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ヒロは俺の嫁

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マティアスさんの両親の家に戻ると、お母さんが飛び出して来て抱き締められました。
無事で良かった、と泣いてます。
相当、心配かけたみたいですね。

家の中にいたのに 誘拐されてしまうなんて、とても怖いですね。

もしかしたら、もう、二度とマティアスさんに会えなくなっていたかも知れないんですね。

そう考えると、怖くて体が震えてきちゃいました。

あ、やだ、涙も出てきちゃいましたね。

う、う、マティアスさん、抱っこしていて下さい!

マティアスさん、もう、二度とはなさないで下さい!!

マティアスさん、、、。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




家に戻るまで気丈にふるまっていたヒロだが、おふくろに抱き付かれて泣かれると、つられたかの様に泣き出した。

俺と離れていた間に誘拐されたのが余程怖かったのか、俺に抱き付いてきて泣いている。

もう、二度とはなさないで、と切なげに泣きじゃくっている。

俺だって、もう、二度と彼女を危険にさらす事はしたくない。

どんなに成長しようが、ヒロが何者であっても、この手をはなす事はしたくない。

そう、ヒロはもう、俺の嫁だ。

さっさと教会に行って手続きも済ませてしまおう!




『おい、マティアス。
犯人を連行してったお前の部下が訪ねてきてるぞ。』

おやじが気まずそうに言ってきた。

俺の部下、、、ああ、コーリーか。

『ヒロ、コーリーが来たから応接室に行こう?』

うん、と、うなずくけど、しがみついて離れない。

もう、このまま抱き締めて行くとするか。


『コーリー、ご苦労さん。
犯人たちはどうだ?』

おっと、目を真ん丸にして口をポカンと開いているぞ。

そりゃ、そうか。

浮いた噂ひとつ無かった俺が、若い女性を抱き締めているんだもんな。

もう、子供の姿では無い妙齢の女性。
しかも、美女ときたもんだ。

アゴが外れる程、驚いている。

まあ、俺自身も驚いているがな。


『あー、その、俺の、嫁だ。』

『はあ??!!!』

驚かして悪い。

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