記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko

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私はマティアスさんのお嫁さん

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なんだかとんでもない結婚式だった。
【神の御託宣】とやらにより、ヒロと俺の子供がジーズー王国の次期国王に決まってしまったらしい。

なんだ、それ?

まだ生まれてもいない子供の未来が決定されてしまったなんて。

我が国の王も、ジーズー王国の皇子も神殿の神官たちも皆ひざまずく存在。

どうして、こうなった?

『マティアスさん、思ってもいない事になっちゃってごめんなさい。』

『ヒロが謝るような事は何もないぞ。
俺には計り知れない事だが、【神の御託宣】なんだろう?』

『そうなんだけど。
でも、私と婚姻したせいでマティアスさんも王国に住まなくちゃいけなくなったし。
私、マティアスさんの人生をねじ曲げてしまったもの。』

そうなのだ。
俺はジーズー王国に行く事になってしまったのだ。
まあ、今すぐではないが。

これからヒロのお腹の子供が生まれて、1才の誕生日を過ぎたら移住する事になるらしい。
これはもう、国同士の決定事項なのだ。

それまでのほぼ二年の間に冒険者ギルドマスターとしての仕事を後任に渡し、生まれ育ったこの国を去るのだ。

未知の国、ジーズー王国。
考えれば考える程に頭が痛くなってしまう。
が。

『俺はヒロと子供と生きていければ、幸せだ。
そこが何処だろうと、自分の出来る限りの事を成すだけだ。
ヒロの生まれ育った国の事を教えてくれ。
皆で幸せになる為に、俺のやれる事を探そう。』

『マティアスさん、ありがとう。
うん、神様とか、神子とか次期国王とか、そんなのはただの付属品だものね。
私は一人の人間として、マティアスさんを愛してる。
そして、私たちの大切な赤ちゃんが出来て、愛する家族が増える。
それが一番大事な事だよね。』

『そうだな。
ヒロ、俺と出逢ってくれてありがとう。
愛している』

『うん。
記憶喪失の私を拾ってくれてありがとう、ギルマスさん。
私もマティアスさんを愛してます。
これからも色々大変だろうけど、よろしくお願いします。』



人生何が起きるのか分からない。
でも、愛する者たちとならば幸せだ。
そこが何処であったとしても。



Fin.



あとがき

長らくお待たせしましたが、完結です。
力不足で書き切れなかった感はありますが、一応完結です。
お付き合い下さり感謝です。
気が向いたら番外編投下します。
では、ありがとうございました。
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