永遠ナンバーツー!!

メガゴールド

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初任務

19話  サイコな科学者

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 賊連中はほぼ仕留めた。でも、これで終わりじゃない。

 聞いた話だと、魔物とかボディーガードがいると聞いた。なのに、それっぽい奴らを見なかったからね……

 アジトはまだ奥になにかありそうだね。
 でもこれだけの騒ぎを出しても出てくる素振りすらないとは……

 賊は単なる捨て駒って事なのかな?

「シールちゃん、奥に進んでみ」
「正義の味方ぁ! シール・デュラミス! 逃げも隠れもしないぞぉ!」

 シールちゃんは無警戒で奥に特攻する。
 まあ村に来てた奴いわく、罠とかはないって話だから大丈夫だろうけど……

 僕とユーノさんも後につづく。

 ……先に進めば進むほど、なにやら機械が辺りにいくつも散見される。
 あんな野蛮な連中がこんなもの使うなんて思えないが……

 そもそも機械なんて何に使うというのだろうか?
 人間界ならいざしらず、この魔界においては、魔法で基本的になんでもできる。機械なんて本の中でしか見たことない。

 ユーノさんもキョロキョロとして、僕と似たような感情をもってる様子だった。

 一方シールちゃんはなぜか、ワクワクしていた。

「なんかさぁ! 巨大ロボットとかさぁ! 出てきそうでさぁ! ワクワクするよね!」

 なるほど。そういう理由か。

「でも出てくるとしたら敵のロボットだし、操縦できないよ」
「ええ!? ヒーローこそ巨大ロボットでしょ! ムカムカ~! 悪党の癖に~」

 大変ご立腹なシールちゃん。
 まあ、ロボットが出てくるとは限らないけどね。

 道中警戒しつつ歩き進めると……ついに人影が見える。

 大柄の男に、なんだ? 翼の生えた狼のような魔物……? 腕が右と左で違うし、鱗みたいなものもある……キメラってやつなのか?

 そしてもう一人……なにやら機械をひたすらいじくり回してる、白衣をまとった壮年がいる。

 こちらに気づいてないのか?

「博士、来客です」
 
 大柄の男が、白衣の壮年に声をかけた。
 博士と呼ばれた壮年はこちらに振り向く。

「なんだね君たちは? 人の家にずかずか入りこみおって。住居侵入罪じゃぞ」

 住居侵入罪? 何を言ってるこの男。
 ここにいるってことは、賊の協力者なのは間違いない。
 村を襲い、被害者を多数出した連中に罪だなんだなどと、言われたくはないね。

「はっは! あたしは正義の味方! シール・デュラミス! 悪党共の成敗しに来た!」
「研究の邪魔だから帰ってくれないかい」
「は?」

 研究……?

 僕は辺りを見渡すと、驚愕な光景を目にする。
 
 奇妙な液体の入った、大きなカプセル状の容器……そこには人が入ってるではないか。
 その数は一つや二つではない……

 この人々は? 生きてるのか? そもそも本当に人か? 作り物とかではないのか?

「あなた、何者ですか? 賊とはどんな関係で? そしてこれは一体……」
「はぁ。面倒な。答えようが答えまいが居座る気じゃろうね」
「……」

 僕の無言を肯定と受け取った壮年は口を開く。

「ワシはある人物と組んで研究をしていてな。そのためにはこのような生きた魔族が必要なんじゃ。そこで賊に金と装備を提供することで、この場所と人さらいを奴らに提供してもらってた。要はギブアンドテイクという……」

 言い終わる前に僕はナイフを壮年に投げた。
 しかし、ボディーガードらしき人物にナイフをキャッチされ、奴には届かなかった。

「おうおう……クールな顔してるわりには短気な坊だ」
「何がギブアンドテイクだふざけるな。村人を無理やり誘拐させ、実験材料だと? 反吐が出る。その研究、ここで粉々に粉砕してあげるよ」

 僕がここまでキレるのは珍しいよ。それだけこの壮年に腹が立った証拠さ。

「あ~エクスさん! あたしあたし!」
「わかってる。でもここは僕にもやらせてほしい。それだけ許せない相手だ」
「あら? ならわたくしも協力させてもらいますわよ?」

 シールちゃんとユーノさんもやる気満々だ。

 よし、ならこのおっさんの計画、三人で叩き潰してやろうじゃないか……
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