奴隷生活から騎士に

yufa

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脱獄開始!!

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「ねぇ?脱獄って言うけどどうやって?」

コブリンの警備も薄くなり聞こえるのは虫の声そんな中小さくノアは話しかけてきた。俺は穴に手を突っ込み小さな金属の塊を拾い上げた。


「これだよ!昼間警備兵からクスねてきた」

「それって牢の鍵?」

「当たり!」


俺は内側から鍵穴に鍵を差し込んで右に強く回した。ガチャンと施錠音が響き俺はゆっくりと牢の扉を開けていった。


「さぁ!逃げよう!」

「良いの?」


ノアは不安そうな声で俺に尋ねてきた。いきなりだったので気の抜けた声で返答した。


「何が?」

「僕は殺されても誰かが困るわけでもない所詮はオナホールみたいな人間だからでも君は・・・・」


俺は彼の手を強く握り言葉を吐き捨てるようにノアに訴えた。

「いいから無駄話してる暇はない。極力戦闘は避けよう俺達は見ての通り丸裸だからな」


彼の手を引き警備の目を盗みながら足場の悪い通路をひたすら走った。











一体何時間走り続けただろうか階段を上っても登っても地上に繋がる扉は一つもなかった。



「はぁ・・・はぁ」

二人はシンクロしたように息を切らしていた。すると目の前に宝物庫と書かれた部屋の扉の前にたどり着いた。


「なぁ?ここで休もう。それにもしかしたら武器になるものがあるかもしれない」


「分かった」


ノアは短く返事をすると俺とノアはタイミングをあわせて扉を開けた。そこには黄金の宝が数えきれないほど床に散らばっていた。


「すげぇー宝の山だな」

「僕もこれだけの金貨や王冠を見るのは初めてだよ」



俺とノアは当たりを見回し武器になるようなものを探していたすると


「おーい!服を見つけたよ!」

ノアの声のするほうに向かうとノアの手にはこれまた上質な生地で縫われた服が落ちていた。


俺は紺色、ノア若草色の半袖を身につけ同じ小麦色の短パンを身につけた。



「服なんて久しぶりだ!」

「何か逆に違和感を感じるよ」


それもそのはずだノアはもう一年近くも奴隷生活をしていたのだから当然全裸生活も一年近くになるだろう。


「さてお次は武器を探すか!」

「君は武器、武器って言うけどどんなのが欲しいの?」 

「そうだな・・・・出来れば剣が良いんだけど」


すると彼は左右に首を振り直ぐに俺の意見を否定した。

「無理だよ僕達に剣は扱えないよ」

「え?何で?」

「僕達には剣を使える権利を持っていないから剣を使える権利を持っているのは央都の騎士だけ」


剣を使える権利?この世界にはそんな制限があるのか?


俺は終始、剣を使える権利について考えると視界に二本の剣が石板にクロスするように突き立てられている光景が飛び込んできた。


「あれは?」


吸い寄せられるようにその剣の前に立ち尽くした。一本は両刃の細剣で硝子の様に透明な金属で創られおりガードとブレードの間には七色に輝く虹色の五角形の鉱物が埋め込められていた。もう一本の剣は透明な紫色の両刃片手直剣で少し力を入れると折れてしまいそうなほど細い剣だった。


「剣を扱える権利・・・・」


俺は自然と剣を人差し指で叩くアクションをした。すると目の前に灰色の正方形が浮き上がりそこにはずらずらと文字か浮かび上がった。


「ステータスウィンドウ」


俺は自分の名前すら覚えていないのに直ぐにその言葉が口から出た。この世界はゲームで創られた異世界だと確信した。



「すてーたす?何だいその謎の言葉は?」


「いや、気にしなくて良いよ」


俺はその剣の説明を目で追いながら読み進めていくと<Objectoperation authority>という項目を見つけた。


「オブジェクト操作権限」


俺はそう呟いた。オブジェクト操作権限つまりこの剣を自由に使える数値がとなり書いてあった。

「一・・十・・百・・千」


俺は一個一個、ゼロを数えていくと背筋が凍らせずにはいられない事実を知ったからだ


「じゅ・・・十億!!!」


またもや自然に自分の手を叩きステータスウィンドウを開きオブジェクト操作権利を覗くと


「・・・・・たったの5」


そう今の俺にはこの武器は使うどころか持ち上げることすら不可能なのだ俺はあまりの悔しさから髪を掴み体をくねくねと動かしてしまった。

「これ神器クラスの武器かよ!!」


そう叫ぶと先程まで静かだったノアはが口を開いた。


「神器クラスにもなるとね、選ばれた騎士にしか使えないんだって」


「なるほど」


簡略とも言えるノアの説目を理解するのに一秒しか掛からなかった。





「奴隷共何をしている!!!」


後ろを振り向くと複数のコブリンが殺意の目を向け怒りの咆哮を響かせていた。




・・・・・しまった時間を掛けすぎた



俺の心臓は潰されてしまいそうなほどバクバクと心拍数が上昇していった。
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