フリーター、ゴーレムになり異世界を闊歩する

てぃー☆ちゃー

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第六章 波打ち際のゴーレム

第五十二話 波打ち際のゴーレム

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 皆さん、今晩は。
 オレです。志雄です。
ゴーレムです。
 国崩しとか呼ばれてました。今は樹海の中にいます。
 やべ、思わず逃げて来たけど・・・ここどこだ?
 ああ、そうです逃げ出してきちゃいました。ダメですよダメ。あんなの無理です。あんな優しさ向けられたら逃げたくもなるでしょ普通。
 だって『国崩し』ですよ?なんでオレにあんなに優しく接してくれるのさ。罪悪感で押しつぶされるわマジで。



 ドラゴンからはいい事聞いた。あいつ並みに巨大な化け物が海にはいるらしい。そいつらならオレを破壊できるかもしれないからね。
 しかし、ドラゴンですか。異世界に来たら一度はエンカウントしとかないとね!とか思ってたオレも昔はいましたけど、ありゃ規格外ですよ。
 ほんと。今思い出しても震えがくるね。あ、すいません震えません。神経通ってませんでした。はい。
 そんなこんなであのバカ高い山を背に真っすぐ西(?)に向かってます。聞いてくださいよ。最初の地点から東に真っすぐ来てあのグランフォール王国に着いてますから。だからこっちが西だろうと・・・単純にそう考えてるんです。
 一応日は東から昇るみたいなので・・・夕日に向かって進んでます。青春ですな!あ、もうそろそろ30なるかもしれませんが。何年ここにいるかわかりませんけど。
 月なんか3つもあるしさ!星なんて読めないし!星も違うだろうしね!
 てなわけでとりあえず山を背に夕日に向かいただただ歩いているわけなんですけど・・・合ってるのかこれ?
 丘を越えて山を3つほど越え、森をいくつも潜り抜けて・・・川が見つかんねえよ!
 川さえ見つかれば海にいけるって思ったんだけどなあ。



 一人旅は寂しいなあ。
 道中魔物に襲われたりもして撃退したりもしたけどね!せめて念話が効く相手をぷりーーーーーーーーーーーーーず!
 雄叫び上げて襲い掛かってくるんだもん!思わず手が出ちゃったよ。
 アフリカに住むヌーの群れみたいなのに轢かれた時には泣きそうになったさ!あいつら肉食かよ!オレのどこに肉があるんだよ!?
 そんなこんなで森の中を黙々と歩いて猛獣に襲われる殺伐とした日々を過ごしています。意外と魔石を持つ魔物が少ないですね。この間いた土地が特殊だったのかなあ?
 念のため死体は魔法の袋に突っ込んでおきました。この間のサソリの件じゃないですけど、何に役立つか分からないですからね。魔法の袋にもまだ余裕がありそうですし。
 木々をへし折りながら真っすぐ、ただ真っすぐ山から離れているのですが・・・まだあの山見えるよ。どんだけ高いんだ。
 ああ、オレ歩いてるだけで木々がへし折れて行きますが気にしないでください。ただの歩く環境破壊マシンです。



 でもこの樹海もそろそろ終わりを迎えそうです。
ずいぶん木々の間隔が広くなってきましたからね
 そろそろ海が見えればいいなあ・・・海、海かあ。最後に行ったのいつだっけかなあ。仕事始めてからそういうレジャー的な遊びはほとんどしてなかったからね。潮のにおいがこいしいな!あ、でもにおい嗅げないや。鼻なかった。
 そして・・・ついに・・・樹海を抜けて普通の森林っぽくなり・・・。
 開けた場所にたどり着いた・・・その先には・・・。
 


うみーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
 ひゃっほーい!しゃーなろー!海だ!海だぜ!海なんだっぜ!
 青い空!
うお!空に島が浮かんでる!行きてえ!
白い砂浜!
 どこまでも続く水平線!
 海原を雄大に泳ぐウミヘビ!でけえ!
 わー、前の大蛇よりでかくねえか?すっげー・・・でも遠いね。いいや!放置放置!
 オレにはあんな大怪獣よりももっと大事な用がある!
 そう!海で遊ぶのだ!ひゃっほー!
 波打ち際まで走るぜ!あはははは!つめたー・・・・くないっ!
 水温なんかわかんないんだもん!あ、でもこの足元の砂が流されていく感覚がなんか懐かしいな!
 ああ、倒れるー・・・。

『ドスーン!』

 倒れたー!ひゃははははは!
 魚が逃げた!鳥も逃げた!ひゃははははは!
 ああ、でも泳げないな!この体水に浮かないだろうし。
 一応試してみるか!

『ジャバーン!』

 無理だった!やっぱりね!
 ふう。つい、はしゃいでしまった。
 だって海ですもん。海ではしゃげないやつは男じゃないね!
 しかし遊び相手もいない、もちろん水着のねーちゃんなんかいない。
泳げもしない。浮輪もないしね!重力魔法で浮かぶのはなんか違う気がするし。
つまりだ、オレにはもうコレしか残ってないわけだ。
そう!砂の城だ!
ふふふ、オレのこの巨体。そして大きな手!
かつてないほどの大作が作れる予感がするぜ!
いざ参る!砂浜よ!我が城に生まれ変わるがいい!



結論から言おう。
城は無理だった!
バケツとかないしさー。
そもそも自分の手大きすぎて細かい作業出来ないじゃんかさ。
こんもりとでかい砂の山が出来上がっただけなんだぜ!
あはははは!
はあ。
ちくしょう。海よ、今回はお前に勝ちを譲ってやるぜ。
特にやることないからとりあえず寝っ転がってみよう。
どっせーい。
『ドスン!』
あー、和むわ。異世界に来て一番リラックスしてる時間かもしれんなー。
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