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5章 勇者と魔王
第60 執行✕落ち込み
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洋館の中は予想よりも良い雰囲気に作られていた。
高価な家具に調度品、来客が来ても監獄だとは思う人もいないだろう。
「本来でしたらお持て成しをしたい所ですが、直ぐに地下牢へと向かいたいと思います」
「構わないよな?」
「う、うん」
圭介の問に力なく答える美樹。
広間を抜け廊下に有る1つの扉を開けると、地下への階段が現れた。
「ここには何人収容されてるの?」
「今は12名ですが、今日で9名に成る予定です」
美樹が3名執行する事に成るのか、さて無事に出来るのか心配はあるな。
階段を降りると通路の両側に5つ、合計10の牢屋が配備されていた。
「一番奥からお願いします」
そう言うと高級魔族は通路の一番奥まで進み振り返った。
牢屋の鍵を開けると扉を開き美樹を促した。
「2周間前に小学校で、9人の人間の子供だけを狙い殺した魔族の子です」
美樹の後に続き男性が入り、魔族の子を猿轡から開放する。
「両手と両足はしっかりと固定されてますので安心して下さい」
美樹は頷くとアイテム袋から剣を取り出した。
男性は無言のまま牢屋から出て来た、
「美樹、開始して良いよ」
圭介の言葉が届いて無いような表情で、足を震わせている。
「お姉さん、僕は確かにいけない事をした、でもねママは人間の通り魔に殺されたんだよ」
「・・・」
「同級生は気の毒に思うけど、犯人には近づく事も出来ないし、この怒りは何処にぶつければ良かったのかな?」
「・・・」
「ねぇ、黙って無いで教えて欲しいな」
美樹は剣を降ろし魔族の少年に近付いて行く。
「美樹さんは大丈夫でしょうか?」
「きっと乗り越えるさ、勇者の資格を持っているのだからね」
美樹は魔族の少年が流す涙を拭い話しかけた。
「因果応報、復習は復習を呼ぶ、仕方が無い事だと思う。
でもね私は自分の罪を受け入れながら、世の中を平和に導いて行くわ」
美樹は涙ながらに魔族の少年の喉に剣を差し込んだ。
「ごめんね、私を恨んで良いからね」
剣に付いた血痕を振り払うと振り返り牢屋を出て来た。
そこから2名は躊躇なく死刑執行をこなしたのであった。
全て低級魔族だったけど少しは浄化の気も溜まっただろう。
「これで完了です、ご苦労さまでした」
男性が美樹に対して頭を下げるが、美樹は脳裏が混乱し反応する事は無かった。
帰りの電車の中では車窓を見つめたまま微動だにしない美樹。
美樹なりに心の中で折り合いを付けようと戦っているのだろう。
ただ間違った解釈だけはしないで欲しいものだ。
「私は勇者としてやって行けるかな?」
「大丈夫だよ、俺も後5年はこの世界にいるしな」
「そうだね」
電車に乗って初めて笑顔を見せた美樹だった。
「美樹が落ち着いたようだから、駅に着くまで大事な事を話しとくよ」
勇者の力を間違った方へ使わない様に伝えとかねば成らない事があるのだ。
高価な家具に調度品、来客が来ても監獄だとは思う人もいないだろう。
「本来でしたらお持て成しをしたい所ですが、直ぐに地下牢へと向かいたいと思います」
「構わないよな?」
「う、うん」
圭介の問に力なく答える美樹。
広間を抜け廊下に有る1つの扉を開けると、地下への階段が現れた。
「ここには何人収容されてるの?」
「今は12名ですが、今日で9名に成る予定です」
美樹が3名執行する事に成るのか、さて無事に出来るのか心配はあるな。
階段を降りると通路の両側に5つ、合計10の牢屋が配備されていた。
「一番奥からお願いします」
そう言うと高級魔族は通路の一番奥まで進み振り返った。
牢屋の鍵を開けると扉を開き美樹を促した。
「2周間前に小学校で、9人の人間の子供だけを狙い殺した魔族の子です」
美樹の後に続き男性が入り、魔族の子を猿轡から開放する。
「両手と両足はしっかりと固定されてますので安心して下さい」
美樹は頷くとアイテム袋から剣を取り出した。
男性は無言のまま牢屋から出て来た、
「美樹、開始して良いよ」
圭介の言葉が届いて無いような表情で、足を震わせている。
「お姉さん、僕は確かにいけない事をした、でもねママは人間の通り魔に殺されたんだよ」
「・・・」
「同級生は気の毒に思うけど、犯人には近づく事も出来ないし、この怒りは何処にぶつければ良かったのかな?」
「・・・」
「ねぇ、黙って無いで教えて欲しいな」
美樹は剣を降ろし魔族の少年に近付いて行く。
「美樹さんは大丈夫でしょうか?」
「きっと乗り越えるさ、勇者の資格を持っているのだからね」
美樹は魔族の少年が流す涙を拭い話しかけた。
「因果応報、復習は復習を呼ぶ、仕方が無い事だと思う。
でもね私は自分の罪を受け入れながら、世の中を平和に導いて行くわ」
美樹は涙ながらに魔族の少年の喉に剣を差し込んだ。
「ごめんね、私を恨んで良いからね」
剣に付いた血痕を振り払うと振り返り牢屋を出て来た。
そこから2名は躊躇なく死刑執行をこなしたのであった。
全て低級魔族だったけど少しは浄化の気も溜まっただろう。
「これで完了です、ご苦労さまでした」
男性が美樹に対して頭を下げるが、美樹は脳裏が混乱し反応する事は無かった。
帰りの電車の中では車窓を見つめたまま微動だにしない美樹。
美樹なりに心の中で折り合いを付けようと戦っているのだろう。
ただ間違った解釈だけはしないで欲しいものだ。
「私は勇者としてやって行けるかな?」
「大丈夫だよ、俺も後5年はこの世界にいるしな」
「そうだね」
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「美樹が落ち着いたようだから、駅に着くまで大事な事を話しとくよ」
勇者の力を間違った方へ使わない様に伝えとかねば成らない事があるのだ。
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