現代に生きる勇者の少年

マナピナ

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5章 勇者と魔王

第55 信頼✕新装備

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 美樹と並んで歩く胡桃は彼女の異変に気が付いていた。

「美樹さん、魔王様とは良い話出来ませんでしたか?」

「そんな事ないわ、私自身覚悟を決めてたの・・・」

「それなら良いのですが」

 今思えば何故本当の事を誰も教えて来れなかったのだろうか?

「胡桃、もしも圭介や智花さんが凄く大事な事を、私に内緒にして隠してたらどう思う?」

「そうですね・・・あのお二人でしたら考えが有っての事であり、美樹さんの為にだと思いますよ」

「そっか、そうだよね」

 私は何を疑っていたのだろうか、もし騙されてたとしても圭介と智花さんなら構わない、今までそれだけの事をして来てもらったのだから。
 もうすぐ夏休みに成る、まずは箱根の魔族が私のデビュー戦かな、圭介に色々教わらなきゃ・・・。




 智花の事務所では皐月が新しい装備を完成させていた。

「このシューズは圭介が作ってくれた風の魔石を使ってるの」

「へえー」

「へーって、貴方2つ以上同時にスキル魔法使えないでしょう」

「なるほど、これを履けば姿を消したまま高速移動やジャンプが出来るのか」

「そうよ、私達も圭介並に早くはしれるしね」

「皐月は凄いな」

完成したシューズを抱きしめて顔を赤く染める皐月は、恋する乙女の様であった。

 そんな2人に気も使わず智花が呼ぶ。

「2人とも胡桃は何処に行ってるか分かる?」

2人揃って同時に首を振る。

「これで2日目よね、何かあったのかしら?」

「余程強い魔族にでも出会わなければ大丈夫だと思うけど、あれでも中級で上位の実力あるからね」

「それなら良いけど・・・」

 智花は拭いきれない様な心配が全身を覆っている事に冷や汗をかくほどであった。


日も暮れ始めた頃、美樹と胡桃が事務所へとやって来た。

「ただいまー」

「圭介さん、只今戻りました」
 
『おかえりー』

3人の声が笑顔でハモった、それだけ安心したのだろう。

早速皐月が新装備のシューズを見せて説明を始めてる。

「すごーい、ありがとう皐月」

「胡桃のもあるからね」

「ありがとうございます、これでさらに圭介さんのお力に成れます」

「アハハハ」

苦笑いをする圭介を美樹は、真剣な表情で見つめて居たのである

「圭介、良い話をしてる所悪いのだけど聞かせて欲しい事があるの」

「うん、何かな?」

「今日ね、絵里に招待されたから胡桃の案内で会って話をして来たわ」

智花・圭介・皐月までもが真剣な表情に戻った。

「そっか、まずは全員座りましょう」

「そうね」

皐月が一番近い所へ座った、何時もは圭介の横に座る美樹だったが、今日は向かい側に腰を降ろした。

「美樹、話を始める前に信じて欲しい事がある、俺や智花さんは嘘を付かないで疑問に答える」

美樹は頷いた。

「ただ、美樹に取っては過酷な現実に成ると思うけど覚悟は出来てると思って良いんだよね?」

この事務所に越してきて初めての張り詰めた緊張感が、部屋を包み込んでいる。

「覚悟は出来てる」

「わかった、まずは美樹の話から聞こうか」

場の空気を察したのか、胡桃は自分から率先して夕食の買い出しに出かけたのであった。


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