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出会い
第7話 相棒になってほしい
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「組むって? アイドルユニットとか?」
「いや、違うよ」
なんでアイドル?
余談だが、魔界にもアイドルという概念はあるよ。
もしかしてこの子自分の容姿に自信あるのかな?
ま、それはおいておいて……
「僕は君の身体能力に惚れてね……協り……」
「惚れた!? え~? 困るな~確かに正義の味方かつ、わたしはかわいいけどぉ~」
くねくねして照れだすシールちゃん。あ、いや、そうではなくてだね。
「まあ~? エクスさんカッコいいからありといえばありだけどぉ~わたしは心に決めた人いるしぃ~」
「あの、僕が言ったのは身体能力についてであってだね」
むやみやたらに惚れたとか言うものではないな……
「単刀直入に言うよ。僕は君の力を借りて、No.1たる君のお兄さんに勝ちたいんだ」
普通なら身内贔屓になり、協力を拒むところだろう。
でも彼女、家での扱いは悪いようだし、兄妹仲は悪いと見た。
ならばそんな兄に一泡ふかせたいと思うだろ……
「え、つまり人の力使ってインチキでトップになりたいってことぉ?」
――うう!?
……ま、まあそういうことになるのか……
い、インチキ……
「正義の味方たるわたしから言わせてもらうとぉ、それは正義の道にはんす……」
ん? シールちゃんが何かに視線を奪われ止まった。
なんだ……
「「キャー!」」
悲鳴!? いや、違う。悲鳴は悲鳴でも歓喜の悲鳴だ。
こんな女子生徒の悲鳴を挙げさせるのは一人しかいない……
「「ワイズ様~!」」
そう、ワイズ・デュラミス!
周囲の取り巻きと共に颯爽と現れた……
女性を虜にする美貌、冷徹な眼差し……
凄まじい存在感……
確かにさっき見かけたがなぜここに?
オーリとひと悶着あった食堂の騒動を嗅ぎつけたか?
ワイズは周囲をキョロキョロとしてから、近くの女生徒に問う。
「やけに食堂荒れてるけど、何かあったのかい?」
「はい! オーリが……」
「ああ。あの問題児か……できれば追放してやりたいところだが……まあ、先生方に要相談……」
ワイズはこちらに気づく。
僕、そして……妹のシールちゃんに視線を動かした。
……緊張が走る。
学園トップのエリート様な上にあの冷徹な表情……ナルシストと噂もある兄のワイズ。
そして最下位な上に、人間たる妹。
彼女の家での扱いを考えれば見下し、バカにしてくるかもしれない……
「お兄ちゃん!」
え?
シールちゃんは満面の笑みでワイズに手を振る。
するとワイズの方も……
「やあシール。ここに来てたのか。巻き込まれなかったか? 怪我は?」
同じく笑顔で返し、シールちゃんの心配!?
こいつの笑顔、初めて見た……
「大丈夫!」
シールちゃんは食事を止め、その場から大ジャンプしてワイズに抱きついた。
な、仲良いのか……?
「し、シールちゃん、家での扱い悪いとか言ってなかった……?」
つい、聞いてしまう僕。
「え? 悪いよ? お兄ちゃんは優しいけど」
なんと……
唯一の家での味方なのか……
こ、これ僕への協力無理ゲーなのでは?
冷遇してくる家族で唯一の味方……そう考えると、余計ワイズの味方だろうし……
「お兄ちゃん好き~! 結婚して!」
「ハハ。ありがとうシール」
あ、さっき言ってた心に決めた人ってワイズの事? この子ブラコンか……
「ところで……うちの妹と知り合いだったのかな? エクスくん」
いつもの、冷たい視線に戻ったなワイズ……
……こうして面と向かって話すだけでもびくびくするよ……
だが、越えるべき壁、僕は逃げない。
「……さっき知り合ってね。オーリ達に絡まれてたから……」
「そうだったのか……妹が世話になったのなら礼を言うよ。ありがとう」
――!?
ワイズ・デュラミスが、学園トップが、魔王筆頭が! 頭を下げた!?
周囲はざわつく。
エリート気質が多くプライドの高いものだらけのこの学園、頭を下げるどころか謝罪すらまともにしない連中ばかり……
そんな学園のトップが、そして魔王という国の圧倒的トップ、支配者になろうというものが、はるか格下の僕に、頭を下げた!?
こ、これがトップでかつ、魔王にふさわしい男の器……か。
「いや、違うよ」
なんでアイドル?
余談だが、魔界にもアイドルという概念はあるよ。
もしかしてこの子自分の容姿に自信あるのかな?
ま、それはおいておいて……
「僕は君の身体能力に惚れてね……協り……」
「惚れた!? え~? 困るな~確かに正義の味方かつ、わたしはかわいいけどぉ~」
くねくねして照れだすシールちゃん。あ、いや、そうではなくてだね。
「まあ~? エクスさんカッコいいからありといえばありだけどぉ~わたしは心に決めた人いるしぃ~」
「あの、僕が言ったのは身体能力についてであってだね」
むやみやたらに惚れたとか言うものではないな……
「単刀直入に言うよ。僕は君の力を借りて、No.1たる君のお兄さんに勝ちたいんだ」
普通なら身内贔屓になり、協力を拒むところだろう。
でも彼女、家での扱いは悪いようだし、兄妹仲は悪いと見た。
ならばそんな兄に一泡ふかせたいと思うだろ……
「え、つまり人の力使ってインチキでトップになりたいってことぉ?」
――うう!?
……ま、まあそういうことになるのか……
い、インチキ……
「正義の味方たるわたしから言わせてもらうとぉ、それは正義の道にはんす……」
ん? シールちゃんが何かに視線を奪われ止まった。
なんだ……
「「キャー!」」
悲鳴!? いや、違う。悲鳴は悲鳴でも歓喜の悲鳴だ。
こんな女子生徒の悲鳴を挙げさせるのは一人しかいない……
「「ワイズ様~!」」
そう、ワイズ・デュラミス!
周囲の取り巻きと共に颯爽と現れた……
女性を虜にする美貌、冷徹な眼差し……
凄まじい存在感……
確かにさっき見かけたがなぜここに?
オーリとひと悶着あった食堂の騒動を嗅ぎつけたか?
ワイズは周囲をキョロキョロとしてから、近くの女生徒に問う。
「やけに食堂荒れてるけど、何かあったのかい?」
「はい! オーリが……」
「ああ。あの問題児か……できれば追放してやりたいところだが……まあ、先生方に要相談……」
ワイズはこちらに気づく。
僕、そして……妹のシールちゃんに視線を動かした。
……緊張が走る。
学園トップのエリート様な上にあの冷徹な表情……ナルシストと噂もある兄のワイズ。
そして最下位な上に、人間たる妹。
彼女の家での扱いを考えれば見下し、バカにしてくるかもしれない……
「お兄ちゃん!」
え?
シールちゃんは満面の笑みでワイズに手を振る。
するとワイズの方も……
「やあシール。ここに来てたのか。巻き込まれなかったか? 怪我は?」
同じく笑顔で返し、シールちゃんの心配!?
こいつの笑顔、初めて見た……
「大丈夫!」
シールちゃんは食事を止め、その場から大ジャンプしてワイズに抱きついた。
な、仲良いのか……?
「し、シールちゃん、家での扱い悪いとか言ってなかった……?」
つい、聞いてしまう僕。
「え? 悪いよ? お兄ちゃんは優しいけど」
なんと……
唯一の家での味方なのか……
こ、これ僕への協力無理ゲーなのでは?
冷遇してくる家族で唯一の味方……そう考えると、余計ワイズの味方だろうし……
「お兄ちゃん好き~! 結婚して!」
「ハハ。ありがとうシール」
あ、さっき言ってた心に決めた人ってワイズの事? この子ブラコンか……
「ところで……うちの妹と知り合いだったのかな? エクスくん」
いつもの、冷たい視線に戻ったなワイズ……
……こうして面と向かって話すだけでもびくびくするよ……
だが、越えるべき壁、僕は逃げない。
「……さっき知り合ってね。オーリ達に絡まれてたから……」
「そうだったのか……妹が世話になったのなら礼を言うよ。ありがとう」
――!?
ワイズ・デュラミスが、学園トップが、魔王筆頭が! 頭を下げた!?
周囲はざわつく。
エリート気質が多くプライドの高いものだらけのこの学園、頭を下げるどころか謝罪すらまともにしない連中ばかり……
そんな学園のトップが、そして魔王という国の圧倒的トップ、支配者になろうというものが、はるか格下の僕に、頭を下げた!?
こ、これがトップでかつ、魔王にふさわしい男の器……か。
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