついたのか、口を開こうとするのに対して、俺は自分の口元に人差し指を立てて近づけた。
とにかく静かにしていろと、黙りながら彼女へと伝える。
次第に近くなり大きくなる足音に、心臓の鼓動がバクバクと体内を抉る様に脈が強まり、緊張が呼吸を乱す。
敵が来ているのかも分からない。
只、足音が一人ではないのは足音でハッキリと理解できる。
会話も無く、足音だけが響いてくるのは、余計に二人の不安を煽った。
気がつけば壁の向こう側を歩いている足音は、向いにある窓際の廊下から、こちらへと入ってくる影に立ち上がろうとした。
嫌な予感と同時に殺気が飛び込んでくる。
視界に一瞬だけ映った紫色の長い髪の毛が揺れる姿は、大きな炸裂音と共に消え、腹部へ激突した物理的な痛みが襲い掛かる。
「げふっ………!!」
自分の動きが遅かった事は、今の一撃で分かった。
相手の持っている鞘の納めた刀で殴られたらしく、斬られてはいないものの、その痛みは絶大だ。
敵からの攻撃に備えようとした時には遅すぎた。飛びそうになった意識が戻り、視界に映る今の現状を把握しようとする。
すっと流れるような動きで、くるりと回りながら鞘に納めたままの刀を背中へと移動させて長い髪の毛に隠す様に装備し直している。
目の前にいる小柄の少女の姿には目を疑った。頭には猫? 狐? 動物の耳と尻尾が有るように見えるが、カチューシャの飾りではなさそうだ。
「アズマ!」
明良の声は嫌に焦っていた。そのせいか、一度自分の腹を確認してしまう。
切り傷も無ければ血も滲んでいない。大丈夫だった。
横から肩を掴んだ明良は、心配な表情を一瞬で切り替えて、ケモミミ少女へと視線を向けて睨みつける。
和服を改造したような服装で、耳をピクリと動かして視線を俺と明良から離す。
複数聞こえてきた足音。その主が姿を現した。
部屋へ入ってくる黒スーツの男に、俺は顔見知りだ。
片手に傘を三本も持って、顔は凛としている。
立っていても様になるイケメンだ。
「貴方は、確かボディーガードの」
「黙ってろデスよぉぉぉ!」
ケモミミ少女は威勢よく言い飛ばしてきた。
なんだか挑発的で、あまり好きではない分類のヤツだと分かる。
明良はというと、様子を見ているようで横にくっ付いて俺の袖を握ったまま固まってしまっていたが、相手も相手だ。
敵には回したくは無い相手で、その男は溜息を一つして口を開く。
「……いきなり攻撃はするなと言ったはずだぞ カレンチナ?」
「刃は出してませんデスよぉ それに、コイツも何かしようとしてたのでぇ 正当防衛ってやつデス主!」
「…………分かった 少し静かにしていてほしい」
彼の言葉に、「ふむ」と頷き黙り込むと ぬっと頭から姿を出す朱里。
セリアの部員の一人が、ジト目で彼の背中姿を見て、更にゆっくりと彼の元へと近づいて行く。
ボディーガードはまだ行っているみたいだけど、彼は何か別の事にも首を突っ込んでいるのではないかと、妙に気になる。
それ以前に、なぜ俺のいる場所が分かったのだろうか? 偶々通りかかって雨宿りに来たわけではないだろう。
「能力者達が騒がしい。何がどうなっているか聞きにきた」
彼は特に感情を見せない様に、冷えた感じで言ってくる。
「どうやって俺の場所を?」
「この間の手合せ、その時に発信機をつけた。念のために、な」
隣にいる明良が俺のジャケットを着ているわけだが、良く見ると袖に小さなボタンのようなものが引っかかっている。
してやられた感は有るが、彼は何故俺の場所まで来て話を聞きに来たのか、それは会話で聞いたが早いだろう。
外の雨は凄く強く、彼は部屋に広がっている穴の方へ視線を向けた。
「またずいぶん派手に」
「それは俺じゃなくて この子さ」
「……買い物の時間が有るから要件を言う。それについて話してくれればいい 何故能力者が外をふらついているのか、それとアズマ。君の状況も聞きたい」
彼の後ろでプンスカと頬を丸くしている少女の姿と、カレンチナと呼ばれていたケモミミ娘がボーっと突っ立っているシュールな光景に、なんとなく納得がいかなかった。
もはや人間では無さそうなソレに、何と感想も出ない。
とにかく、彼の言った事に対して答えを返そう。
「外を出回ってる能力者は、たぶん俺を追っているか、有力な能力者を集めようとしているんだと思う。 俺は人さらいを行ってる組織のボスに会ったんだけど、セリアが捕まった」
「あの少女が、さらわれた……? ヤツ等そんな話はしなかった」
「ヤツ等?」
「あぁ、お前を追っていた能力者を二人片づけて 少し言いなりになってもらった」
つまり、拷問だったりを行ったのだろう。
その二人の能力者は、おそらくパシリのようなもので、あの店にいたヤツ等とは考えにくい。
少し考え込むアズマに、付け加える様に口を開く。
「俺も同行させてもらう」
「え………?」
「ただ休暇の為に日本へ来たわけじゃない」
「そっか、助けてくれるって事でいいのかな。 宜しく、えっと……」
「グリムだ。皆そう呼ぶ」
相手から差し出して来た手に、俺は意外だと感じた。
何も考えずに接触してきたわけではないはず。死神の名で世界を移動している彼は、ずっと戦ってきたはずだ。
俺の手なんか借りなくても、一人で事を済ます事だってできるだろう。
でも、彼と協力してセリアを護る事ができるなら、俺は何だってするつもりなんだ。
ゆっくりと差し出された手を握り、握手を交わす。
グリムは少し微笑んだ様に見えたが、二人が手を離すと朱里の方へと向き直る。
元々はボディーガードが彼の任務だというのは、先日から分かっていたが、仕事を掛け持ちするのは本来なら絶対にしない事だろう。
彼は許しを得る様に朱里へと言う。
「引き受けてもいいか? もちろん君も護る」
「ボクも連れて行くって事だね。本当に私を護りながら行動できるの?」
「……そのつもりだ」
「随分な自信だね。でも、セリアが捕まってるっていうのは少し引っかかるんだけど………」
その台詞は妙な感じだったが、今はとにかくこのメンバーでヤツ等の元へ行くしかないだろう。
まだ雨に濡れて冷える中、グリムはカレンチナへ「街の見回りを頼む」と傘を渡しながら言い。
それに従い、先に出て行くケモミミ少女。
部屋の中に残されたのは四人で、グリムは朱里を連れながら行動するのはいい。
俺の隣には、まだ明良の姿があった。
彼女は部外者。俺に付いて来てもただ巻き込まれてしまうだけ。
ふと明良へ視線を向けて見ると、何だか元気そうな晴れた表情をしている。
「しょうがないね~ 私もアズマのお手伝いしてあげるよぉ。やっぱり私っていい女ぁ」
「最後の言わなければな。それより、ありがとう としか言えないけど、助けてもらった借りもあるから今度 家に招待するよ」
「えっ 本当? ごちそうとか出されちゃったりして…!?」
明るい彼女を含めて、四人か………
敵は俺達よりも大人数の可能性は大で、皆能力者だろう。
穏便に事を運ぶ事はできないかもしれない。死体の山を作るのだけは避けたいが、そういうのは彼の得意分野のはずだ。
俺はとにかく、セリアを助ける事だけを考える。
協力してヤツ等の場所へと一方通行に叩き込むんだ!



 品森区の中心辺りに位置する大きなデパート。 黒い雲の空のせいで雰囲気も暗く、電気に照らされる建物の中は、店員や客達の動きには活気が有るように思える。
湿気は私達の身体からは中々抜けないもので、あまりいい気分ではなかった。
逃げるようにデパートへ来た私と日向の前に、その女は現れた。
私の知り合いではない女は、木刀でも居れているのか長いモノに布を被せてベルトで縛って肩にかけている。
日向も凍り付いたように その場から動かない。
敵、なの?
次第に女の方から こっちの方へと歩み寄ってきていた。
蛇に睨まれた蛙の様になっている日向の前に、私は横から割り込む様に立つ。
「貴女は、日向の知り合い?」
「……もちろん知り合いですよ。一応 彼は[[rb:従兄 > いとこ]]ですし。 私は柵に用事が有るだけなので、できれば引いてもらえませんか」
「危害を加えないというのなら、日向と話してもいいわよ」
「おいおい、勝手に話しを進めるなよ [[rb:魔夜 > マヤ]]」
慌てる様に後ろから言ってくる日向に、魔夜は溜息を一つ。
知り合いだと言っている女は、どうも殺気立っている様子で、その心の思念が妙に流れ込みにくい状態になっていた。
自分自信の心を読む力が通用しない相手は初めてで、まるで相手が何も考えていないようにも感じる。
落ち着きの有る正常な状態にも思えるが、それは何も考えていないわけでもない。
妙な気分だった。
私から突っ込んだ話だったが、日向と交代する様に場所を譲る。
彼の横へ並んぶと、後は日向が自分で口を開いた。
「それで、用事ってのは?」
「私の家に変なヤツ等が来た。もしかしたらと思って柵宅へ向かうと、不審人物が見えたので貴方との接触に迫ったといった感じです」
「もしかしたら、ってのはどういう事だ?」
「聞いた話しによると、彼等は能力者を集めてるとか……そんな事を言ってました」
「まさか、倒したのか………」
一度頷いて返してきた彼女に対して、日向は深刻そうな表情をした。
今の話しからすると、能力者を狙っている集団が日向を私を捕まえに来たって感じかもしれない。
私もあの時アズマに助けられなかったら、今はその集団に居たかも分からなかった。
能力者を手あたり次第探して、捕まえているようなヤツ等なら、寺へ奇襲をかけたヤツ等の目的も分かる。
「私は襲われたんですよ。なので手厚く出迎えてあげました。 もちろん力も使って」
「とにかく報告は有りがたいが、俺達どうするよ?」
行き場を無くした私達は、日向が聞いてきたように、どうするのかを考えないといけない。
これから何処へ向かって何をするのか。
もちろん寺に戻るという選択肢は無しで、どこか本拠地になる場所なんて無さそうに思えた。
何か、何かいい場所。いい場所……?
あっ…………
「日向、アズマの家なら」
「そういやそうだな。アイツの家なら要塞変わりになりそうだ!」
答えは決まった。ここにいる三人は皆 能力持ちだ。
アズマとセリア、美鈴を含めて6人の能力者が集まる事になる。
それに彼の家には能力持ちが来やすい。
仲間と言えるかどうか怪しい人物もいるけど、自分達の身を護る為に協力はできそうだった。
笑顔を見せた日向に続き、「なるほど」とアズマの事を知っているのか彼女も名案だと思っているようだ。
三人 皆が同意して、私達はアズマの家へ向かう事になった。
迷惑かどうかは行ってみなければ分からない。
私達には、私達の最善の策が必要だ。



 雨の降り注ぐ中を、水溜まりをぺしゃぺしゃ踏みながら、青色の長靴に白に水色のラインのあるレインコートを羽織り、透明なビニール傘を片手に歩いて行く女の子。
頭に被っているフードにはウサギの耳の形をした飾りがついていて、ふらふらと両耳を揺らす。
降り止む事のない雨は勢いを増し、走る車が通り過ぎる度に水の音が増える。
一人でひたすらにぺしゃぺしゃと歩み進んで行く。
雨音に混じりながら、無表情な人形の様に見える彼女は、散歩でもしているようだ。
「あ………」
向い側から歩いてくる犬の姿に、美鈴は立ち止り見つめた。
オッドアイを向けて雨に濡れながら歩いてくる姿に、ジッと見入っていると、犬は目の前まで来て止まる。
「……ハゲてないお坊さんちの 確かイリコ」
凛々しい表情をしたイリコは、ミスズに首を傾げる。
「一緒に…アズアズ探す?」
小さく一吠えしたイリコは、美鈴の隣へとぺたぺたと移動した。
そんな賢い犬の姿でもミスズは感情の色が溢れ出ているのが見えているのだった。
薄いオレンジ色に見えるソレに、ふむふむとミスズは頷く。
仲間を増やして、街中を再び歩き進める。
雨雲で暗くなっている辺りの背景を一人と一匹が歩く。
品森区へと向かう大通りを一直線に進んで行くと、すっとした体系の知人にミスズも顔を見合わせる。
あっと気がついたのか、傘をさしている[[rb:梓 > あずさ]]が口を開けてぽかーんとしていた。
足を止めた美鈴の方まで歩み寄ってきて、彼もイリコと同じ様に薄いオレンジ色を放っている。
「あれっ ミスズちゃん? 一人で御散歩なんて珍しいね」
「………イリコと似てる」
「イリコって、俺っち犬じゃねーし。てか お前また兄貴んちから出て一匹旅?」
傘が雨を弾く音が声を少しばかり小さくされ、相手の会話に耳を傾けさせる様に感じる。
犬のイリコの方へと見て言うアズサに、ジト目で顔を見上げてミスズは口を開く。
「イリコも……一緒に探してる」
「何を?」
「アズアズ………」
「あぁ~、アズマにーちゃん探してるのかぁ 俺もついてくよ。いいよな?」
「うん…………イリコはどう思う?」
ジト目で真剣な顔をして、意見を求める為に視線を向けたのはイリコの方だった。
イリコは一度吠え、美鈴は「うん……」と頷き、再びアズサの方へと振り向く。
どうするかを決めた彼女の姿を見て返事を待つ。
「イリコと一緒だから………どうでもいいかも」
そう言いながら通り過ぎようと、アズサの横を通りイリコも歩き進むミスズの後を追う。
えっ!?と内心驚きながらイリコと美鈴の姿を二度も見返して、今の流れなら自分もパーティに加えてもらえると思ったのに、チームの輪からハブられてしまう。
後を追い駆けるようにして、通り過ぎて行くミスズの後を追い駆けて、傘を揺らしながら手をわたわたと動かしながら言う。
「待って待って 待ってって、俺も連れてってよ」
「どうでもいい…」
「じゃ、じゃぁ勝手に付いてくよ?」
こうして美鈴 率いる アズマ探しのパーティが[[rb:揃 > そろ]]った。
個性的な二人と一匹は、雨降る水音の響く街の中を進んで行く。
向かうは品森区。
霧坂区のすぐ隣にある区の方へ繋がる大通りを皆で歩み進む。
夕方になった街の中は、既に雨雲が下がり夜の様に喰らく、街灯は点々とつきはじめ、直ぐに夜へ変わろうとしているのも体感的に解りはじめる時間帯へと変わろうとしていた。
皆が思い思いに動き始めて、目的のために活発的になっていくのだった。


 
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