フリーター、ゴーレムになり異世界を闊歩する

てぃー☆ちゃー

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最終章 ゴーレムはゴーレム

第九十一話 奮闘するゴーレム

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 やべえ! 治んねえ!? なんでだっ!?

 砕けた右拳に視線を向けた。力を入れて見ようとも、まったく再生し始める気配がない。こんなこと初めてだ!

「ふふふ、直らないよねえ? 不思議だよねえ?」

 魔法か!? だけどオレの体にそんな簡単に作用する魔法なんてあんのか!

「というか、だ。これは君を破壊する為だけの魔法だよ? まあ破壊するのは本来の目的ではないのだけどね」

 何を言ってやがる。

「このハンマーはね? 君を作る為に作られたハンマーなんだよ! 君の体を加工するためのね! だからこのハンマーは君の体の形を自在に成型出来るんだよ! こんな風にね!」

 オレの砕けた拳が更に破壊された! 右手はもう肘くらいまで破壊されちまった!

「そしてこのハンマーで付けられたのはあくまでも成型の形をとる、つまりは君自身の体がこれは傷ではないと! 正常な状態であると認識してしまうのだよ! だからこのハンマーで君の形を変えても君の体は修復されない!」

 くそ、取りあえず切り離して新しい腕に!
 オレは腕を付け直す! すると新しい腕は一瞬にして先ほどと同じように拳の部分から崩れて行ってしまった!

「君の肉体が正常な状態だと認識していたんだ! そこに拳という壊された異物がくっつけば、元に戻ろうとしてその拳が壊れるんだよ! このハンマーで殴られた部分はもうこのハンマーでしか直せないんだ! だからさっ!」

 更にマイオールがハンマーを振るって、今度は俺の顔面に叩きつけてくる!
 やべえ! 右目の視界にヒビが入りやがった!

「安心してくれていいよ! 君の魂を切り離したらまた直してあげるからね!」

 くそっ! 大火力! 爆炎弾!


「うわっ! そういえば君、魔法が使えるんだね! すごい火力だ!」

 涼しい顔して何言ってやがる! もう怒ったぞ! 本気で攻撃してやる!

「はははっ! 光栄な事だね!」

 言ってろ! 火炎連弾(ファイヤーラッシュ)!

「面白いよ! 水球連弾(ウォーターボールズ)!」

 オレが左手から魔法の炎を連打する! それを迎え撃つ形でマイオールは水の魔法を連打! 炎が一瞬で消され辺りに水蒸気が満ちる。

「暑いじゃないか! ムシムシするのは好きじゃないんだよ!」

 水蒸気で視界が支配されるが、マイオールは風の魔法でその発生した水蒸気を吹き飛ばす!

「っと! 危険な事をするね!」

 その隙間を縫って念動魔法で近くに転がっている石を浮かせてマイオールにぶつけようとするが、寸前で避けられた! だが弾はいくらでも転がってるんだぜ?
 そこらに転がっている、元々はオレの体の破片を空中に浮かせる。それらを様々な角度から高速で撃ちだす!

「っ! 風絶盾(エアリアルシールド)!!」

 マイオールは流石に嫌がり、風の魔法で盾を作りオレの拳の破片を横に受け流す!

「考えたね! でも効かないよ!」

 だったら地属性だ!
 オレは壊された右腕を地面に突き立てると、欠損した部分を地面から補った。

「今更手なんか作ってどうするつもりだい?」

 オレが撃ちだせる攻撃の中でも特に威力と速度の速い技だ! 受けてみな!
 グラヴィティーロケットパンチ! 地属性風味だ!

「遅いよ」

 その声はオレの後ろから聞こえた。そしてその声と同時に背中に衝撃が走った!
 嫌な音を立てながらオレの体にヒビが入る!

「流石に背中は硬いね」

 くそっ! 爆発!

「おっと、危ない危ない」

 一瞬でオレの正面に戻ってきた! さっきから早いなんてレベルじゃ…。

「君は遅いね、小回りも効かないし。非常に料理しやすいよ」

 マイオームが言いながら離れた位置でハンマーを高く振り上げると。

「こんな風にね」

 一瞬で間合いを詰めてオレの胸部にハンマーを振り下ろした!
 ぐっ! くそ、今度は前か! これはっ…瞬間移動かっ!

「気づいたかい? でも対応出来ないよね。それよりも、胸元。セクシーに開いてるよ?」

 自分の胸元なんか見えねえよ! オレの首の稼働率舐めんな!

「それは残念。君のコアはとてもきれいに輝いているのに」

 コア? まさか!

「そうだね、私が君の魂を封じ込めた媒体、ガイアの心臓だよ。例えばさ。例えばだよ? このハンマーで君のコアを思いっきり叩いたらどうなると思う?」

 死ぬ! それ死ぬ奴だ!

「死なないよ? 壊れるだけ」

 どっちにしてもごめんだ! しかしどうすれば…火や土の魔法は速度的に間に合わないだろうし…。

「君、考えてる時は念話切っといた方がいいと思うよ?」

 え!? 出てた?

「出てた出てた、結構阿呆だね君。速度で勝てないって? そりゃあそうでしょ。転移魔法で移動してるんだから」

 むう、じゃあ止める。

「は?」

 転移阻害陣(ジャンプジャマー)とでも名づけようか。

「え? え? なんで!?」

 だってオレ、転移魔法覚えてるもん。阻害も出来るよ。

「嘘でしょ!?」

 実際使えてるし。というか転移出来ないでしょ?

「…ほんとだ」

 ついでに、雷撃槍(サンダージャベリン)!

「ぬあっ!『障壁』!」

 瞬間移動出来ないから避けれないだろ。それ、もう一発!

「てかさっきまでっ! 雷の魔法も撃ってなかっただろっ! なんで今更!」

 お前のおかげだよ、更にもう一発。

「『障壁』! てかお前! なんで転移を邪魔する魔法しながらこんな強力な魔法を!」

 自重を抑えるために重力魔法も使ってるから合計で三つだね。

「3っつ!? なんでそんなに!」

 お前がオレのコアを露出させたからだよ! 電撃槍(サンダージャベリン)!

「なんだと!?」

 今まで使えなかった魔法が面白いくらいに使える! 風の蛇牙(ストームバイド)!電撃双槍(サンダーツインジャベリン)!

「くっ! 『障壁』!」

 風の魔法で足を止めて電撃の魔法で吹き飛ばすつもりだったが、防御の魔法を止められた! 障壁魔法は厄介だな。
 …止めるか。

「流石にそれは許容出来ないよ」

 オレの障壁魔法の阻害は効かなかった。
 マイオームが額に汗を浮かべながら苦々しくこちらを睨みつけている。

「しかし、そろそろ怖い人も来ているし退散しようかな」

 マイオームの言葉にオレもこちらに接近している人間を感知する。アイと清蓮とゴートだ。
 結構派手に戦ってたからな。

「や、派手してたのは君だけだよ? 私はハンマーを振り回していただけだからね…それともそれも計算かな?」

 お、おう? け………計算だヨ?

「ふふふ、ふはははは! 君は本当に面白いな」

 で、逃げられると思うか?

「転移を塞いだ程度で逃げられないと?」

 障壁には、こういう使い方もあるんだよ。
 オレは自分を中心に広い範囲で障壁を張った。

「ちっ、でもコレで叔父さん達も入ってこれないよ」

 お前はここでオレが倒すから問題ないよ。助けはいらない。
 そろそろ止めだ。

「いい気になりやがって…」

 三人が辿り着く前に片づける。
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