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第二章 悪逆非道、邪悪なゴーレム
第二十五話 悪逆非道、邪悪なゴーレム
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城の奥、離れのような場所を調べる。
躯はない。
『あったか?』
じじいから声が届く。
見つからない。
『次じゃ』
次は城の中央少し上。謁見の間のような場所だった。
『見つかったか?!』
ねえよ。
『次に行け!』
城の東側、礼拝堂のようだ。
『どうじゃ!?』
ねえ。
『感知をせい!次じゃ!』
もう城の中に大きな魔力の反応はない。
『ならば街じゅうを探せ!虱潰しに全部じゃ!』
くそっ、その指示だけで何人死ぬと思ってんだ!
『やかましい!人間なんぞ吐いて捨てるほどおる!次を探せ!次じゃ!』
オレは無人となり、穴だらけとなり崩壊しかけた城を抜け街にでる。
じじいから次々と指示が飛んだ。
城下町に足を延ばし、感知の魔法であらゆる施設や民家を調べることになる。
そしてオレは街中の人間から抵抗を受け、それをことごとく排除していった。
最初は兵士だった。
次に騎士。
次は冒険者たち。
聖職者。
盗賊のような連中。
街に住む人々。
子供。
オレの心がすり減っていくのがわかる。
一人でも遠のけようと念動で人を遠くに移動させた。
障壁で人を近づけないようにした。
しかし、建物に入るたびに障壁は解除しなければならなかった。
そのたびに人が来る。
排除する。
次の建物に入る。
建物の中の人から抵抗を受ける。
排除する。
『魔龍神の躯』が見つからない。
じじいからの念話が数分置きに飛んでくる。
段々と感覚が長くなってくる。
念話は、気が付くと数十分置きに変わった。
数時間置きになったかもしれない。
数日置きになった。
朝と夜を何度も挟んで、オレは魔力の反応がする地点で『魔龍神の躯』をひたすらに探した。
蹂躙した、と言うのが正しいのかもしれない。
気が付くと、街から人がいなくなっていた。
死肉を漁りに、どこからともなく獣が集まり出していた。
獣が集まると、今度は魔物が集まり出していた。
オレは感知に引っかかった魔物を倒した。
『魔龍神の躯』なんて魔物が持っているわけないのに。
オレはオレを破壊してくれと願いながら、魔物に拳を叩きこんだ。
気が付くと、そんな日々がずっと続くようになった。雨の日も、雷の日も。嵐の日でもその行為は続いた。
数週間たったのか、数カ月たったのか。
とうとう獣も魔物も街に寄り付かなくなった。
人も、獣も。魔物もいない廃墟の街の中心でオレは立ちすくんでいた。
もう感知に引っかかるものがない。
じじいの声も聞こえなくなった。
オレはただ、崩壊した街を眺めるだけの存在となっていた。
躯はない。
『あったか?』
じじいから声が届く。
見つからない。
『次じゃ』
次は城の中央少し上。謁見の間のような場所だった。
『見つかったか?!』
ねえよ。
『次に行け!』
城の東側、礼拝堂のようだ。
『どうじゃ!?』
ねえ。
『感知をせい!次じゃ!』
もう城の中に大きな魔力の反応はない。
『ならば街じゅうを探せ!虱潰しに全部じゃ!』
くそっ、その指示だけで何人死ぬと思ってんだ!
『やかましい!人間なんぞ吐いて捨てるほどおる!次を探せ!次じゃ!』
オレは無人となり、穴だらけとなり崩壊しかけた城を抜け街にでる。
じじいから次々と指示が飛んだ。
城下町に足を延ばし、感知の魔法であらゆる施設や民家を調べることになる。
そしてオレは街中の人間から抵抗を受け、それをことごとく排除していった。
最初は兵士だった。
次に騎士。
次は冒険者たち。
聖職者。
盗賊のような連中。
街に住む人々。
子供。
オレの心がすり減っていくのがわかる。
一人でも遠のけようと念動で人を遠くに移動させた。
障壁で人を近づけないようにした。
しかし、建物に入るたびに障壁は解除しなければならなかった。
そのたびに人が来る。
排除する。
次の建物に入る。
建物の中の人から抵抗を受ける。
排除する。
『魔龍神の躯』が見つからない。
じじいからの念話が数分置きに飛んでくる。
段々と感覚が長くなってくる。
念話は、気が付くと数十分置きに変わった。
数時間置きになったかもしれない。
数日置きになった。
朝と夜を何度も挟んで、オレは魔力の反応がする地点で『魔龍神の躯』をひたすらに探した。
蹂躙した、と言うのが正しいのかもしれない。
気が付くと、街から人がいなくなっていた。
死肉を漁りに、どこからともなく獣が集まり出していた。
獣が集まると、今度は魔物が集まり出していた。
オレは感知に引っかかった魔物を倒した。
『魔龍神の躯』なんて魔物が持っているわけないのに。
オレはオレを破壊してくれと願いながら、魔物に拳を叩きこんだ。
気が付くと、そんな日々がずっと続くようになった。雨の日も、雷の日も。嵐の日でもその行為は続いた。
数週間たったのか、数カ月たったのか。
とうとう獣も魔物も街に寄り付かなくなった。
人も、獣も。魔物もいない廃墟の街の中心でオレは立ちすくんでいた。
もう感知に引っかかるものがない。
じじいの声も聞こえなくなった。
オレはただ、崩壊した街を眺めるだけの存在となっていた。
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