現代に生きる勇者の少年

マナピナ

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5章 勇者と魔王

第58 手合わせ✕武器改良

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 本日は地下練習場で圭介が美樹の指導をしている。

「それじゃ駄目だよ、右足に体重が乗ってない」

蹴りで飛ばされた美樹にダメ出しが出される。

「よーし、今度は私の番よ」

立ち上がると圭介に走り出し、上段蹴りを繰り出す。

「甘い」

圭介は左手で顔を守る。
美樹の蹴りが当たる瞬間に青い光のバリアが発動し蹴りは弾かれるのであった。

「次」

圭介の拳が美樹のお腹にめり込む・・・。
身体強化の効果が切れうずくまる美樹が苦しそうに文句を言う。

「そのバリアは何よ、圭介だけズルくない?」

「これは防御する時、好きな場所に発動出来るんだ、浄化の気が溜まってれば広範囲を包む事も出来るよ」

「私は浄化の気が溜まって無いから使えないって事ね」

「まぁ、普通の魔族相手なら必要無いけどね」

それでもやる気のある美樹的には納得が行かないのであった。

 
 2時間後には身体強化を使う力も無くなった美樹。

「今日はもう無理」

「初日にしては良くやったと思うよ」

「因みにだけど、魔族は今日の圭介より強いの?」

「強いよ」

「そっか、まだまだ頑張らなきゃだね」

マットの上に清々しい笑顔で大の字倒れる美樹だった。



 シャワーを浴びて事務所に戻った2人。
皐月が待ちわびてたような勢いで圭介に駆け寄ってきた。

「圭介、貴方の使ってる武器を全部貸して頂戴」

「武器を?」

皐月の話では俺の浄化気を液体にし武器に染み込ませる事に寄って、性能を上昇させる事が出来るらしい。

「早く私の部屋に来て」

「皐月、私の武器は?」

「貴方の浄化が溜まったら作って上げるわ」

ここでも落ち込む美樹であった。

 皐月の部屋で一番多きな机の前に立った圭介は深呼吸をしてから剣を呼び出す。

「我が手に・・・」

「そう言うのいらないから、さっさと出してくれるかな」

「はい・・・」

アイテム袋の武器を全て出し終わると、皐月の部屋を追い出され、事務所のソファーに座ると圭介はボヤいた。

「皐月は遊び心が分かって無いんだよな」

それを聞いた3人は首を傾げるのだった。

「所で圭介、今度の週末は何処かに外出しない?」

美樹はきっと浄化の気が欲しいのだろう・・・。

「簡単に溜まるものでは無いけど良いの?」

「うん」

こうして週末は、美樹とパトロールと言う名のデートに出かける事と成ったのである。



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