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第四章 ゴーレムと赤い砂漠

第三十六話 役得のゴーレム

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なんとか身振り手振りで今日は進まない旨を伝えることが出来た。
オレが立ち上がった時には5人ともギョっとしていたから、大変だったです。はい。

「思った以上に水の魔石の消費が激しいな」
「十分用意したつもりだったが?」

アイとゴートさんが険しい表情をしている。

「にゃはは、正直しんどいにゃ」
「時間が時間だったとはいえ、明日はもっと進めないとダメね」
「いまどのくらいなんだ?」
「まだ砂漠の入り口のちょっと奥ってところかしら?噂だと砂漠の中心部分に近づくにつれて、三又のサボテンが増えるらしいから」

セイーリアさんの言葉にオレは周りをきょろきょろする、まだ真っすぐか腕一本のサボテンしか周りには見えない。
水、水ねえ。
オレは両手を器の代わりに水を出してみた。
おお、あんまり出ない。ちょっと力を込めると、両手いっぱいの水が手から溢れだした。
今度は出し過ぎたか。

「水にゃ!」
「これテイツォ、飛びつくんじゃない」
「そうだ、まずは毒が無いか調べないと」

毒なんて入れませんよ?!

「ん、ブクブクブクブクブク・・・・・」

メルが顔を水の中に突っ込んでいた。
砂漠で溺死とかやめてくれよ?

「こら、メル。顔を拭きなさい」
「ん」

セイーリアにメルが顔をごしごし拭かれている。この子可愛いなあ。

「まんきつした」

そりゃどうも。

「私も体を拭かせて貰おうかしら。いい?」

このいい?は男性陣に対してのものらしい。
お好きにどうぞと言った感じでアイとゴートさんが手を振っている。

「ありがと」

そういうとセイーリアさんがおもむろに服に手をかけた。
やばいっすよ!オレも男なんですから!あ、でも瞼なかった!両手も塞がってる!まいったなあもう。
仕方ないっすよ!不可抗力ですって!人命救助みたいなもんですからあああああああああああああああって何この人!
そこにいたのは長い髪の毛を濡らして、ツヤのある色気を出した・・・おおおおおお男じゃねえかこいつ!なんだよ騙されたよ!女にしか見えねえじゃん!
思わず水が手からこぼれ落ちたわ!

「あっと、勿体ないじゃない」

布切れでオレの指から水を掬うと、上半身裸のまま体を自分の体を拭いていく。

「パパ、メルも!」
「はいはい、ばんざいしましょうね」

メルはちゃんと女の子ですよね?ああ、お子様だからわかんないけどたぶんそうでしょ。少し胸膨らんでるっぽいし。
流石に自分で拭いてるね。
ああ、そうか。セイーリアさん男なんだ・・・だから『パパ』なのね。
二人が体を拭き終わると、今度はテイツォだ。
さすがに脱ぐような真似はしなかった。でも服の中をもぞもぞする姿はこう、なんていうかエロかったです!

「ありがとうにゃ」

こちらこそ!
男ども?ああ、さくっと終わらせて水全部ぽいですよ。汚らわしい。
その後に、水を再び出しなおしてそのままにしておいた。

「その、世話になった」

アイが律儀に礼なんぞしてきた。
オレは首を左右に振る。気にするなって。
女性陣(一名ハーフを含む)は組み立てられたテントの中で休んでいる。
ゴートさんとアイは外で休むようだ。
見張りならしているから寝ててもいいのに。
こういうのも伝えられないんだよなあ。不便だよほんと。

「明日からも、頼む」

明日からは離れずに同行するってことでいいのかな?
お前はしゃべれるんだからはっきり言ってくれよ。
このおぼっちゃんはほんと残念だよ。
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