現代に生きる勇者の少年

マナピナ

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5章 勇者と魔王

第59 デート✕洋館 

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  週末の日曜日、圭介と美樹は始発の電車に乗っていた。

「私は街に行きたいと言ったんだけどな?」

「でも目的は浄化の気でしょ?」

ウトウトしながら答える圭介。

「そうだけど・・・」

「街に行っても簡単には貯まらないから、胡桃にお願いして絵里から、ある場所を提供してもらった」

そう言うと完全に寝落ちした圭介だった。

「・・・」

 私はデートも兼ねてだったのにな、圭介は真面目すぎる所が有るのよね。

1人取り残され電車に揺られる美樹は、不機嫌な顔を隠そうとはしなかったのである。


1時間後に電車は終点の高尾に着いた。

「圭介、圭介終点に着いたわよ」

美樹に揺らされやっと目をさます圭介。

「もう着いたのか・・・」

立ち上がるとホームから改札への階段を登り始める後を、美樹はただただ不安そうに後を付いて行くのだった。

 改札を出ると1台の高級車が停めてあり、身なりの良い紳士が圭介に礼をしてから後部座席の扉を開けた。

「お待ちしておりました、圭介様、美樹様」

「わざわざすいませんね」

「お気になさらず、エリエール様から丁重にご案内するようにと言われておりますのから」

「圭介、そろそろ何処に行くのか教えてよ」

「それは私から」

男性は車を走らせながら説明を始めた。

「申し遅れましたが、私は番(ばん)と申します、今向かって居るのは魔族の監獄であり、私の仕事場でもあります」

「その名のままだね」

圭介は面白そうに話を返した。

「そうでございますね、美樹様には今月死刑予定の魔族を私共の代理で行って頂きます」

「え、ええ?」

「エリエールとしても、美樹には早く勇者としての役目が出来る様に成って欲しいのさ」

「急に言われても・・・心の準備が・・・」

「地球は良い方だよ、他の世界なんて勇者が自ら犯罪者を探すのが普通なんだから、有り難く行為に甘えないと、今更心の準備も何も無いでしょう」

「そうよ、そうよね」

言葉だけは気合の入ってる美樹であった。

 楽しいデートのはずだったのになぁ・・・




 車で約30分、大きな洋館の車寄せに2人の乗った車は停止した。
出迎えの男性達が後部座席の扉を開けてくれる。

「ありがとう、高級魔族の次は中級魔族達か、余程厳重なんだろうね」

車を降りると扉を開けた男性に話しかけた。

「はい、ここの囚魔は死刑囚ばかりが投獄されておりますので」

「寿命の長い魔族に無期懲役は無いから、死刑囚も人間より多くなるんだよね?」

「圭介様の言う通りでございます」

「それではご案内します」

運転席から降りてきた高級魔族の男性が先頭に立ち、屋敷の中へと入って行ったのである。

圭介は余裕があるものの、美樹は圭介の腕を離す事無く付いて行くのであった。


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