僕らは、ただ一つの愛を誓う

星空永遠

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第二章

12話

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「それと、明日からは生徒会も忙しくなるから、遅刻しないように」

「……?なんで、明日からは忙しくなるんだ?」

「忘れたの、冬夜。一週間後は高校の文化祭だってこと」

「……あ……」

夏休みに肝試し大会やら、紅蓮が神崎紅などということを知ってから、紅蓮のことで頭がいっぱいで、他には何も考えていなかった。

季節は十月下旬、高校は文化祭や体育祭の時期だ。
俺達の学校は文化祭と体育祭が一年ごとに交互にある。
去年は体育祭だったため、今年は文化祭。

俺は中学三年から去年の高校二年まではフランスに留学していたので、こうして高校行事に参加するのは初めてだ。

高校生になってからの紅蓮は俺がいない間の学校行事はどんなふうに過ごしたんだろうか。

俺以外の友人と文化祭を楽しんだり、体育祭では一位などをとり、クラスのみんなの注目の的だったのだろうか。……いや、そんなことはないだろうな。

紅蓮は断然のインドア派で運動に関しては、どのスポーツをとっても、人並みくらいだ。

特に皆で団結し、汗水流す熱血するものに関しては苦手だ。むしろ、紅蓮が汗水流し、スポーツの類をしてるところを俺は見たことがない。

友好関係に関しても、堅物生徒会長ということもあり、後輩などは紅蓮のことを怖がっている。同級生ですら、紅蓮のことを「会長」と呼び、慕っているようにも見えるのに、俺以外に心を開き、話せる友人などいないんじゃないか?

中学の頃、俺が紅蓮と友人になったばかりの頃に、「俺以外に仲のいい友達はいないのか?」と聞いたら、「一人で何でも出来るから、仲のいい友人は冬夜以外必要ない」と言っていた。

あれは本音ではないことも本当は見抜いていた。
紅蓮は友人を作らないんじゃない……作れないんだ。

コミュニケーションが苦手な紅蓮は自分から年の近いやつに話しかけることが苦手だ。
俺の場合は問題児で、紅蓮が風紀委員長という立場だったため、また違ったのだろう。

そして文化祭当日、俺と紅蓮は文化祭を一緒に回ることになった。
生徒会は校内の見回り、というの口実として紅蓮は俺と回ることを許してくれた。

クラスのシフトは生徒会の見回りや文化祭まで準備を人よりも頑張ったと気を使ってくれたクラスメイトが抜いてくれた。
これで心おきなく紅蓮と文化祭を楽しめる。

「じゃあ、まずは朝飯からだな。紅蓮、行くぞ」

「そんなに急がなくても、ご飯は逃げないよ、冬夜」

「わかってるっての」

好きな奴と文化祭を回れるだけでも嬉しいんだよ。って、紅蓮には伝わっていないようだ。ただ、紅蓮もいつもより表情が柔らかかったので、それなりには文化祭を楽しみにしていたようだ……良かった。

俺と紅蓮は朝飯を食べてからは甘い物などを食べたり、展示を見て回ったりした。
クレープが食いにくい、写真部が撮った猫が可愛い、天文部より紅蓮、お前のほうが星座に詳しいななどと会話をした。

あっという間に一日は終わり、文化祭は終了した。

俺と紅蓮はシフトを抜かしてくれたクラスメイトにお礼ということで、クラスの片付けを二人ですると言って、片付けが終わるまで学校に残ることとなった。

あたりも暗くなり、本格的な片付けは明日ということで、ほとんどの生徒は帰路へ帰って行った。

「紅蓮。腹減っただろ? チョコレート、食うか?」

「ん、食べる。ありがと、冬夜」

「気にしなくていいぜ」

俺は紅蓮に紙つづみに入ったチョコレートをあげた。

「冬夜、もう一つチョコレートが欲しい」

「紅蓮、急にどうしたんだ? お前、そんなにチョコレート好きだったか?」

文化祭の片付けが人段落した頃に、紅蓮は俺にチョコレートを欲しいと言いだしてきた。

紅蓮の頬は微かだが、蒸気している気がした。
普段よりも声も高く、頬も赤く、なんだかお酒に酔った人のようになっていた。

「まさか……」

俺は2つ目のチョコレートを渡す前にチョコレートの箱の表記を見た。
そこには原料に、ブランデーと表記されていた。

「チョコレートボンボンで酔ったっていうのか……?」

「冬夜~」

紅蓮は酔った勢いで、俺に抱きつこうとしていた。

「紅蓮、やめろ」

これ以上、甘えられると俺が紅蓮、お前に触れたくなってしまう。
そんな俺の気持ちも知らず、紅蓮は言葉を続けた。

「嫌だ、冬夜に甘えたい……」

「紅蓮、今だけ少しの間だけ、このまま……」

「うん、わかった……」

紅蓮の一言で、俺は我慢できなくなり、教室で紅蓮を抱きしめていた。

どうか、このまま誰にもバレませんように……。

紅蓮の頬が赤かったのは何故だろう。
それはお酒の入ったチョコレートのせいか? それとも……。

あの時もそうだった。いきなり雨が降り出して、俺と紅蓮が雨宿りしたときに、紅蓮が愛しいあまりに紅蓮にキスをしようとした。

紅蓮は驚いた表情は見せたが、不快な表情もあからさまな拒絶もしなかった。今だってそうだ。好きでもない、ただの親友の俺に抱きしめられているんだぞ? 嫌じゃないのか?

俺は紅蓮のことが好きだから、今の状況が夢なんじゃないかと思うくらい幸せだ。

この時の俺はまだ知らなかった。

紅蓮の涙を再び見ることになるなんて .... 。
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