私立 悪役学園へようこそ!

てぃー☆ちゃー

文字の大きさ
48 / 84
わくわくのダンジョン研修

第47話 わくわくのダンジョン研修 21

しおりを挟む
 相変わらず連続して聞こえてくる銃声と、無駄に高い火力で迫りくる巨体の虎を吹き飛ばして安定したダンジョン攻略を進めています。

「もうすぐ40層のボスだな」

 破面ライダーバレットこと弾君の呟きに私とゆかなさんは頷きます。

 31階層から35階層までは植物モンスターのお祭り、36階層から40階層に入ると夜行性の動物型モンスターも混ざってなかなかの賑わいを見せていました。
 弾君が引き金を引きすぎて指が痛いと何度か言っていたので回復魔法を使ったのと、姿の見えない敵を炙り出す以外には魔法は使っていない気がします。
 ゆかなさんも、敵が真横でリポップしてきた時にハンマーを振るうくらいで戦闘に参加はほとんどしていませんでした。
 その時のハンマー捌きは目を見張るものでしたので、ゴールドの冒険者というのも納得です。
 
 そんな事を考えていると、40層のボス部屋の扉が見えてきました。大きな木の根元に隠されています。
 扉に入り休憩室を経由。一休みしたいという弾君は変身を解いてお茶をしています。

「今日はイベントをやっているらしいのです」
「イベントですか?」

 ほとんど歩いているだけだった私たちも、ゆかなさんが持っていたお菓子を片手に椅子に座ってお茶を食べています。

「ようやく到着っと、お? 先客か」

 そんな会話をしていると、真っ黒な鎧姿の男が休憩室へと入ってきます。

「おお、ジークです! 今日はこっちなんです?」
「『無限鉄槌』か。お前が浦安を離れるなんて珍しいな」
「でも学校から見るとこっちの方が近いですよ?」
「や、お前の学校がどこだか知らねえが…」

 そこで男が私の顔を注視します。

「お前…生きてたのか!? こんなところで会えるとは」
「突然ご挨拶ですね、どなたですか?」
「オレは浦安のダンジョンを根城にしてる『黒角騎士団』所属の冒険者、ジークだ」
「はあ」
「5年前だったか、合同でボス倒しただろ。あの時は世話になったな」

 浦安で倒したボス…あの超巨大怪魚ですか。あの時に組んだメンバーの一人だったのですか。

「知り合いです?」
「すいません、あまりに大人数でしたので…」
「あー、当時オレはシルバーだったし目覚ましい活躍もしてなかったからな」
「今もそんな感じです」
「今はゴールドだ! つかお前はなんでも自分基準で考えすぎなんだよ」

 巨大な剣を背負っているその男が呆れたような言葉を言います。

「…興味あるな、こいつとどんな冒険したんだ?」

 一心地ついたのか、弾君が会話に参加します。

「集団でパーティ組んだときというと、ディメンションスイマーの時でしたっけ」

 浦安の海ダンジョン、80層のボスですね。あいつの魔石が私の欲しいアイテムでした。
 6人以下でボス部屋に入るとディメンションフィッシャーというボスが出てきて、7人以上でボス部屋に入るとディメンションスイマーが出てくる特殊なボスルームでした。
 あの時はそれを知らなくて何度も何度も何度も何度もディメンションフィッシャーを倒しまくって…それを知った時の絶望感と言ったらもう。

「その時なんだがな、合計6パーティで総勢40人でボスに挑む予定だったんだ」

 そういえばとんでもなく大人数でしたね。

「ボス部屋前で合流だったんだが、道中にユニークボスに遭遇してな。その時に全滅しかけたんだ、その時にこの子に助けられたんだ」
「あー、いましたいました。でっかい空飛ぶクラゲのボスに捕まってた人たちでしたか」
「そうそう、あの時は世話になったな」

 私に頭を下げて当時のお礼を私に言います。

「いえいえ、もう何年も前の話の事ですし。あの時もお礼してくれましたから」

 この人達のパーティは結局ボス戦で全滅しましたし。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

【完結】婚約者なんて眼中にありません

らんか
恋愛
 あー、気が抜ける。  婚約者とのお茶会なのにときめかない……  私は若いお子様には興味ないんだってば。  やだ、あの騎士団長様、素敵! 確か、お子さんはもう成人してるし、奥様が亡くなってからずっと、独り身だったような?    大人の哀愁が滲み出ているわぁ。  それに強くて守ってもらえそう。  男はやっぱり包容力よね!  私も守ってもらいたいわぁ!    これは、そんな事を考えているおじ様好きの婚約者と、その婚約者を何とか振り向かせたい王子が奮闘する物語…… 短めのお話です。 サクッと、読み終えてしまえます。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

聖女じゃない私の奇跡

あんど もあ
ファンタジー
田舎の農家に生まれた平民のクレアは、少しだけ聖魔法が使える。あくまでもほんの少し。 だが、その魔法で蝗害を防いだ事から「聖女ではないか」と王都から調査が来ることに。 「私は聖女じゃありません!」と言っても聞いてもらえず…。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...