ユメノハナシ

shibuya RIKO

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ワタシノハナシ

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この人と同棲し始めて2年

友人の頃からも含めると4年以上一緒に居る事になる

この人とは、、

私の男である『サトル』30歳

真面目で優しい口下手なひと

付き合い始めて暫くはお互いの家を行き来していた

駆け引きなんかしながら人並みに

恋愛のアレコレを楽しんでもいた

初めはどこにでも居る普通のカップルだったと思う

はじめはね、、


男の部屋にマグカップ、歯ブラシ、メイク道具、下着、洋服

自分の物が少しずつ増えていくあの感覚がたまらない

心を開き、心を許し、私に心酔していくこの感じを

堪能するように味わうんだ

ターゲットを決め獲得するまで終わらない

ゲームのように    続く…




この日もいつもと変わらない朝が訪れようとしていた

いつもお揃いのカップに珈琲を淹れ

目玉焼きとトーストを食べる

私の方が先に家を出るものだから

熱々の珈琲を無理矢理流し込むと、

食道と胃が焼けるほど一瞬熱くなるのがわかる


   「あぁ・・・ やける・・」



    「時間じゃないのか?」





もう少し早く起きて準備すればいいものの

夜行性の私は朝が弱い

そして毎晩貪るように求め合い

肌と肌に依存していた事も一因であろう

男にハンカチを渡しネクタイを直しキスをする、

行ってきますのキスだ


もう走らないと間に合わないのに長めに唇を合わせた





「行ってきます」




振り切るように外へ出た

この人はとても優しくあまり自分の意見を言わない

どちらかと言うと私が口うるさく喋るもんだから

聴き役に転じてくれている気もしないでもないが

実際何を考えているのかわからない事も多い

笑顔で何でも許してくれる器の広さが

お付き合いしてみようと思ったきっかけでもあった

料理も上手くてパスタ類はそこら辺の店より美味しい

それは本当にラッキーこの上ないそう思っている

でも1番はやはりいい男だった、、

それに尽きる





デザイン関係の仕事をしている私は会社に着くと

昨日はなかった書類の山に暫し沈黙する....

朝からその光景だけで窶れられる自信がある

上司との打ち合わせが午前中続いた、、



「お昼行くよ」


そう言われて、書類も気になってはいたが

朝パンをかじり目玉焼きを潰しただけの空腹だった私は

慌ててランチ組に参加したのだった





同期のゆみが向かいの席でパスタランチを食べている


帰国子女のゆみは身振り手振りが大きく

たまにポカンとなる単語を織り交ぜながら

目の前でパスタをゆらゆらさせて

ゴージャスに喋っている

笑顔で聴いているが、ゆらゆらパスタが面白くて

話が全然入ってこない

仕方がないので太めの眉に

チーク強めのメイク術を眺めていた

ゆみは部長の斉藤さんと不倫している

私にはバレていないと思ってるみたいだけど


バレバレなんだよな・・



この2人は会社と言う現実世界に

不倫と言う魅惑のスパイスを混ぜ込み

上司と部下と言う関係性の中スリルを味わい

まるで遊園地の乗り物の順番を待つ子供のように

高揚しているのがたまらないんだろうと思う



敢えて言おう、この変態たちめ、、



会社が神聖な場所であればある程、汚したくなり

冒涜するような行為に浸っている様に感じる

人は “やってはいけません”と教えられた事を

やってみたいと思う事は

誰にでも一度はあるんじゃないかと思う

ストッパーなるもの、自制心や理性

セルフコントロール的な何かが制御してくれるはず

そして部長とゆみには、ストッパーはもとより

制御装置までぶっ壊れダラダラ垂れ流しなんだろうと

そんな事を思っていたら

時計の針は13:00を指していた


慌てて店を出た私とゆみは、会社に戻るのだった。
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